リレー小説2
<Rel2.セレクタ1>

 

車椅子に乗ったセレクタ幹部のミスターユニバースがテーブルを前にしている。
そのテーブルの先には、黒メガネをかけたスーツの中年と、
白いローブをまとって口を真横一文字につむんだ女性がソファに座っている。
テーブルに仕込んだPCモニターには、先ほどから文章が淡々と流れている。
「・・・まさか、こんな筈が・・・。奴らはそんなことを狙っていたのか・・・。 
 ・・・ところで、マクシマスさん、あなたはどこでこの情報を?」 
ミスターユニバースが額に汗を浮かべながら言う。
「フシシシシ(奇妙な音。恐らく笑っているのであろう)
 おそラく言っタとコろで、貴公にハ理解出来なイことでしょう。 
 ナコト写本かラの抜粋とだケ申しテおきまショウ」
「しかし・・・人類誕生の前にそんな化け物がいたなんて、信じられない・・。」 
 ミスターユニバースがつぶやく。
「信じル信じなイは貴方の勝手だガ、彼らは確実に存在すル。 
 我々ハ彼らヲ前支配者と呼んデいるがネ。 
 彼らガ蘇レば、十中八九人類ハ即座ニ滅ブだろうネ。」
「それに・・・もうすでに、前支配者の復活を企むもののために被害も出ています。」 
白ローブの女性、レシルが口を開く。
「それかラ・・・これヲどうゾ。」
奇妙なイントネーションで喋り、もう1枚のディスクを渡すマクシマス。
「恐ルべきハ前支配者トその眷属だけニあラずヤ。 
 かッて、前支配者ト闘い封ジたる旧キ神、彼ノ者ノ残したルものニも気をつけルべし。」 
と、マキシマス。
「??どういうことです?前支配者の敵ならば、問題ないでしょう?逆に利用すべきでは・・・。」
「そウ上手くハいかない。旧キ神ハ前支配者とノ争いノ後長キの眠リに就きたル。 
 さらに遺物ハ、善悪の区別は出来ヌ。
 ・・・もっとも、彼奴ラにとって元々人類ヲ滅ぼス程度悪でモなんでモないカモ知れヌが。」
「オーケー、ところで私にこんな情報を流して一体どうしたいわけだ?何か裏があるんじゃないか?」
「・・・我々モ今、人類に滅びラれては困ルのでネ。 
 しカし、悲しいカな我々ニハそれヲ阻止するだけの力が無イ。そこデ貴公の力ヲ借りよウというわケだ。」 
マキシマスが耳障りなアクセントで喋る。
「・・・そうか。納得行かんが納得するしかないようだな。 
 ・・・しかし、我々を過大評価しているのではないか?
 情報を貰ったところで何をして良いのか分からないぞ。」
「ふム、とりあエずハSFESヲ追エ。彼らノことハ貴公ノ方ガ良く知ってイルことでショウ。 
 それかラ・・・火星政府ハ遺跡の遺跡調査ヲしていルのだが、調査がだイぶ進ンできていル。
 近イ将来旧キ神の遺物が出土する可能性ガ高イ。そのあたりヲ調べなサい。」
「分かりました・・・ところで、そのレシルさんは一体何のためにこられたのでしょうか?」 
 ミスターユニバースが、先ほどから気になっていた質問を口にする。
「それダがね、セレクタに入レてやっテホしイのだヨ。 
 彼女ハ、我々ノ元で修行シてセイフォートを殺ス力ヲ持ヲ手ニ入レた。 
 ついでニ言えば彼女ハSFESニ恨みヲ抱いてイる。 
 セイフォートと戦ウには便利だカら連れて行ってクれ。」
「よろしくお願いします。 
 私は・・・復讐をしたいのです。」 
レシルが真剣な顔で言う。
「・・・分かりました。任せてください。」
「よろしイ。そレでハ、私ハ研究デ忙しイのでお暇さセていただキます。 
 今後連絡はレシルを通シて行ッてください。」 
会釈して、部屋を発つマクシマス。

 

「・・・あーと、レシル君、とりあえずセレクタで借りているアパートがあるので、
 この・・・(道筋のメモを書く)メモ通りに行ってください。 
 では、これからよろしくお願いします。」 
マキシマスがいなくなってしばし。
あの話の後で自己紹介とかさせるのもなんだし、しょうがないのでレシルを帰らせるミスターユニバース。
「あ、はい。 
 こちらこそよろしくおねがいします。 
 それでは、ありがとうございました・・・。」 
ドアを開けて退室するレシル。
「ふぅ・・・裏でそんなことが進行中だったとは・・・厄介だな。 
 だが、知らないよりも知っている方が有利ではあるか。 
 それにしても・・・あいつは何者なんだ一体?」
執筆者…Mr.Universe様
そこで何か思いついたのか、電話で本部につなげるミスターユニバース。 
モニターに金髪の男が映る。
《ん?ユニバースのおっさん、じゃないか。どうしたんだ?》
金髪男が言う。
エーガ、オッサンは余計だ。 
 まぁ、それは良いとして・・・今日からセレクタのメンバーが一人増える。
 (レシルのデータを送る)歓迎会でもしてやってくれ。」
《レシルちゃんか、へ〜かわいいじゃないの。》
と、エーガ。
「それから、少し調べてほしい人物がいるのだが・・・
 ミスカトニック大学の客員教授マクシマス・ミリアンという男だ。」
《オッケ・・・ 
 なんだろな、これ、4年前まではただの配管工、
 ところがある日、脳血栓で倒れて、記憶喪失と運動能力を失う。
 喋り方がおかしいのはその後遺症だとか。 
 回復後、各地の遺跡を回って研究論文を学会に提出。
 それが認められてミスカトニック大学に客員教授として迎えられるとさ。 
 ただし、その論文は立派なトンデモ学説で、教授になったにもかかわらず講義は持ってないとさ。 
 ・・・スゲェ怪しいな。》
エーガがハッキングして情報を集めてきた。 
「ふむ・・・そうか・・・裏がありそうだな」
「……遺跡……か………」 
《何?》
「いや、今後の行動方針だが… 
 火星政府が発掘しているという遺跡があってな… 
 其れの調査をしてみようと思う」 
《遺跡?何だってそんなもんを… 
 ……あ、古代火星文明の遺産か!?》 
モニターに映るエーガの表情が訝しげになったものの、 
直ぐにユニバースの言いたい事を察する。
「…そうだ。火星政府が動いているから『当たり』遺跡だろう。 
 使い物になりそうな技術を入手して、 
 何とかSFESに対抗出来る様にならないといけない。 
 そうだな……ガウィーが打って付けだろう」
ガウィー…煙を具現化し内偵他、様々な用途に用いる能力者である。 
彼の煙であるならば、怪しまれずに遺跡内を調べる事が出来るであろう。 
唯、彼は別の仕事に興味がある様で、乗り気にはならないだろうが。
《俺達は?》 
「エーガ達は…引き続き日本の司令の許でSFESの内偵をしてくれ。 
 あそこにはまだ、SFESのメンバーがかなり残っている筈だ。 
 其れもDキメラを含む少数精鋭と聞くからな。気を抜くな」
執筆者…Mr.Universe様、is-lies
inserted by FC2 system