リレー小説3
<Rel3.クロノ3>

 

 

アテネに着いたクロノ達は、ミントに言われたようにアリエスと再会し、 
まずは情報を得るため、グレートブリテンに渡された名刺を頼りに、 
クラブ、ピンクドラゴンを訪れた。 
店は地下にあり、その名のとおり、龍を象ったピンクのネオンが輝き、 
14,5歳の少年少女がちょっと近付けるような雰囲気ではなかった。 
貰った名刺を握り締め、クロノは意を決して店のドアを開いた。 
すると中では…
「おいおい、どういう事だよ!」
「分んねェガキだな。 
 モニカなんて娘はウチにはいないって言ってんだろ」
何やら、強面の店員と一人の少年が店の入口で言い争いをしている。 
クロノが近付いてみると、
「あ…!」
「お、なんだ、お前等も来たのか?」 
ツヨシンだった。
「あの、俺もそのモニカって人に会いに来たんだけど… 
 やっぱ、間違い?」
「やれやれ、ガキが来る所じゃないのに… 
 しょうがねェ、ちょっと待ってろ」
強面の店員はそう言って店の入口でクロノ達を待たせ、 
店の奥の方に入っていった。
執筆者…Gawie様
クロノ達が店の入口で待っていると、 
3分ほどで強面の店員が奥から戻って来た。
「いいぜ、入んな。 
 ただし、モニカは休みだ。 
 一応伝言では『せっかくだから遊んでいけ』と言っていた。 
 それでも良けりゃな」
「遊んでけだぁ?あんのハゲ…何の積もりだよ…」
「……今日は休みか…ま、日を改めるか」
どうやらクロノ&ツヨシンには、 
取り敢えず遊んでおくという選択肢が無い様だ。 
この店の雰囲気を必要以上に疎んでいる辺りは純粋な子供らしい。 
早々に出て行こうとする2人と対照的に、 
ルビーは其の場に立ったまま店のあちこちを眺め回し、 
アリエスの方は手近な椅子に座って脚を組んでいる。
「?何かあるんか?」
「……あ…クロ君……別に何かあるって訳じゃないけど… 
 ………この店、所々にエーテリック障壁がある… 
 今日はたまたま不在だったみたいだけど、 
 ……やっぱり此処は普通の店じゃないよ。…まあ、其れだけ」 
と言ってルビーはクロノの側へと駆け寄る。
「ふぅん?まあそんじゃツヨシンの言う通りにすっかな。 
 ………で、アリエスは?」
「あたしはちょっと足疲れたからアンタ達で先帰ってなさいよ」 
椅子に座って脚をブラブラさせながらアリエスが言う。
「だらしないなぁ…途中休憩は結構あったろ? 
 ………まあ良いや……宿の方に帰ってるかんな」
其の場にアリエスを1人残し、クロノ達は店を後にし、 
昼中にアテネで見付けた宿屋へと向った。 
漸く一息つく事の出来たアリエスは背凭れにどっと寄り掛かる。
(…ふぅ、サーヴァント共は火星政府内に巣食ってたし、 
  こんな都心部では大事にしない筈……各国も集まってるしね。 
  …でも…アイツ等、何で今更蘇ったのかな? 
  トル・フュールは何してたのよ…?
  ………こっちもちょっと調べてみる必要あるかしら)
執筆者…Gawie様、is-lies

 

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