リレー小説3
<Rel3.SeventhTrumpet4>

 

 

  イオルコス警察

 

手錠を喰らった青の前で、羽の生えたガキと警察官が口論していた。
「なんだよ!しっかり捕まえたじゃん!」
とアレクセイ。
「だーかーらー、民間人に逮捕する権利はないといってるんだ!
 第一、うまく行ったから良かったようなものの事が大きくなっていたらどうするつもりだ!」
怒鳴る警察官。
「うぐ・・・もとはといえば、ケーサツがトロいのがダメなんだろ!」
「それはそれ、これはこれだ!
 ともかく、ここからは警察の仕事だ!子供は早く帰りなさい!」
かくしてアレクセイは結局追い出されてしまった。

 

「さてと・・・で、あんたアレだろ?名古屋の戦いの英雄って奴で・・・えーと。」
取調べ室への移動中、先ほどの警察官が話しかけてきた。
「『青』だ」
そう答えながら、
細いアルミの手錠だ、少し力を入れれば引きちぎれるだろうが、
そうしたらまた余計な事になるだろうからやめておくべきかとか考えていた。
「そうそう。で、あんた何で街中でケンカしてたんだ?
 普通プロってのは街中でどんぱちしないもんだろ?」
「ありゃ正当防衛だよ」
憮然とした表情で答える『青』
「だろうね。あんたみたいに名前が売れてりゃ馬鹿なことはしないさ」
それは本気で言ってるんだか、皮肉なんだか質問しようかと思ったがやめておいた。
と、誘導の警察官の携帯電話に着信音。メール確認の後で警察官が『青』に言う。
「おっと、どうやらご指名のようだぜ」
取り調べ室の中で待っているとやってきたのは、筋骨隆々たる黒人男と、東洋系のヤサ男。
ウホッ、いい男とは『青』
「よう、セト監査官。で、なんで民間人が取調室にまで来てるんだ?」
警察官は、筋肉男こと、アークエンジェルズのウィルに白眼視を向ける。
「おっと、そう。怖い顔をすんなよ
 俺もちょっと巻き込まれたもんでね。
 どういうことか聞く権利ぐらいあるだろう?」
と、ウィル・リナイ。
「・・・というわけだ、今回は我慢してくれ。」
これまたウィルに白眼視をくれながら言うは、
火星警察所属でありSTの監視員に回されているブルース・セトである。
「ふん、それじゃしょうがないな。
 まぁ、2人もいるのなら俺は必要ないな。先に、飯に行かして貰うよ。」
そういって席を立つ警察官。

 

「さてと・・・それじゃ始めっか。まずは自己紹介。
 俺はウィル。
 セントゲオルグって名前の方が有名か?
 アークエンジェルズをやっている。自警団というか、ヒーローチームというか・・・。
 で、こっちのはフェイタル・ファーラー。
 STを危険視した政府様がわざわざ監視のためにお寄越しになった監視員だ。」
と、筋骨隆々の黒人男。
「その名前で呼ぶな。それから、署内にいる間は勝手に喋るんじゃない。
 私はブルース・セト。説明はさっきの通りだ。」
東洋系の警察官が言う。
「では、始めようか、
 それとこれは尋問というわけではなくて事情聴取なので、そう固くなる必要はありません。」
とセト
「おぅ、分かった。」
返すは『青』
「まずは・・・あの男とあなたの関係は?」
メモを用意して話を聞くセト。
「あー、一度あったことがある。その時も少しドンパチをやらかしたんだが・・・」
「それはいつのことで、どこでですか?」
「ついこないだだよ。ここの近くの・・・オリュンポス遺跡で・・・
 !?あー、そのやっぱ黙秘していい?」
思い出し思い出し話す『青』だったが、そのうちにえらいことに気が付いた、
あそこを守っていた奴らはあそこがSeventhTrumpetの場所であるといっていた。
すなわち、奴らもSeventhTrumpetの関係者。
そして、アークエンジェルズと言えば
SeventhTrumpetと密接に関わっている組織として有名では無いか。
これはもしや、警察とグルになってはめられたのか?用心のために武器を用意すべきであろうか?
「・・・?どういうこった?」
そういう事は全く知らないウィルが口を挟む。
「黙っていてください!できれば続けてもらえますか?」
「あー・・・じゃあ、そっちのマッチョ、ウィルだっけ?そっちは席外してくれ。」
とりあえず、ヤバそうな体格のウィルを排除することにした。
「何で俺が・・・」とかいいつつ、ウィルは取調べ室から出て出口で待つ事にした。

 

「よし、じゃあ言うよ。俺たちは依頼を受けて遺跡に向かった。
 あぁ、依頼主の事は言わねぇよ。職業上の守秘義務って奴だ。
 遺跡の探索が終わって脱出してから、俺たちはあいつらを含んだ連中に因縁を付けられたんだ。
 あそこはSeventhTrumpetの私有地なんだとさ。」
用心しいしい話す『青』
「なに?それは初耳だが・・・」
「へぇ、そうか。そりゃ私有地に無断で進入するのはいけないことかもしれんが、
 それだけで襲ってくるのはおかしいだろ?それとも、SeventhTrumpetじゃ普通なのか?」
「いや、そんなはずは・・・しかし、本当にそういっていたのか?SeventhTrumpetの関係者だと?」
「あぁ、嘘はいってねぇよ。
 そういや、あいつらはアークエンジェルズだと言ってたし、
 テレビ説法だかで見たオッサン、ラ・ルーなんとかもいたな・・・。」
「・・・そうか、ありがとう。では、今日のことは?」
「だから、正当防衛だって。あんな街中で襲ってくるなんて、あいつは、本物のキチガイだな」
その後、細かいことの質疑を経て、『青』は無罪であることが判明した。
執筆者…Mr.Universe様

「で、どうだった?」
『青』がいなくなってからセトに尋ねるウィル。
「・・・SeventhTrumpetがオリュンポスの遺跡を占拠して、
 アークエンジェルズを名乗る輩が守っていたそうだ」
『青』の語った通りに言うセト。
「おい、冗談だろう!?そんなクソッタレなこと聞いてないぞ!?
 あいつが適当に嘘付いただけじゃネェのか!?」
激昂するウィル。
「いや・・・事実だ。
 さっき調べてみたが、丁度同じ日にオリュンポス遺跡が売却されているし、
 その日はあんたのところの教祖が、教皇と一緒になって遺跡を視察したことが記録されている。」
「じゃぁ・・・一体何が起こってるんだ?」
「分からん・・・しかし、これは行き過ぎた行動だ。
 私は監視員の義務に従ってこれを報告しなければいけない・・・」
「ちょっとまってくれ!こりゃただの勘違いかもしれないじゃねぇか!」
「ダメだ、私は報告させてもらう。」
「クソッタレ!じゃあ、好きにしろ」
乱暴にドアを開けて部屋から出て行くウィル。
執筆者…Mr.Universe様

そして、数時間後。上司であるところのキャメロン氏に相談をするセト。
「・・・ということで、これは政府に報告すべきでは無いかと。
 もちろん、その後正式に大規模な監察を入れるべきです」
意気揚々と語るセト。
「・・・分かった、しかし・・・もう少し待ってくれ。もう少し確実な証拠が見つかるまで。」
しかし、キャメロン氏は予想外に渋い反応を示したのだった。
「何故です!?これだけあれば十分ではないですか!?」
「ダメなものはダメだ。この件は忘れろ!」
「・・・そうですか、やはりアレですか?身内かわいさに問題を先送りにするということですか?」
ふつふつと湧き上がる怒り。
キャメロンの娘は、そのSeventhTrumpetに帰依し
更にかって監視員だった男と結婚し、今では子供ももうけている。
SeventhTrumpetが崩壊すれば彼女達が不幸になるから、手を出せないのだ。
「そうかもしれんな・・・。しかし、とにかく却下と決めたからには従ってもらう。」
「・・・分かりました。しかし、私は警告しましたよ!後でどうなっても知りませんからね」
今度は、セトが乱暴にドアを開けて部屋を出ることになる。
怒りで爆発しそうなまま歩くセトの頭の中で、何かが爆発した。
立ちくらみに似たショックでふらつき、瞳を閉じるセト。
そして、立ちくらみが引いてようやく目を開けると、
窓からみえるは、巨大でかつ異形の浮遊物体・・・宇宙船であろうか?
そして、その腹から放たれる裁きの光。
光は大地にぶち当たるとそこから爆風で街を巻き込んでいく。どれだけの人が死ぬのだろうか?
そこで、やっと今見ているのが現実の景色ではなく未来視であることに気付くセト。
しかし、自分の能力は避けられない未来を見る能力ではなく、
回避可能な時点で最後の選択を強いる未来視だったはずだ・・・。
そうなれば、自分が行動を間違えればあの未来が本当になってしまうということなのだろうか?
そして、それ以上に困るのが今回に限ってどうすべきかということが指し示されなかったことである。
この混乱した状況の中セトはかれこれ数年ぶりに嫌な汗をかいていた。
執筆者…Mr.Universe様
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