リレー小説3
<Rel3.『青』編10>

 

 

「あ、イルヴさん!アオさん!お帰り〜」 
シェリアが台所で料理をしていた。 
特に変わったことは無いようだが・・・微妙に家具が移動しているような気がする。 
エースはまだ帰っていないようだ。
「・・・(エース?)」 
『青』は何かを思い出した。 
「・・・ペンギン?まさか・・・」 
あの時のペンギン、何処かで見たような顔、何処かで聞いたような口調。そしてエース。
「ああああぁぁぁぁぁぁ!!」 
「五月蝿い」
思い出した。 
ペンギン太郎!奴は確かにペンギン太郎!
嘗て『青』が大名古屋国の監獄に囚われていた時、
エースの弟子として散々騙してくれたペンギン太郎である。
さらに何か思い出しそうになった『青』に、イルヴは鉄拳制裁を与えていた。
コンコン
「来客・・・?こんな夜中に?」 
頭を抑えて何故かモナ顔になる『青』を尻目に、イルヴとシェリアは扉を見た。
ガチャリ
扉が開く。入ってきたのは・・・ 
茶色のボサボサの髪、長いコートと長い銃。 
「また会ったな」 
遺跡にいた、イルヴと戦った男。
執筆者…夜空屋様

「情報提供ねぇ・・・けど、アンタあの胡散臭いオッサンの手下だったんだろ?」
「手下になった記憶はない。俺は護衛に就けば後は自由という条件を呑んだだけだ」
その男は、エドワードと名乗った。 
なんでも『青』と戦った黒服の男によってある部屋から連れ出されたらしい。
「その部屋とは?それと、その黒服の男とは?」 
イルヴが質問する。
「・・・蝿以下の男の遊び場だ。地獄だよ、あそこは・・・」
「随分大変やったんですね〜」
「あの部屋にいれば力の無い奴は怯えるだけだ。
 毎日のように蝿以下の男に暴力を受ける屈辱、極限状態の恐怖・・・負の感情だけが増えていく・・・」
「・・・で、その黒服の男は?」
樹川、とか名乗った。あとは知らん・・・ 
 で、お前たちに知っておいてほしいことがある。 
 SFESという組織は知っているか?」
「……名前だけはな。有名なマフィアらしいな」 
「・・・SFESの組織構成や名簿があるんだが・・・ 
 ああ、安心しろ。樹川が俺に渡したんだ。
 アイツは何考えてるか知らないがな。この名簿の中に樹川の名前は入っていない」 
コートの中から分厚い書類を出す。 
「・・・条件は?」 
イルヴが尋ねる。
「俺を此処で働かせてくれないか?安心しろ。信用できなくなったら追い出してもいいから」
「……イルヴさん、俺からもお願いしますよ」 
怨敵である前支配者に迫る為にも、 
彼等を匿っているというSFESの情報は欲しい。 
最悪の場合はSFES本部への殴り込みも辞さないのであろうか、 
『青』の声には有無を言わせぬ迫力があった。
「…良いだろう。今日みたいにシェリアを一人で残す破目にならない様、 
 もっと人手が欲しいと思っていたところだ」
「話が早くて助かる。 
 じゃあこれは渡しておくぞ。どうせ俺には意味の無いものだ」
(…意味の無い? 
  …これを雇用の交換条件にしろと言ったのか?樹川という男は)
もしそうだとすれば、 
樹川は、前支配者を求める『青』の事を知っていたとも思える。 
偶然かなどと思いつつイルヴは名簿を捲ってみる。

 

	SFES最高意思「SL」 
	 ヴァンフレム・ミクス・セージム● 
	 スピッツ・リヒテンシュタイン 
	 桐生・聖一郎 
	 ゼペートレイネ・フィヴリーザ● 
	 王・吉羅 
	 ライズ・ゲットリック● 
	 ミール・メチタ(抹消済) 
	 ラフォーク・ヘルドラッヘ 
	 ニューラーズ・ヴィッセン・ヴェインスニーク 
	 コニー・ブルームフォンテン 
	 ラーズスヴィズ・ベルナドット 
	 フランソワ・アルヌール● 
	 トッパナ● 
	 ジェールウォント・カディエンス
	SFES総裁(傀儡) 
	 ネークェリーハ・ネルガル
	SFES上級研究員(SFEL使用が認められる) 
	 セイフォート研究室
	  室長 
	   ゼペートレイネ・フィヴリーザ● 
	   ディオ・デカエナ・ラミア(抹消済) 
	  副室長 
	   	ヒュグノア・レーヌン(抹消済) 
	   ライズ・ゲットリック●
     研究員
	   ヘイルシュメル・クライバス● 
	   ペタル・ブラゴイェヴィチ 	
	   エルズリー・フレダ・ダホミン 
	   結原・命 
	   ブリジット・フィールディング 
	   和宮・秋葉
	 マシーナリー研究室
	  室長
	   フランソワーズ・茜 
	  副室長
	   スラーイン・カリエスシュタイン
      研究員
	   シンドリ・エピゴーネン 
	   ………
パッとイルヴの目に付いたのは其の辺りだ。 
が、イルヴの瞳は其の1ページ目の一部で既に釘付けにされていた。
「………馬鹿な……SFESだと、アイツ、知っていて……!?」
「イルヴさん?」 
名簿を覗き込もうとした『青』を片手で制し… 
「急いで調べる事が出来た。お前達は此処で待っていろ」 
…と言ってイルヴは名簿片手に、忙しなく店から出て行った。 

 

 

イルヴは戻ってこなかった。 
再び(密かに)あの遺跡に行ってみたのだが、 
もうその遺跡には人が入っていた。
シュリスはかなり悔しがっていた。 
あの遺跡を突然横取りされたのだ。仕方あるまい。
一体何が何なのか分からない。 
奴等は一体何が目的なのだろうか。 
アークエンジェルズについてはエドワードは否定した。
「いえいえ、そんな所持だとか1時間前とかは流石に冗談でしょう。ねぇ? 
 大体考えても見て下さい。 
 SeventhTrumpetが火星帝国に喧嘩売っても自滅行為でしかありませんし、 
 こんな未開発区域の遺跡を所有したって何もありません」
何故かあの遺跡はいつの間にかSeventh Trumpetの所有物になっていた。 
今、『青』が分かることは、
あの遺跡には何かがある。
執筆者…夜空屋様、is-lies
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