リレー小説2
<Rel2.ミナ&リリィ2>

 

1日の列車移動の後、ミナとリリィは大名古屋国に到着した。
流石に一気に東日本へと行くのは体力的に無理がある。
此処で一夜の宿を取ろうと思っていたのだ。
…とはいえ大名古屋国は既に、ズタボロの廃墟ではあるが…
「此処が……大名古屋国?」
「元々荒廃していた地上部とはいえ、 
 以前と比べ破損率80%以上となっています」
生まれ故郷の変わり果てた姿を見て、流石にショックを隠しきれないミナ。
そんなミナに不安げな表情を見せるリリィ…だが、其の表情は直ぐに消える。
「…!御嬢様、何者かが近付いて来ます」

 

相当離れた場所で、ブルーのスーツを着た中年男性が、
見た事も無い魔物達に追われている。 
「・・・そっ!に・・国め!しつこ・・・らだ!」
近づいている、といっても男性の状況はかなり離れているので、よくわからない。
見事に察知できる点はさすがアンドロイドである。
「サタケ、タオス。サタケ、コロス」
「おのれっ!貴様のようなエネミーなぞに食べられてたまるか!
 たとえ生け捕りにされても皇国に戻る気はないぞっ!」
パン!パン!
必死に銃撃でキャンサー(皇国マーク付き)に応戦する男。
執筆者…is-lies、A夫様
空中を飛来するトンボ型のエネミーが
尾に付けた3つの球体の内、1つを男に向かって射出する。
「ぬっ!?」
何とか物陰に隠れて回避する男。
だが、彼の持っていた銃が突然、手を離れ、
球体に引き寄せられ、くっ付いてしまう。
「ちっ!磁力か!」
銃を剥がしている時間は無い。
其の侭、逃げ出そうとする男に迫るエネミー達。
男にやっと追いついた1体の猿型エネミーが
両手を組んで、腕を振り上げる。
…と同時に、其の巨腕を青白い電気が奔る。
スタンハンマーを男に振り下ろそうとした其の時。
横から飛来した小型徹甲弾によって
猿型エネミーの腕と頭部が、文字通り消し飛ぶ。
「命中。ターゲット1破損率30%。
 同固体の行動停止を確認。
 引き続き、残るターゲット2〜4を掃討します」
走りながら、自分の背丈を越える巨大ショットガンを構えるリリィ。
「ターゲット捕捉。発射。」
弾は風を切って飛んでいき、飛来するトンボ型エネミーの羽を貫いた。
エネミーは煙をだして、落ちていく・・・
「ターゲット・エアスラスター破壊。移動能力を搾取。破壊します。」
弾は墜落したトンボ型エネミーに向かって飛んでいく。
しかし、命中寸前で曲線を描いて大きくずれた・・・
エネミーは尾につけた球体を発射したのである。
執筆者…is-lies、エデンの戦士様
「き、君達は一体・・・!」
「今はそんな事より私達の後ろに隠れてください!」
「だ、だが・・・・」
少し不安そうな顔をする男。
ミナが男を保護したと確認して、武器のリミッターを解除するリリィ。
幾ら圧倒的な性能差があるとはいえ、
護る者がある場合と無い場合とでは歴然とした違いがある。
エネミー達もターゲットの増加と、其れが只者ではない事を確認し、
フォーメーションを整える。
執筆者…鋭殻様、is-lies

其れを…廃ビルの屋上から見詰める男が居た。
以前、ミナに殺気の篭った視線を放った緑色の長髪少年…
「戦闘中か…」
彼の名は『カフュ・トライ』。
若くもトレジャーハンターとして活動している少年だ。
何故、ミナに殺意を抱いているのかと言うと…

 

 

 

 

 

20日程前、財布をスられたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、人違いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「この前はよくも財布、盗みやがったな・・・・・・・
 おかげでこっちは五日間、ほとんど何も食えなかったんだ!
 その恨み、思い知らせてやる!!」
思い切り勘違いをしているカフュ。
そしていきなりビルの屋上から別のビルへ飛ぶカフュ。
その瞬間カフュの姿が黒い狼になったかと思うと
カフュは別の離れたビルの上に立っていた・・・・・ 
執筆者…is-lies、鋭殻様

トンボ型エネミーの磁力球を警戒し、
リリィはエーテル能力で創った氷柱を攻撃に使用する。
流石の磁力球も氷柱には効かずに、トンボ型エネミーも撃破される。
同時に蜘蛛型エネミーがリリィに接近戦を仕掛けるが、 大型ライフルの兜割りを受けて2つに裂ける。
残ったのは巨大な虫のエネミーだが、どうも只者ではない様だ。
(強い…!)」
「待って下さい!今、手当てを……」
リリィの強さに驚愕する男に、携帯ポーチから手当ての為の薬品を取り出すミナ。
其の背後に黒い狼が佇んでいた。 
そして、
「おい!テメエ!」
なんとカフュは堂々と話し掛けた。
普通なら騙し討ちで攻撃したりするのだがこの男は普通の人とは何か違う様だ。
「きゃっ!?…?貴方は?」
突然、背後から聞こえて来た声に驚くミナ。
「ハン!死ぬ前に名前位は聞いといてやる」
「…人に名を尋ねる時は、自分から……」
「そ…そうだったか?まあ良い!
 俺はカフュ・トライ!20日位前に
 テメエにサイフをスられた無辜のトレジャーハンターだ!」
男に乗せられ、ビシッ!とキメるカフュ。
御丁寧に職業迄、教えてくれた。
「……………人違いです」
執筆者…is-lies、鋭殻様
「な、何ぃ!?テメェ、言い逃れする気か!」
「いえ、だから人違いです。」
しばらく三人は沈黙する。
と、エネミーが三人に向かって突然突っ込んできた。
三人は素早く避ける。
「な、なんだぁ!?こいつら!まあいい。叩き潰してやる!テメエ、手伝え!」
「え?そ、そう言われても・・・・」 
男はそんな状況を見て思った。
(・・・・この少年、何を考えている?
  普通は殺すつもりならば、協力しろ等と言う事は無い筈だが・・・
  仮に殺す気が無いとしても、復讐する相手に協力を求める者はあまりいない・・変な子だ・・・)
ミナ達の方へと向かう巨大なクロウラー型エネミー。
直ぐにリリィが遠距離からライフルを放つが、 
エネミーの表皮は異常な弾力性があり、通用しなかった。
だが、幸いエネミーの注意は引き付けられた様だ。
(もっと鋭い攻撃を与える必要がありますね)
距離を取ったリリィに、エネミーの吐く毒霧ブレスが迫るが
彼女は問題無いという感じでブレスの中を突っ切る。
ミスリルの装甲は毒如きでどうこうなるものではない。
其処へ…
執筆者…鋭殻様、is-lies
「どけどけどけ〜!!」
ナイフを構えたカフュが突進して来た。
急いでリリィは横に跳んで回避する。
一直線にクロウラーへと向かい、其の弾性に富んだ表皮へナイフを突き刺す。
「ぬりゃぁ!」
跳躍。クロウラーの胴体が縦に切り裂かれ、毒素と血が交じり合って辺りに降り注ぐ。
激痛にのた打ち回るクロウラー。
カフュは一向に攻撃の手を緩めない。
猛烈なナイフさばきにクロウラーの体力は限界に達している。
しかしのた打ち回るうちに、カフュは振り落とされた。
「あたっ!」
背中から地面に振り落とされたカフュ。
その時、リリィはクロウラーの口にライフルの標準を合わせ・・・
「・・・攻撃、開始。」
ドドドドドドドドドドドド!!!!
クロウラーはその巨体から緑のガスを噴出しながら、倒れ、崩れた・・・。
執筆者…is-lies、A夫
「さて、お前等も手伝った事だし、サイフの件は許してやる!」
両腕を組み、ミナを見下しながら偉そうにのたまうカフュ。
其の侭、勘違い路線を突っ走っております。
「は…はぁ……其れはどうも…」
其処で謝るミナもミナだが…
ふと、男が立ち上がる。
「ふう…助かったよ。礼を言う」
「あ、いえ。私は手当てしただけですし…」
「…君は…本田ミナ…だね?」
 !!
男の言葉は、ミナには動揺、リリィには警戒心を与えた。
「申し遅れた。私は元日本皇国諜報部員…
 『佐竹』とでも呼んでくれて構わない。
 君がもっと小さい頃、私は大名古屋国の情報を集めていてね
 ミナ君や君の御父上…
 後、其方の…リリィ君の事も知っているよ」
「!!……父を…父を御存知なのですか!?」
執筆者…is-lies
この男性は何か知っている。
ミナは直感を信じて質問を始めようと…
「ちょ、ちょっと待て!
 大名古屋国に本田……お前!本田宗太郎の娘か!?」
素っ頓狂な声を出してカフュが問う。
「…………はい。そうです…」
「……俺は『獣人』の1人で、所謂、第一世代だ」
呟く様なカフュの言葉に息を飲むミナ。
獣人…結晶飛来時に起こった能力者対非能力者の戦争で、
非能力者側が人体改造によって創り上げた超人兵器だ。
大戦終結と共に用済みとなり、火星での強制労働に従事させられていたりする。
本田宗太郎は彼等の解放も目的にしていたが、
何をトチ狂ったか無差別破壊を行い、獣人達にも牙を剥かれ、結果…斃れた。
「宗太郎さんは、俺達獣人の事を良く考えてくれた…
 だが…何であんな……」
「ふむ…どうやら君達は本田宗太郎豹変の原因が知りたい様だね」
立ち上がって、服に付いた埃を手で払う男。
「此処で1つ、取り引きといかないか?」
執筆者…is-lies、鋭殻様
「取引・・・?」
「簡単だ。君達が私についてきてくれればいい。」
佐竹の依頼とはこうであった。
『破滅現象』の調査をして欲しい。
急激な温度変化と眩い光と共に、万物が消え去ってゆくという現象であり、
日本皇国の上層部は其れを『破滅現象』と呼称している。
地球全土で発生している割に知名度は低く、
各国が箝口令を敷いている節がある。これは混乱を避ける為だろう。
日本皇国は秘密裏のままに事を片付けようと言う訳だ。
だが、佐竹自身は既に皇国を脱しており、自らの裁量に従って行動している。
其れどころか、日本皇国に追われる身であり、先程の様な皇国エネミーに襲われている様だ。
其の護衛を含めての依頼。
佐竹自身も己の目で真相を確かめて見てみたいのだろう。
「・・・まさか用心棒代わりになれってか?」
「そういう事だ。私一人では心配なのでね。
 それにそうすれば君達も事実を知る事が出来るだろう?
 成功報酬は、本田宗太郎の豹変について私が知る全てだ」
カフュ達は少し考える。
執筆者…鋭殻様、is-lies
「・・・事実、ねぇ。本当に明かしてくれるのか?」
「勿論だとも。私はこの件に関しては嘘はつかないさ。」
「そうか。じゃ、契約成立だな。」
カフュ達が無事承諾したその時、地面が突然揺れだす。
「キャッ!な、何!?」
「御嬢様!危険です!退避を!」
一同はその場から走り去る。しばらくした後、地面が怪しい光を放ち、崩落していった。
・・・一部分だけ。そう。破滅現象である。
(・・・ここでも、起きるようになったか・・・。)
深く考え込む佐竹。 
しばらくしてからミナ達に向き直る。
「火星のアテネに『ガウィー』という情報屋が居てな。
 ほれ、大名古屋国大戦の勇者の1人の…
 破滅現象に関する情報も彼が出所だ。
 そろそろ新しい情報が入っている頃だろう。
 皇国に目を付けられている以上、火星への逃亡も兼ねて、直に会いに行こうと思う」
「ガウィーさんですか…」
「火星の…アテネか」
「そうだ。お願い…できるかな。
 私も破滅現象の真相を確かめたいのだ」
佐竹の目は遠くを見つめていた。
その目は、色々な事を考えているようだった。
不安、そして決意も感じられるようだった。
「わかったよ、約束する。
 あんたを火星まで連れて行き、護衛もする」
カフュの目は、決意に満ちていた。真剣な目つきであった。
「…助かる」
そして一向は、歩き出した。
執筆者…A夫様、is-lies、ごんぎつね様
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