リレー小説3
<Rel3.ナナシ4>

 

 

「だめだ!それは罠だ!行かせるわけにはいかない!」
「うるせえ!どけっつってんのがわかんねえか!」
紅葉、みつお襲撃の次の日の出来事だった。 
時田とナナシは何か言い争いをしていた。
「ふあ…おはよーございます〜」 
そこに起きてきたばっかのナナミが眠そうな顔して現れた。
「ああ、おはよう。」 
そしてナナシ、時田のすぐ側の机にヨミが新聞を読みながらいた 
ナナミはすぐにナナシと時田が言い争ってるのに気づいた、
「…あの、何を言い争っているのでしょうか?」
「ああ、ナナシがリゼルハンク演習所に行くって言って聞かんのだ。」 
ナナミの質問にヨミは答えた。
「また…ですか…」 
ナナミは半分呆れながらため息をついた 
あの雷怒という異形の言葉にナナシは何かを思い出し、 
演習所に行こうと昨日から言っていた。 
だが時田はこの誘いは雷怒がナナシを挑発する為だと感じ、 
行こうとするナナシを止めようと説得して口論になっていた。
「どうしても行くと言うのなら…この私を倒してから行きなさい」 
時田は両手を広げ仁王立ちになりキッとナナシを睨みつけた。
ナナシはジーっと時田を睨み続けている。 
「…分かった…死ねい!!」
バキ! 
ぺっ!
時田の顔にナナシの右ストレートが炸裂した。 
そして時田は10mほどぶっ飛んでいった。
「…ま…まだまだあ…」 
ふらふら… 
時田は口から血を吹きながら立ち上がった。
ガン!ドスドス! 
ぐは!
さらにナナシからヘッドバット、膝蹴り二発もらう時田。
「お…おぶ…おぶ…」 
かなりやばい状態まで追い詰められてる時田、 
それでもナナシを止めようとする根性は凄い。
「砕け散れ!スフィンクスヘッド!」 
バキャーン! 
ぶっふおあ!!
とどめのとび蹴りで時田は窓ガラスをブチ破り 
外に飛び出ていき完全に沈黙した… 
「と…時田さん!」 
慌てて窓に駆け寄り、庭を見下ろすナナミ。 
其処には頭が地面に突き刺さって手足をピクピクさせている時田の姿があった。 
唯の人間が戦闘用Dキメラのナナシと戦おうというのが、そもそも無謀なのだ。
能力者であっても並大抵のものでは返り討ちが目に見えている。
「兄さん!今のは酷過ぎます」 
幾らなんでもやり過ぎだと言わんばかりに 
ナナミがナナシを怒鳴り付ける。 
更には起きて来た孤児の1人イオもブーたれてる。
「うるさい。あいつを…放っておける訳ねぇだろ!」
「あいつ?ナナシさん、あいつって誰です?」 
興味を惹かれたのか、イオが質問する。 
口を挟まないで注目している辺り、どうもナナミも知りたい様だ。 
ヨミの方は……本を読んでいるだけで聞いているのか否かも解からない。
「るせえ!手前らの知ったことじゃねえよ!」
バタン! 
かなり乱暴にナナシは扉を閉め、自室に戻っていった。
「なんだよ、あいつ…人が心配してんのに…!」 
ナナシの態度にイオは文句を言った。
「(兄さん…)」 
ナナミは心配そうにナナシを見つめていた。
「…」 
その中、ヨミは黙ったまま興味なさ気に新聞を読んでいた。
執筆者…R.S様、is-lies

それから一時間後…
「おい。」
ヨミは地下室で何かを作っているナナシに声をかけた。
「んだよ…てめえか…なんだよ。 
 用がねえならとっとと失せな、オレは今忙しいんだ。」 
ナナシは一時は振り向いたが、すぐにあさってのほうを向きエンジンを組み立ててた。
「…勝てると思ってるのか?」
「ああ?」 
ヨミは唐突にナナシに質問した。
「あそこには恐らくこの間の狐みたいな女もいるだろう」 
「あいつに勝てる自信ってか?けっ、一旦オレは勝ってるんだぜ? 
 今度もまた…」
「ナナミから聞いた、奴はBDを使っていたのだろう? 
 まともな思考をもって闘ったらお前は勝てたと思うか?」 
「う…」 
ヨミの言葉にナナシは言葉を失った。 
確かにああ見えても紅葉は恐らく頭脳の方も発達しているだろう。 
一番厄介なのはあの時間停止もどきだ。連発される可能性もある。
「そして…恐らく奴よりも手ごわい相手も出てくるだろう、 
 例えば…幹部クラスとかな…」 
「…!」 
ナナシの脳裏に一瞬サングラスの男ライズの顔が過ぎった。
「だ…だったらなんだって言うんだよ! 
 誰が来ようと皆まとめて、叩き潰してやらあ!」 
ナナシは焦ったようにでかい声をだし、威勢のいい事をぬかした。
「口で言うだけは簡単だ、はっきり言ってやる、 
 お前の今の実力じゃ、あのバカそうな男にも勝てん。」
「んだと!?」 
カチン 
ナナシはヨミの言葉に頭に血が上った。
「お前が言った所で奴らに返り討ちに合うのが関の山だ」
「てめえ!!言わせておけば!」 
ナナシはヨミに飛び掛った。 
だが、あっさりとヨミに回避され、 
オマケに腹部に鉄拳を入れられた。
「飛び掛ろうとするのなら真正面から飛び掛らないことだ」
う…ぐ…なめんな!」 
今度はヨミの顔目掛けて鉄拳を繰り出した。
ス、ブン! 
簡単に腕を捕まれあっさりと投げ飛ばされた。
あぎ!
「踏み込みの位置が足らん」
「ちくしょおおお!ふざけやがってえええ!!」 
懲りずにナナシはヨミに掛かっていったが 
悉く回避され、殴られ、蹴られ、投げ飛ばされていった。

 

 

一方そのころ…孤児院の前に一台のバイクが止まった。 
「ふん…ここか…ヨミの奴… 
 久しぶりに手紙をよこしたと思えば…くだらねえ」
執筆者…R.S様

イオが差し出した茶を黙々とすするのは、 
ついさっきバイクで来訪して来た男…… 
黒いTシャツにジーパンを着、バンダナを巻いた青年だ。
「思ってたよりも中は綺麗じゃないか」
「だが、直ぐに立ち去らないといかん。 
 既に場所は割れてしまっている様だからな」 
バンダナ青年と対話を進めているのはヨミ。
「で…コイツぁ何なんだよ…」 
ナナシが当然の事ながら質問する。
「客だ」 
ヨミの返した当然の返答@。
「お客様だ」 
バンダナ青年の返した当然の返答A。
「ンなモン、言わずもがな! 
 オレが聞きてぇのは何者かって事だ! 
 此処に何の用があるってんだ!? 
 ヨミ姉とは知り合いなのか!?」
当然の如く怒ったナナシが畳み掛ける様、質問を連発するが、 
ヨミ、バンダナ青年共に気にせず茶を飲む。 
因みに何故、ナナシが先程まで「てめえ」呼ばわりしていたヨミを、 
いきなり「ヨミ姉」に改めているかというと、 
さっき一方的にボコられ、そう呼ぶ事を強制させられているからだ。 
だが流石は生体兵器、殴られた痣や傷痕は数秒で消え去っていた。 
とはいえ痛い事には変わりないのだが…
「…そうだな、簡潔に説明する。 
 この男は『隆』。 まあ、ちょっとした知り合いだ。 
 彼のコネで『SeventhTrumpet』に匿って貰う様、 
 便宜を図って貰う事にした。ほれ、お前も挨拶しろ」
「いや……挨拶ってゆーか…… 
 SeventhTrumpetって何?」
「能力者を擁護している新興宗教だよ。 
 政府に迫害されている能力者や獣人… 
 無力な人々を違法行為から保護してくれている。 
 教義は知らないが、慈善活動などもあってウケは良い。 
 隠れるのなら絶好だろう」
いつの間にかノビてた時田が、 
頭頂部の痛みも何のその、話に割り込んで来る。 
しかも、しっかりとイオから茶まで受け取っていた。
「スフィンクスヘッド、オメエに聞いちゃ……まあ良いぜ。 
 兎も角、そいつの手を借りてセヴンスなんたらに匿って貰って…… 
 其れからどーすんだよ?」 
先程、コテンパンにノされたのが効いたのか、 
少しは考えを改めた様ではあるものの、 
やはり其のまま引き下がる気は無い様だ。
「ああ、其れはな… 
 ………いや、実際行って見れば直ぐ解る」
執筆者…is-lies
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