リレー小説3
<Rel3.統合編 北叟笑む神、踊り>

 

  火星アテネ
アテネ都庁を始め、無数の高層ビルが林立する摩天楼。 
雑多な人々が往来しており、其の繁栄振りは流石、火星首都といった所だ。
暗殺者「常盤貞宗」が非合法組織「SFES」に入ってから2週間。 
アテネの中でも特に其の巨大さが目に付く超高層ビル…
SFESが隠れ蓑としている大企業「リゼルハンク」本社ビルである。 
其の根元に集まる多くの黒いリムジン…今日は重役会議なのだ。 
地下駐車場へと次々入って行く其れを…行き交う人々の間から眺めている者が居た。 
目深の帽子と山吹色の外套を纏った者だ…
やがて一歩ずつリゼルハンク本社ビルへと近付き…ビルの外壁の前で止まる。 
くいっと上を向き、雲突くリゼルハンク本社ビルを見上げる謎の人物。 
暫くした後、背後へと腕を振る。 
いや、腕ではなかった。触手だ。 
そして異形は…眼の前の巨塔の外壁に、己が触手を叩き付ける。

  ズドォォォォォオオオオォオォォォオオォオオオッッ!!!!

信じられない…いや、恐らく普通の人間ならば信じたくない光景だった。 
アテネのシンボルと言っても過言ではない…リゼルハンク本社ビルが崩壊したのだ。 
崩壊と言っても徐々に斜になっていったりする様なものではない。 
一瞬で最上階迄が砕け、上空へと飛んだのだ。数秒の滞空の後、其の破片が地へと降り注ぐ。 
落ちて来る瓦礫から逃げ惑う人々。自らの保身で一杯の彼等は気付かなかっただろう。 
この崩壊を引き起こしたのは、崩れるリゼルハンク本社ビル前に棒立ちとなった人物の 
魔力も何も込めない、純粋な力での一撃のみに拠るものであるとは… 
万が一、気付いたとしても信じないだろう。
「………一撃にも耐えられないとは…脆いビルだなぁ」<Rel3.zero3:1>
執筆者…is-lies
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