リレー小説3
<Rel3.ミスターユニバース2>

 

 

一方、セレクタも逃げたエーガの捜索に力を入れていた。 
エーガにエーデルヴァイスを奪われてから5日後の深夜、 
スパルタ某所、システム開発の某社。 
ガウィーは担当のセレクタ諜報員の元を訪れていた。
「どうだ、何か分かったか?」
「いえ… 
 ワイズマンエメラルドほどのデカブツなら、 
 直ぐに足が掴めると思ったんですが…」
「そうか、そうだろうな…」
「はぁ…?」
「ここのところずっと徹夜だそうじゃないか。 
 無理はするなよ」
「ええ、ですが…」 
成果がなく、何か焦っている様子の諜報員を見て、 
ガウィーはタバコを吹かしながら、静かに口元を歪ませた。
「SFESの方は?」
「それが… 
 プロギルドに流したという偽情報にも奴等にリアクションは見られません」
「…奴等はそれが偽情報だと解っているからだろう? 
 実際にはそっちが本当の情報なんだが…」
「……………」
「どうなんだ? レン・バートン君… 
 いやネッパー、か?」
それを聞いて、 
ネッパーと言われた諜報員は肩を震わせながらゆっくりと立ち上がった。
「ククク、バレていましたか… 
 いつからです?」
「怪しいと思ったのはエーガが入った時くらいからだな。 
 今回、時間差で別々の情報をリークした事で確信出来た」
「それだけじゃないでしょう? 
 其方が独自にSFESの動きを察知していなければ確信には至らないはず…」
「それは秘密。 
 知る必要もない。お前はここで終わりだ」
「フ、まぁ待ってください。 
 自分がその気になれば、セレクタなどもっと早くに潰せました。 
 ですが、そうしなかったのは… 
 それは自分にとっては得策ではなかった… 
 SFESを倒すためにもセレクタは必要だったんですよ」
「SFESでありながらSFESの崩壊を望む者… 
 お前はそのダブルスパイという訳か?」
「ちょっと違いますが、そんなところです。 
 どうでしょう? 
 この際トリプルスパイでも構いませんよ?」
「…お前達は大きく勘違いしている…」
ガウィーはバッグからリュージ製折畳式槍を取り出し、 
ゆっくりとそれを構えた。 
そしてそれを合図にするように、 
突然ドアが開いて数人が部屋に駆け込んできてネッパーを取り囲んだ。 
最初からこの遣り取りを聞いていたユニバース、ごとりん、レシルである。
「これはこれはお揃いで… 
 双方にとって良い話だと思ったのですが、残念… 
 しかし、自分も黙ってやられる訳にはいかない」
そう言いながら、ネッパーも応戦しようと身構えるが、 
既に彼等の術中に落ちていた。 
「…………!?」 
ネッパーの辺り空気が全身に纏わり付くように重くなって身動きが取れない。 
ガウィーが槍の穂先をじわりとネッパーの胸元に宛がう。
「ダブルスパイなら色々知ってそうですな。 
 さて、洗いざらい吐いてもらいましょか?SFESとか、前支配者とか」
「………! 
 ……殺せ…」
「あうッ! 勿論そのつもり! 
 ちょっと言ってみただけですがな。 
 ごとりんさん、死体でも尋問できますかね?
「ワシを誰じゃと思っとる? 
 新鮮な脳ミソだけあれば記憶のサルベージは可能じゃ。 
 …まぁ、ちょっと時間はかかるが…」
「…そういう訳で、 
 首から下は必要ありませんなぁ」
「な、ちょっと待……」
ユニバースが腰のステッキに手を添えた瞬間。 
ヒュッという風切音と共に、ネッパーの頭部が宙に飛んだ。 
そして、切断された首から噴出す鮮血が周囲に飛散する間もなく、 
レシルの放った業火が残った胴体を蒸発させた。
「気分はどうですか? レシルさん?」 
ユニバースがネッパーの首を拾い上げ、 
それをレシルの方に向けて腹話術のようにふざけて問う。
「…別に。 
 突然呼び出した割には大した敵ではないですね。 
 それより、エーガさんの行方は分かったのですか?」
「そや、 
 どうです?ごとりんさん」
「ん? 
 あぁ、どうやらSFESの一人と接触したようじゃ。 
 その後…まぁ…アレして、こうなって… 
 い、色々…面倒な事になっとるようじゃな。 
 うむ、ガウィーも急いだ方がいいと言っておる」
「…まぁ、詳しい位置は分からないが、 
 火星の裏側だな」
「そうですか。 
 では早速シストライテ達と再合流して調査に向かいましょう」
「いや、待て、 
 システィ達はまだクノッソスで待機中だったな。 
 ビタミンN達も近海で結晶の捜索中… 
 奴等もまだクノッソスにいるか……」
「何です?」
「いや、うってつけの奴等がいる。 
 レシル、セートとかいう奴の顔は覚えているか?」
執筆者…Gawie様
inserted by FC2 system