リレー小説2
<Rel2.ロバーブラザーズ1>

 

  西日本山中

 

森に響き渡る銃声。鳥達が身の危険を感じて一斉に飛び立つ。
眼は鳥達の方へ向けられたものの、
彼等の耳は続く銃声を確りと捉えていた。
「バンガス!こっちだぞ!」
「ちょ、御頭ァ!待って下さいよぉ!」
如何にも元気の有り余った感じの少年の後に
これ又、如何にも気弱そうな少年が続く。
大名古屋国に乗り込み、世界を救った勇者達の一角…
自称・正義盗賊『ロバーブラザーズ』の、『ユーキン』『バンガス』だ。
本来なら、日本皇国英雄として相応の地位に就いていた筈だが、
国家解体宣言を出したにも関わらず、
要求を突き付けて来た大名古屋国が壊滅したと知るや否や
傍聴者である所のユーキン一行、そして獣人解放戦線に箝口令を敷くという行為が
ユーキンの癇に障り、皇国の勧誘を振ったのであった。
長々とした表彰に嫌気が差したというのもあるだろう。
結局、彼等は今迄通りの自称正義盗賊を続けていた。
この山は山賊や密猟者が多い事から、ユーキンが以前から眼を付けていたものだ。
「さっきの銃声…密猟者の匂いがプンプンするゾ!」
「僕は何も感じませ…」
「しっ!」
自分の唇の前に人差し指を立て、バンガスを黙らせるユーキン。
木々の隙間から銃声のあった場所を覗くと…
其処には黒いサングラスに髭ボウボウの大男が
ショットガンを構えて立っていた。
象牙で出来たであろう真っ白なパイプを咥え、
キョロキョロと周囲の様子を窺っている。
全身から「私は密猟者ですオーラ」を放出している大男の眼の前には
赤い服を着た少女がぐったりとして倒れていた。
執筆者…is-lies
密猟者の男は信じられないと言うような表情を浮かべた。
「ああっ、やった!!」
「ひ、人を…人を…」
密猟者の男は己のした事に恐怖を感じ、一目散に逃げていった。
「と、とりあえず手当てを!」
「は、はいっ!」
ユーキンが少女の傷口を塞いだ、次の瞬間…
少女が思いっきり、ユーキンの顔を引っ掻いた
いってええええええっ!!!
「う゛〜〜〜〜〜」
少女は唸り声をあげ、抵抗しようとした。が、
傷の痛みからか、再びぐったりと倒れ、気を失った。
「なんなんだこの子は!まるで野生じゃないか!」
「…って、本当にそうかも知れませんよ…」
「?」
バンガスが少女の下半身を指差していた。
そこには、狐のしっぽがあった。
「…狐?」
「…この子って…」
2人は顔を見合わせた。
「…とにかく!どこか治療できる場所を探さないと!」
ユーキンとバンガスは、とりあえず山小屋に少女を運ぶことにした。
「妙に軽いな、この子」
「本当に狐じゃないんですかね」
「…祟られたら嫌だな…」
2人は少女の傷を治療した。
執筆者…ごんぎつね様
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