リレー小説2
<Rel2.キムラ2>

 

次の日、彼等は無事に東日本へと辿り着いた。
東日本…正式にはネオス日本共和国。
大名古屋国大戦中、アメリカ核ミサイルの誤爆を受け、
都市の一部が瓦礫の地と化してしまった悲劇の地である。
何とか『結晶』の力で核汚染は中和したものの
弱体化し、支配権は徐々に東日本…日本皇国に移っていこうとしていた。
幸い、日本宙港や其の周囲は無事であり、今現在も火星への運行が為されていた。
「さて…こっちだ」
メイ達を連れて大通りへと向かうキムラ。
暫くして『ガトリングガンズ』という看板が見えて来た。
「店主は『リュージ』といってな。多才なんだが、銃器しか扱ってない」
「はぁ…変わった人なんですか?」
「いや…アイツは比較的マトモ…問題はバイトの……
 …ああ…実際に見て貰った方が早いな」
そう言って扉を開けるキムラ。
店内には銃火器が所狭しと展示されており、
カウンターには店主であろう、タバコを咥えたオッサン臭い男…
詰まりはリュージが、先客であろう長髪の大女と話をしていた。
「はぁい。例のブツは出来上がっていて?」
何やら間延びした口調で喋る大女。
「ああ。ちょっと待ってな…
 おい『リエ』!レイネさんの銃を持って来てくれ!」
「は〜〜い。ちょっと待って下さい〜」
店の奥から少女の声が聞こえて来、
程無くして少女自身も現われた。エプロンとリボンをした少女だ。
リエと呼ばれたバイト少女の両手には1つの包みが乗っている。
執筆者…is-lies
「これですか〜?」
「ん?ああ、これだこれだ。
 これでいいんだろう?」
「うん、それ。これお金ね。」
キャッシュカードで支払いを終え、大女はほくほく顔で出て行った。
「毎度あり!ん?キムラ、いたのか?
 それに隣の女、誰だ?」
「敷往路メイと申します。以後お見知り置きを。」
「依頼人だ。めずらしく依頼が入った。」
「ふーん・・・俺はリュージだ。ここの店長だ。」
「で、弾あるか?」
「弾か?新作完成したぜ。リエ!あれ持って来い!」
「ハイハ〜イ・・・あ!」
突然リエの体が傾いた。何かに躓いたのだろう。
「やな予感・・・」
「ゲ・・・ヤバ・・・」
「え?」
しかし突然、黒い影が素早い動きでリエの体を支えた。
その男はバンダナをしており、片手にはノートパソコンを持っている。
「ったく、相変わらず危ないバイトだ。
 どうせ危険物だったんだろ?」
「サンキュー、『ジード』。あんたの言うとおりだ」
「マジかよ・・・ある意味やな予感が的中したぜ」
「ほらよ、こいつだ。あとフツーのいつもの量だな?」
「お前の試作物使うと医療費かさむんだよ。
 別に俺がミスる意味じゃねえけどな」
「大丈夫だ。今回は俺が数発ほど使ってみた。
 別に異常も無しって所だ」
「お前みたいな運が無い奴が成功するってことは安心だ。
 いや、逆に不安か?」
「気にすることねえぜ。あ、そうだ。
 ジード、お前がここにいるってことは何かの情報が入ったのか?」
「正解。これは西日(日本皇国)の資料にあったものからパクッたやつだ」
「西日って日本皇国の事ですよね?」
「ああ、そこのコンピュータに侵入してパクッた資料の事だ」
「国家のコンピュータに侵入!?
 そんな大罪を犯すなんて・・・
 それにそんなことができるの!?」
「ああ、お嬢ちゃんは知らないようだな。
 天才ハッカー、『グラッド』の名前をな」
執筆者…塩味枝豆様
「自分自慢はどうでもいい。
 で、大変なことってのはなんだ?」
「おっと忘れてた。
 じゃあ言うぜ。
 実は・・・と言いたいところだが」
「ああ、まずはゴミ掃除って所か?」
と言いつつキムラはマガジンを銃にセットし、ジードもナイフを構えた。
  ガシャーーーン!
窓を破って店内へと侵入する影達。
「な…何だァ!?」
蜻蛉型エネミーが5体、猿型エネミーが2体。
皆、皇国マークを付けた処刑用エネミーである。
「ふん…奴さんの対応も早いな…」
構えを崩さず、不敵に笑むジード。
そんな彼にメイが怒鳴る。
「ちょ…貴方が皇国の資料を盗んだりするから…!」
「生憎、皇国はもう腐ってるよ。
 そんなトコに義理立てする必要は無いぜ。
 代々、皇国に仕えた敷往路家と言えどね…
 なあ?敷往路メイちゃん」 
執筆者…塩味枝豆様、is-lies
エネミーがいっせいに(構えていたからであろう)キムラとジードに襲いかかる。 
「どちらにしろ雑魚には変わりない。こんなので刺客だとは思えないな」
「納得。何秒で片付ける?」
と会話を交わしながらエネミーの攻撃をすべて軽々と回避する二人 
「1、2、・・・7っと。10秒以内に片付くな」
「5秒の間違いじゃないのか?俺を忘れるな」
キムラは素早い動きで銃を撃つ。エネミー1体1体が一瞬で倒れこむ。 
ジードも攻撃を回避しつつナイフをエネミーに投げ込む。 
ナイフはほぼ、確実に急所を貫いている。
「な・・・名古屋の時よりも動きが速い・・・それに何でそんなに余裕を出しているの・・・?」
驚愕するメイにリュージが説明する。 
「相変わらずだ。いざとなれば弾丸も回避するからな。
「弾丸を回避!?そんなの人間技じゃない・・・」
「育ってきた環境が違うからな・・・ん?終わったか」
ふと見てみるとそこには倒れているエネミー7体と余裕の笑みを浮かべるキムラとジード。 
エネミーがピクリとも動かないところを見ると全て死んでるのだろう。 
そして2人は何事も無かったかのように先ほどの場所に戻った。
「ったく、早速あれ使うかと思ったぜ。結構期待できるのに・・・」
「今思えばそうだったな」
「やめとけ。また建て直しになったらどうする?」
「それは困るな・・・今月に入ってもう4回も建て直してるのに・・・」
「あの・・・お話の途中すいませんが・・・。
 で、2人の育ってきた環境が違うっていうのはどういうことでしょうか?」
「おっと、言いかけてたんだっけな?」
「俺の過去ばらして何になるってんだ。素人が聞いても100%信じないと思うぜ」
「その通り。俺の場合真似する奴が出てきたらたまんねえ」
「じゃあ話さないって方向で」
「承諾」
「同じく」
4人が話す中、リエが話し掛ける。 
「あの〜、この化け物の死体片付けちゃっていいですか?」
「ん?ああ。ここでやるなよ」
「ハーイ♪」
そう言うとリエはエネミーの死体を1体ずつ外に運び出した。
「何をするんですか?」
「火葬」
「え・・・どうやって?」
「見とけ。場合によっては見物になるかもな」
死体を全て運び出したリエ。 
「はじめますよ〜♪せーの♪」
リエの掛け声と共に彼女の手から炎が現れる。
「これは・・・魔法? 
「ああ・・・この店は時々爆発するんだが10回中6回こいつが原因だ」
「確かにさっき躓いたのも危なかったですね」
会話をし続けるキムラたちをよそにリエは火葬を続ける。 
雰囲気からしてリエだけが楽しそうに見えるのは気のせいか・・・
執筆者…塩味枝豆様

「これはこれは、おもしろい人たちですね。
 わざわざ術を使ってここまで来た甲斐がありました。」 
ガトリングガンズの向かいのビルからその様子を見ていた白髪の男が呟いた。
完全に気配を消しているらしく、キムラ達は全く気付いていない。
「キムラさんとジードさん、ですか。
 あのメイさんという女の子もできそうですが、あの二人は特別強そうですね。グレイ。」 
「だね。どうやらまだまだ余裕があるみたいだし。下手したらゼロより強いんじゃない?」
グレイと呼ばれた、男の肩に乗っていた黒い竜が答える。
「どちらでもいいですよ、私とあの方たちのどちらが強いかなんて。」 
「言うと思ったよ。」
「ですが、あの方達の強さが一体どれほどまでなのかは知りたいですね。」 
「攻撃しかければ?すぐわかるよ。きっと。」 
「そんなのは私の流儀に反します。 
 そうだ、あなたが戦ってきてくださいよ。」 
「はぁ?なに言ってんの?瞬殺されるに決まってるじゃん。」 
「肉体が滅んでもすぐ復活させますから。」 
「ヤだよ。いくら復活したって、痛いものは痛いんだから。」 
「冗談ですよ。あなたじゃ戦いにもならないでしょう。」 
「・・・」

 

「あらあら〜?そんなトコで何やってんの〜?」 
屋上のドアを開けて、長髪の大女がやって来た。 
ゼロは全く動じないが、グレイは大女を威嚇する。
「『SFES』の『ゼペートレイネ』博士じゃないですか。 
 何か御用でも?」 
SFESと自称する非合法組織のトップメンバーの1人は 
そんなゼロに、口を歪ませてから言った。
「クスクス…アンタ、いま暇でしょ?」 
「ええ。昨日の金閣寺の事件は面白かったのですが…今日は割と暇ですね」 
いけしゃあしゃあと答える。 
其れに対し、呆れた様な顔の大女。 
「便利なもんねー、アンタの空間移動能力… 
 でも、金閣寺に行ったって事は、クリルちゃん達にも会ったの?」 
「はい。一緒にエース君達を傍観させて頂きました」
突然、噴き出すレイネ&ビクッとするグレイ。 
「アンタも変わってるわね〜。何よりも傍観が好き… 
 まあ良いわ。今日はそんなアンタを 
 面白いイベントに招待してあげようかなって思ったのよ〜」
「面白いイベント?」 
興味を引かれたゼロが問う。
「此処の宙港から、標準時間10時発 
 火星アテネ宙港行き101便に乗ってみなさ〜い。 
 結構、大事になるわよ〜クスクス」 
サングラスから覗いた彼女の眼に宿る凶悪な光は 
ゼロの興味を掻き立てるのに十分であった。
執筆者…you様、is-lies

  一方、ガトリングガンズ内

 

「大名古屋国が潰れ、ネオス日本共和国が弱った今を見計らって 
 日本皇国が『大日本帝国復古大作戦』ってアホみてーな事企んでるらしいんだな。 
 日本全国を統一した後、鎖国して独自の文化と天皇に対する忠誠心を育み 
 最終的には第五次世界大戦を起こす積りだ」
「…其れ、ギャグじゃないのか?」 
汗を流すキムラ。あまりの馬鹿馬鹿しさに放心しているのはメイとリュージだ。
リエは…何の事か解っていない様だ。
「まあほっとこう」 
キムラが言う。 
「あとで大変なことになっても取り返しはつく。
 先に依頼の方をやっちまわなくちゃなんないからな」
「ふーん・・・大変だな・・・」
ジードはパソコンのキーボードを叩いている。
回線はリュージの店のものを(許可付で)利用している。 
「で、このあとどうするんだ?どっかに行くとか・・・」
「宙港から火星まで行く」
「結構金かかるな」
「大丈夫だ。この女が払ってくれる」
キムラはメイの方に親指を向ける。
「火星ね・・・ちょっと待ってな」
と言うとジードの指の速度が上がった。 
「少し待ってな。あと客が3人か・・・」
ジードの言葉と同時に入り口の扉が威勢良く開いた。
執筆者…is-lies、塩味枝豆様
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