リレー小説4
<Rel4.リヴン2>
火星 タルシス パーク・フェイスザマーズ 「…アンタがSFES亡き今の火星裏社会のトップ…『グレッグ・サマーズ』か?」 護衛達に四方八方から銃口を突き付けられて尚、少年の口調に怯えの色は混じらない。 奇妙な来訪者だった。 ウニのようにボサボサとした緑髪の少年と、妹と思しき長髪の少女… ギャングの長であるグレッグを前にしても怖気付く事のない少年もそうだが、 更に異様なのは少女の方だ。一言も発さず唯、少年の傍に佇む其の姿は生気を感じられず、 まるで良く出来た彫像か何かではないのかと思えてしまう程に無表情だ。 そんな二人組みだからこそグレッグは興味を持ったのかも知れない。 彼が振り上げた手をゆっくりと下ろすと、護衛達は銃を引っ込める。 「そういうお前は最近、オレ様を嗅ぎ回ってるって噂のガキか?何の用だ?」 「俺は死人を蘇らせる外法を探しているんだ…知らないか? 裏社会にそういう事が出来るヤツが居るって聞いたんだ。アンタ程の人間なら知ってるだろ?」 「ほぉ……死人を…なぁ…… まぁ知っているっちゃ知っているが…オレ様の手元で飼っているって訳じゃない。 其れに…そいつをお前に教えてどうなるってんだ?」 「俺に出来る事なら何でもやる。アンタの為に戦っても良いしね」 少年は別に筋骨隆々という訳でもないし、これといった武器も所持してはいない。 だがグレッグは…寧ろそんなナリでこのような事を言う少年に並ならぬ物を感じた。 此処は火星…能力者の星。外見でものを判断する愚か者が裏で成功する訳はないのだ。 「…戦うっていうと、お前…能力者か?」 「違うよ。もっと面白いものだと思うけれど?」 勿体付ける様に少年はゆっくりと自分の腕に巻いた包帯へと手をやる。
執筆者…is-lies