リレー小説3
<Rel3.サーヴァント2>

 

 

  ミュケナイ 
  火星文化遺産庁舎

 

「どういう事だこれはッ!!」 
黒スーツの男…火星保安総監の怒号が響き渡る。
「私がオリュンポス遺跡の調査を進めていたのは貴様等も知っていただろうが! 
 其れを後から来たSeventhTrumpetなんぞという訳の解らぬ教団如きに、 
 貴様は、私に、無断で、売り渡したと言うのだぞ!? 
 解るか? 重要な古代遺跡を1つ丸々渡してしまったのだぞッ!? 
 この私の計画を無視して勝手になァ!!」
「しかも我々が調査に向けた火星ロボット技研の人間には何の説明も無く… 
 挙句に問答無用で攻撃を始めたとウェッブ博士からは聞いている。 
 文化遺産遺跡の保護が貴様等の仕事ではないのか? 
 我々が既に動いていると言うのに、野蛮な猿に任せるなど…… 
 どうなんだ其の辺りの弁明は。監督不行届きで済む問題ではないぞ?」 
保安総監の背後で睨みを利かせているのは、護衛であるところの保安部員だ。
当然の事ながら、 
今回のSeventhTrumpetによるオリュンポス遺跡買取は、 
初めから遺跡調査を進めていた火星保安総監の逆鱗に触れる事となり、 
其の結果が、電話越しでは飽き足らず、 
顔を真っ赤にして火星文化遺産庁舎に乗り込んで来た保安総監達である。
「まあまあ落ち着いて下さい保安総監。」
「くっ……この猿めが…これが落ち着いていられるか! 
 其れとも貴様が納得出来る理由を話せるとでも言うのか!?」 
対峙している遺産庁の男を、今にも張り倒しそうな勢いの保安総監。 
だが、男は不敵に笑みながら言う。
「ええ、言えますとも。 
 納得出来る理由…… 
 ………其れは」
直後、部屋のカーテンの裏から銃を構えた男達が飛び出て来、 
一瞬にして遺産庁の男と保安総監達の間に人の壁を形成した。 
装備に火星帝私兵のロゴを入れた其の銃は安全装置を全て解除されている。
「な…何の積もりだ貴様等!?」 
「猿の分際が…我々に楯突く気か!」
奥歯を噛み締めながら憎悪の形相で兵隊達を睨む保安総監は、 
其の奥に良く見知った顔を発見すると同時に、其の顔を驚愕のものに変える。
「…か、火星帝…これはどういう事ですか?」
火星帝国支配者レオナルドが言い放つ問答無用の一言。 
「殺れ」
直後、火星帝私兵達の放った鉛の雨が保安総監達に降り注ぐ。 
彼等は何が起こったのかも解らないまま、 
血の飛沫を散らしながら無様なダンスを踊り、死に絶えた。

 

「ふん、封魔技法と硫酸で念入りに始末しておけ」 
死人に興味は無いとばかりに、 
レオナルド帝はマントを翻して血飛沫を払い飛ばし、 
部下に死体の始末を任せて足早に部屋から立ち去る。

 

「…終わったぞ。だがあれが本当に其のサーヴァントなのか? 
 前支配者の一部分にしては弱過ぎる。 
 こんなではルーン文字を刻んだ弾など必要なかったぞ」 
火星帝以外に誰も居ない筈の廊下… 
まるで何者かに尋ねる様に呟く火星帝に返事を寄越す者など居ない筈だが…
「ジ・ハウント思う。サーヴァントは退化した。 
 封印されっぱなしで弱くなった」
「併し…何時の間に入れ替わったのやら。 
 やはり例の遺跡か……」
「ジ・ハウントも見た。 
 アレクサンドリア遺跡の中にあったサーヴァントの封印。 
 多分、あの遺跡で本物の保安総監達は殺された。 
 何にせよこれで一安心。 
 そうだ、遺跡といえばオリュンポスの遺跡は…」
「前々から聖地故に欲しいとか抜かしていた宗教団体にくれてやった。 
 保安部…いやサーヴァント達が入るのは面白くあるまい。 
 ただ…このSeventhTrumpetとやらも………まあ良い。 
 邪魔になる様なら、こやつ等も始末すれば良いだけの事」

 

 

(猿が…前支配者と繋がっていたか…)
(ですが兄者、奴等は、 
  我々がこの様な状態で活動出来る様になった事には気付いていない様子。 
  我々の方が圧倒的に有利です)
(……そうだな。暫くは様子を見る事にしよう。 
  スペアに取っておいた肉体を持って逃げ出すぞ。 
  勿論、あのミンファという小娘もだ)
執筆者…is-lies
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