リレー小説3
<Rel3.常盤貞宗2>

 

 

「マジでやるつもりか?」 
少し離れた所で待っていたDが、常盤に嫌味っぽく言う。 
「当然だ。」 
「でもよぉ、アレはどう考えても勝てねぇって。」 
「まだ2週間ある。」 
「…そんなんで大丈夫なのか?」 
そのDの言葉を無視し、常盤は再び森へ戻るべく、歩き出した。

 

Dと別れ、鬱蒼とした森の中を進む常盤。 
暫くして特訓所として使用している箇所に辿り着く。 
其処はこの辺りでは一番大きな木のある場所である。 
「さて…」
いつもなら素振りから始めるのだが、 
最近は己の能力に限界を感じて来ていた。 
幾ら肉体を鍛えても、人間の強さには限りがある。 
ゼロと戦うには、人間の器は脆過ぎるのだ。
「………どうする……俺は此処迄の男なのか……?」 
其の時、木の向こう側から 
悩んでいる常盤に向かって歩いて来る人物が居た。 
「………」
流石は一流の暗殺者。直ぐに気配を消そうと…
「暗殺者・常盤さんですね?少々お時間を頂けますか?」
執筆者…you様、is-lies

  リゼルハンク社長専用室内

 

う…うあああぁぁぁあああああ!!?!??
眼の前で狂った様に叫ぶ男を、生気の篭らぬ眼で眺める女子供…老人達。
「わわわ私の美しい顔に傷ををおおぉぉぉぉをををおお!!? 
 ここ…殺す……ゼロ……ブッ殺してやる…!!ぷひっ
まだ顔にあどけなさを残す少年の腹に何度も膝蹴りを叩き込み、
ゼロへの恨みの言葉を撒き散らすネークェリーハ。
「ぷひっ…そうだ……私にトドメを刺さなかったのは… 
 わ…私が怖かったからだな!?お…臆病者めェ!正々堂々戦えェェ!!?」 
もはや支離滅裂である。涎を垂らし、涙を流しながら老婆を踏み付ける其の姿に 
SFES総裁としての威厳は何一つ感じられない。
「オラァ!どうした虫ケラめぇ!其れで終わりかァ、ゼロォ!? 
 おめー弱ェじゃねぇかよ!其れとも私が超ド級に強いだけかァァァっ!!?」 
女子供を蹴り付けるゲス。どうやら彼の頭の中では 
自分がゼロを痛め付けている妄想がされている様だ。
「総裁…居ます?」 
あ゛?
 扉を開けて来たのは貫頭衣を着た少年と、少年に良く似た寝惚け眼の少女だ。 
 2人は専用室の中を見て、表情を凍らせる。 
「こここのクソガキ共が!此処は私の専用室だ!見てんじゃねェよ!!」 
「……総裁……何してるんです?」 
総裁の質問に答えず問う少年。 
「力無い蛆虫を私がどうしようが勝手だ! 
 其れともオマエラもまた此処にブチ込んでやろうか、ああ!?」
「………可哀相」 
伏し目にして呟く少年を見て、ネークェリーハの拳が飛んだ。 
だが其れは少女の手によって軽く受け止められる。 
「………」 
無言で…併し眼に殺気を込めて目前のゲスを睨み付ける少女。 
「ひ…ヒィィ!?な…何だ!?お前等、其の眼は! 
 わわ…私をバカにしてるな!そうに違いない! 
 私を誰だと思ってる!?『鉛雨街』の元支配者だぞ!?」 
ビビってたじろぐネークェリーハ。 
飛んで来た拳にも動じず、少年は真っ直ぐに総裁を見詰める。 
この幼い2人の子供にすら、ネークェリーハは精神的に負けていた。

 

「ちょいと御邪魔するわ〜」 
其の時、長髪の大女がひょっこりと顔を覗かせる。 
彼女の隣にはフリーの暗殺者、常盤の姿もある。
「ぜ、お…おほん!『ゼペートレイネ』博士ではないですか。どうしたので… 
 !?常盤!何故そんな負け犬を連れて来るのですか!?」 
大女にビクッとして態度を改めるネークェリーハ。 
「其れ、伝えに来たんです。彼…ボク達の新しい仲間ですから」 
先の少年が言う。
「…ふ…ふざけないで下さい。 
 そんな役立たずのゴミをSFESに入れる訳に……」 
ゼペートレイネが丸サングラス奥の眼でネークェリーハを睨む。 
「……なって当然ではないですか」
常盤はこの時、理解した。ネークェリーハは傀儡に過ぎない。
執筆者…is-lies
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