リレー小説4
<Rel4.ニューラーズ1>

 

  リゼルハンク本社

 

「無事に終了しましたか?」
コンソールに着いているのは、眼鏡を掛けた如何にも堅物そうな女だ。
鋭い眼はコンソールに備え付けられたモニターに次々表示されるデータに向けられ、
目まぐるしく更新される各情報を追う様に其の両の瞳を右へ左へと往復させている。
《あ、ハイ。何の問題も無いデス》
語調が微妙におかしい女の声が部屋に響いた。
先程、ガウィーやタカチマン達の前に、端末のモニタを介して現れた女…
自称SFESの兵隊…レギオンのリトの声である。
「左様で。……これから巧く動いてくれると良いのですが」
《でも、あの人達は精神領域接続用どころかDキメラ自体持ってまセンよ。
 気付いてはイるみたいデスけど、簡単に手に入るモノじゃ無いデス》
「其れは此方で見繕いましょう。
 以前セレクタに伏兵として放ったDキメラが居ましたよね。
 確か…AK-78……アルベルト・ジーン。
 彼と同様、逃亡されたという事で持ち出しセレクタへと…
 …いえ、アルベルトの一件でセレクタも警戒を強めている筈…」
「持ち出しもそう簡単には行かないんじゃないかな?
 ほら、アテネ第7研究所が襲撃されたじゃありませんか。
 其れでかなり管理も厳しくなってるみたいですよ」
眼鏡を掛けた女の背後…長方形のテーブルに着いた数十名の男女の内、
軍服を羽織った童顔の青年が、何らかの資料を捲りながら口を挟む。
「…そうですか。では既に逃亡しているDキメラを探しますか。
 ……精神領域接続用となると少ないとは思いますが、まあ其の辺りはキーリに任せます。
 問題はセレクタとの接触ですか……」
「俺達からの使いって言っても無理そーか?」
座っている椅子に槍を掛けた美形の青年が言う。
「SFESDBならセレクタも無視は出来ないと思いますが、
 蹴る可能性も無きにしも非ず」
《いえ、そーデモ無いみたいデス。
 あの人達、結構あっさりとプレゼント開けちゃいましタ。
 …セレクタの人じゃありマせんデしたケド……》
「一応、其方の喰らい付きは上々という所ですね。
 まあ暫くしたらセレクタへも此方から挨拶に向いますか。
 解しておいた方が何かと良いでしょう」
「直接会うのか?危険ではないのか…?」
黒い服の上に白い上着を羽織り、腰に刀を佩せた男は、
眼を閉じ、腕組みをしたまま先の眼鏡を掛けた女へ質問した。
「彼等は殺人狂ではありません。アルベルトへの態度を見ても解ります。
 多少は不確定要素がありますが、まあ大事に発展する様な事は無いでしょう。
 一応、護衛の4、5人は付けさせて貰いますが…
 …さて併し、リゼルハンク崩壊後にも現SFESが存続する事を考えると…
 そうですね…本名はマズいですか。保険として偽名でも……」
「ちょいと良いかい?Dキメラの事で思い当たる節があるんだ。
 早ければ明後日中にでもアテネで確保出来る」
青い髪をし、サングラスを掛けた男が挙手して言う。
其のやけに澄まし切った声を聞いて其の場の数名が露骨に眉を顰めた。
執筆者…is-lies
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