リレー小説2
<Rel2.『青』5>

 

「な、なんだぁ?あのカルトな連中は。」 
向かいから怪しげな声を発しつつ行進する連中に、ゼイノは仰天した。 
「むむ・・・簡易洗脳されている民衆だらけだ。」 
その横で、すぐに服装で簡易洗脳を見抜いたデルキュノ。 
さぁ、彼らはこの状況でどんな行動に出るのか。
当然、怪しげな「大合唱」なのであの男も感づいていたらしい。 
部屋の中からかすかにリロード音が聞こえる。 
しかし大合唱のせいで気づかれなかったのだが。
「・・・・・まずは耳を塞ぐぞ。」 
「そうだな・・・・こんな怪しい歌、聞いてるだけで変になりそうだぜ。」 
「・・・・・皆さん、耳を塞ぐならこれを・・・・・」 
エースがどこからか取り出した耳栓で耳を塞ぐ。 
「・・・!」 
耳栓で耳を塞いだ直後、イルヴが何かに気が付く。 
『青』の病室のドアのノブに手をかけ、なにやら懐から取り出そうとしていた菊池だ。 
すぐさま魔法のミサイルを菊池へと突っ込ませる。
ガアアアァン!!
「きゃああぁ!?な、何が?!」 
「き、菊池っ!・・・そこの老人!なんのマネだ!!」 
我に返って、カルトな歌をやめた高橋がイルヴに怒鳴りつけた。 
しかし、平田は相変わらずカルトな歌を続けているのだった。
「お前ら、この病院に何の用があって来たのか?」 
慌てず騒がず、イルヴが切り返す。 
「ふっ、日本最強の男を我等『Ω真理教』に引き込むのさ。 
 其処はどいてもらうぞ!」 
「いいえ!コイツ等、なかなか出来そうよ! 
 コイツ等にも教祖様のマインドコントロールを受けさせましょ!」 

しょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょしょーーーーーこーーーーーーー!!!しょーーーーこーーーーー!!!

いきなりの再合唱。慌ててイルブも耳栓をする。 
だがコレでは仲間同士の連絡が不便だ。 
エースとイルヴは兎も角、デルキュノやゼイノは昨日合ったばかりのメンバーだ。 
息を合わせて行動する…といった器用な事は出来ない。 
カルト集団が涎を流し、歌いながら突撃を始める。 
だが洗脳を施したであろう3人は彼等の後ろで静観している。 
洗脳した一般市民に、イルヴ達の相手をさせる気だ。
「さぁ、これでOKだ・・・行くぞ。」 
早速、高橋が部屋のドアノブに手をかける。 
「けれど、あれは相当の変人という噂もたってる。歌程度では無駄かも。」 
「なぁに、私達には第二の秘密アイテムがあるさ・・・
 これであいつの『ヒボタンX』とやらを無力化してしまえばいい。
 名づけて『アビリティキラー』。」
執筆者…A夫様、鋭殻様、is-lies

そして3人のΩ真理教幹部が部屋に乗り込む。 
そこには、既に臨戦態勢の『青』がベッドの上に立っていた!
病室内に殺気がみなぎり始める。
「さっきから何か騒がしいと思ったら・・・あんたらの仕業か。」 
『青』がエース以上にドスの効いた言葉をぶつけた。 
「ふふ、その通りだよ。私はΩ心理教の幹部、高橋だ。」 
「同じく菊池。で、こっちが平田。」 
「さて、早速だが君を我々に引き込みたいのだが・・・どうやらその目は無駄だと言っているようだな!」 
「あぁ!当たり前だっての!!」 
病室内のムードがさらに殺伐となっていく。そして『青』がどこからか 
散弾銃を取り出した。破壊力重視のタイプである。
「ほぅ、早速その結晶による・・・能力か。平田よ・・・」 
「(何故知っている?こいつ、プライベートを・・・生かせるか。)」 
「では、それを早速封じさせてもらおう!アビリティキラー始動開始!
怪しい音とノイズがあたりを包み込む!
・・・しかし、それだけで何も起こっていない。 
「・・・あ、あれ?故障か?」 
「まて、平田。多分アイツが発砲すれば分かるはずだ。」 
「・・・行くぜ。」 
小声で『青』が呟き、菊池の腹めがけて引き金を引く。 
爆音と共に、菊池の体はドアへと激突した。 
ヴヴッ・・・!!
「な!?ば、馬鹿な・・・!」 
「くそっ、信じられん!こいつ、何者だ!」
彼らの予想に反して、ヒボタニウムの散弾銃は弾丸を撃ち出したのだ。 
額に汗を滲ませながら、再び装置を作動させる平田と高橋。 
激痛に耐えながら体制を整える菊池。腹への損傷は・・・当然酷いものだった。
再び病室内に変な音が響き、ノイズがかかる。 
しかし彼の体勢も、装備も、弱まる気配は無い。 
そして散弾銃がまた撃たれ、今度はアビリティキラーを破壊した。
「ア、アビリティキラーが!こいつ、もはや結晶による能力者では無いのか?」 
「ほ、本物の金属人間になったのか・・・ふふふ、あっはっは! 
 良いじゃないか!ますます君を引き込みたくなったよ! 
 こうなったら力ずくでいかせてもらおう!」 
どうやら高橋は『青』に対して、大きな興味を抱いたらしい。
病室内と廊下の方で、それぞれの戦いが始まろうとしている・・・。
執筆者…A夫様

  廊下側

 

わ〜た〜し〜は〜やってない〜。け〜ぱ〜く〜だ〜
迫る一般市民をあしらって『青』の病室に入ろうとするが、 
洗脳された市民は次から次へと人垣を築き、一向に近寄れない。 
「畜生!汚ェぞΩ!無関係な人間使いやがって!」 
メスを持って迫って来る看護婦に当て身を喰らわすゼイノ。 
だが其の頬に一筋の裂傷が奔った。 
どうやら民衆達は脳のリミッターが解除された状態らしい。 
「厄介な…!」 
魔法で民衆を気絶させるが、このままではキリが無い。
「とにかく病室に入れるな! 
 銃声がする。戦いに巻き込まれてしまうぞ!」 
デルキュノが耳栓を外して全員に伝える。 
「・・・仕方ない。眠ってもらおうか。」 
イルヴがなにやら呪文を唱えだす。果たして、成功するのか? 
イルヴの魔法霧が周囲を包み、跳梁跋扈していた民衆達を忽ち眠らせる。 
「ふぅ…助かったぜイルヴさんよ…」 
「何をボヤっとしとる!『青』の病室へ向かうぞ!」
執筆者…is-lies、A夫様

 病室側

 

菊池、平田、高橋の3人は合唱を始めた。

しょーこー!しょーこー!しょこしょこしょーこー!あーさーはーらーしょーこー!!

至近距離の簡易洗脳音波が『青』を襲う。
しかし、相手は容赦がなかった。 
突如『青』が確保した荷物からバッテリーを取り出し、それを元に 
チェーンソーを作ったのである。 
しょー・・・げ、げげっ!!何をする気だ!!」 
物騒なものを振り回して攻撃をしかけてくる『青』に、ビビって逃げ出す高橋。 
「ええい!貴様を血祭りにあげて、その後洗脳してやる!」 
今度は、平田がリボルバーを猛スピードで連射した! 
身の危険を感じて、ベッドを倒して攻撃を防ぐ『青』。 
弾切れを確認して、今度はスピアを構える。そしてベッド越しに 
相手に狙いを定めた。その額から、冷や汗が垂れる・・・。 
そして彼はスピアを、高い腕力で投げつけた。 
スピアがベッドを貫通し、回転しながら猛スピードで飛んでくる。 
「ひいいいぃぃ!!」 
まず、菊池がこの攻撃の犠牲となった。
…ゲブッ!
スピアに頸部を貫かれた菊池がゴボゴボと血の泡を吹いて倒れる。 
「はっはー!やるじゃないか! 
 だが、これならどうだ!!」 
そう言って彼が取り出したのは……銃の形をした物体だ。
配線や真空管がゴチャゴチャと適当に繋がれ、
銃口に当たる場所には赤い球体みたいなものがある。
何というべきか…子供用特撮の光線銃みたいな感じであった。
「…?何だそりゃ?」
「ふっ、これには我々Ω信徒100人の歌が込められた洗脳銃だ! 
 流石の貴様でも、コイツを喰らえば一瞬で教祖様の奴隷よォ!」 
引き金を引く高橋。放たれたリング状の光が 
「ほわんほわん」と鳴りながら、広がりつつ『青』に向かう。 
ほわんほわん・・・と、遠くにいる場合はそう聞こえる。 
しかしそのリング状の光が近づくにつれ、あの怪しすぎる合唱が聞こえ始めるのだ。

こー!しょーこー!しょこしょこしょーこー!あーさーはーらーしょーこー!!!!

だが、この歌の歌詞を『青』が聞いた時、彼の中で何かが起きた。 
「・・・麻原?あのきちがいさんか?」 
あからさまに麻原とやらをバカにした発言に、平田が怒る。 
「な、なんだとおぉ!!ぶ・・・ぶ・・・ぶっ殺すぅ!!
「ま、待て、平田、平田ぁ!」 
『青』に冷静さを失った平田が凶器を振り回しながら飛び掛ってきた。 
だが、飛び掛った角度が非常にマズかったために、 
平田の体はアッパーで鎖骨を砕かれ、吹き飛んでいった。
「お、おのれ・・・」 
後ずさりする高橋。その彼の首筋へ、武器が突きつけられる。 
「もう逃がさないよ。」 
「・・・エースか・・・やれやれ、助かった。」 
「く、くそ・・・・・・」 
エースが突きつけた槍で身動きが取れなくなった高橋。 
イルヴはそれを見て高橋に詰め寄る。 
「さて、まずは人々にかけた洗脳を解いてもらおうか。」 
「断る。」 
「死にたいか?」 
「承知しました。」 
即答である。 
「ふう・・・・これで一件落着か・・・・?」 
一同が安心しかけた、その時!
執筆者…is-lies、A夫様、鋭殻様
「おっと!動くなッ!」 
背後で眠った赤ん坊にナイフを突き付けた平田が 
勝ち誇った様な笑みを『青』達に向ける。 
「この赤ん坊を殺されたくなかったら 
 大人しく私の言う事を聞けェ! 
 取り敢えず窓から武器を投げ捨てろ!」 
「……外道め」 
仕方無く武器を捨てる一同。其れはイルヴも同じだった。 
極悪とはいえ、外道ではない。 
「へへ…よぉし………オイ高橋! 
 そいつ等に能力封印手錠を掛けろ! 
 これからお前等をΩ真理教本部へと連れて行く! 
 ちょっとでも妙な真似したらガキブッ殺すかんな!」 
「ほうほう。じゃあ、酷い真似はOKって訳か。」 
「え!?」 
その時、突然『青』が妙な事を口走った。
同時に、なんと鋭い刃先の付いた鞭が平田に危害を加えた。 
「うげっ・・・し、しまった・・・卑怯すぎるぞ貴様・・・」 
動脈を数箇所やられたらしく、赤ん坊を奪われた後に倒れる平田。 
ある意味死ぬより苦しいだろうか。 
「すげぇ!さすが「日本最強の男」だな!」 
「はいぃ!?いつから俺はそう呼ばれるようになったんだ? 
 ていうか恥ずかしいだけだぞ、おい・・・。」 
ゼイノの台詞に赤面してしまう『青』。 
「やれやれ・・・無茶の好きな奴だ・・・」 
半ば強引な真似で切り抜けるところに、イルヴは呆れ気味だったようだった。
さて、一段落したところで『青』があたりを見回した。誰か1人足りない。 
「・・・あ。あと一人・・・逃げたな。」 
結構悔しそうな顔をする『青』。ただし、善人の顔ではなさそうだ。 
「(・・・ギャップ、凄くないか?)」 
苦笑するエース。
「(Ω真理教・・・どうやら、良からぬ存在だろうな。)」 
一人考え込むイルヴ。

 

こうして、高橋は復讐心を胸に誓いながら盗品のバイクで逃げ出した。 
「お、おのれぇ・・・!あの金属魔!絶対倒してやる!」
執筆者…is-lies、A夫様

其の光景を森の茂みの中から見守る影… 
シャツと半ズボンという服装の少女である。 
狐の様な耳と尻尾がある辺り、獣人か何かだろうか? 
其の隣には緑色の髪をした美形男が佇んでいた。
「あの程度の戦力じゃ『日本最強』には敵わないなの」 
「だが『紅葉』よォ…何だってこの『みつお01』様が 
 偵察なんてヘボい仕事しなきゃなんねぇんだ!?」 
紅葉と呼ばれた少女が一瞬考える様に空に目を遣った後、胸を張って答える。 
「今日の『101便作戦』に絡めたΩ壊滅と邪魔者抹殺は 
 今後の『SFES』の安寧を築く重要な仕事なの! 
 其のタイミングを合わせるんだからコレ程の仕事は無いなの!」 
「おお!何か誇張にも聞こえるが 
 俺に相応しい作戦なんだな!よっし、やってやるぜ!」 
簡単に引っ掛かるみつお01。
「でも問題発生なの。 
 このままじゃ『青』達がΩ真理教本部に向かわないなの。
 直接対決で始末しちゃ、世間に要らない警戒を与えてしまうなの。
 仮にも日本最強。事故で死んでくれなきゃ」 
「実力行使で行くか?」 
隣に寝かせていた槍を手に取り、不敵な笑みを浮かべるみつお01。 
紅葉も無邪気ながら悪意を含んだ笑みで返す。 
「でも、一人攫うだけで良いなの。 
 紅葉の能力なら顔も見られずに一瞬で出来るから、 
 別に戦闘の用意は要らないなの」 
「んじゃ、俺は車の用意しとくとするか」 
茂みから出て病院へと向かう2名。 
途中、紅葉が森へと振り向き、クスっと笑った。

 

「…あの紅葉とかいう方には気付かれてたか… 
 まさか、俺が気配勘付かれるとはね…」 
森の木の上に寝っ転がっていた男…。白みがかった長い金髪の青年だ。 
「まあ、無視したって事は 
 向こうも大した事じゃないと思ったって事だな。 
 幾ら監視が仕事とはいえ…暇なもんだ」 
怪しい2人がまったりと病院に向かい、同じく怪しい1人が監視する中・・・
執筆者…is-lies

Ω幹部が収容、監禁されて騒ぎが収まった『青』の病室に、担当医師が入り込む。 
「やあ、『青』さん。体の様子は・・・どこにも異常無いみたいですね。」 
「へへっ、そりゃどうも。」 
礼儀正しく頭を下げて答える『青』。さっきのような悪意とかは、すっかり消えていた。
「あの・・・結晶についてですが・・・」 
エースが話そうとしたが、すぐに担当医師に止められる。 
「オホン。それに関しては問題は皆無・・・最も、彼と結晶は関りがなくなったがね。」 
「何?それはどういうことだ?確か『青』は能力を使っていたが・・・。」 
医師の言葉にイルヴが疑問を投げかける。
「彼は、結晶に頼らず自分自身でヒボタニウムを操れるようになったのです。 
 昔の言葉を借りれば「結晶能力者」から「潜在能力者」となった訳ですよ。 
 もう扱うのに何の心配も要りませんな・・・。」 
ヒゲを整えて、医師が語り終えた。
「すげぇ・・・我ながらラッキーだ。」 
医師の宣告を聞いた後、『青』は感動に震えていた。
と、その時!? 
突如、デルキュノが消えた。 
一瞬だ。誰一人として其の瞬間を目撃出来なかった。 
先程デルキュノの居た空間に、風を孕んでふわりと翻る一枚の紙切れ。 
何が起こったのか解らず狼狽えるエース達を押し退け、『青』が床に落ちた紙を取る。 
『この若造は我々Ω心理教が頂いた。 
 返して欲しくば富士山麓の本部まで来い。  あさはらしょーこー』 
「…なめた真似しやがって」 
静かな怒りを燃やす『青』を他所に、何かに気付いた様子のエースが自分のポケットを弄った。 
「あれ……車のキーが……無い…!?」
執筆者…A夫様、is-lies

  病院駐車場

 

「楽勝なの」 
気絶させたデルキュノを軽々と担ぎ、
少女は駐車場のみつおに声を掛けて、先程奪った車のキーを投げ渡す。
「おっし。んじゃ、早く連れて行くぞ!」 
早速、側にあったエース達のレンタル車のロックを解除し、後部座席にデルキュノを横たわらせる。 
助手席に紅葉、運転席にみつお01が腰掛け、キーをハンドルを握る。

 

其の光景をバックガラスの向こう…車の真後ろで中腰になり窺う謎の監視者エーガ
「成程、この車で攫う気か…。 
     SFESめ…何を企んでいる?」
車が発車した…反対向きだが発車には違いあるまい。 
急にバックした車は地面にあるコンクリートブロックの車止めに乗り上げ、 
背後で様子を見ていたエーガにアイアンアッパーを喰らわした。 
セニョリィィタァーーーーーー!!?
斜め上へ仰け反ったポーズで吹っ飛ぶエーガ。自身と吐血で美しい放物線を描く。
そんなエーガにも気付かず、今度こそ前へと発進する車。 
途中、何度か他の車に衝突しながらも病院敷地内から離脱した。 
後に残ったのは手足をピクピク痙攣させるエーガのみである。
同時にこのことはセキュリティーシステムによってレンタル車ショップに伝わっていた。 
すぐさま警察が出撃を開始し、追跡を行う。
執筆者…is-lies、A夫様

さて、病院では・・・。
「なにぃ!?車のキーをスられただと!なんてこった!」 
「おいおいアンタ、責めあっても仕方ねーんじゃねーの?」 
「は?責めあい・・・?」 
「ゼイノさん・・・『青』さん・・・かみ合ってないね。」 
ボケの入った話を続ける『青』とゼイノを見て、エースは久々に呆れた。
唐突にイルヴに質問が入る。 
「なぁ、テレポートはできるのか?」 
質問の主は話を切り上げてきた『青』であった。 
「うむ。但し、以前に指定した場所か、眼で見える場所しか行けんぞ? 
 まあ、あまり遠過ぎても駄目だが………ああ…そういう事か」 
『青』の意を読んだイルヴが顎鬚を摩り、感心した様に呟く。 
「富士山の麓…行った事は?」 
「距離は問題無い。だが指定した事は無い。 
 一度、ネオス日本共和国の東京にテレポートし、 
 可視範囲内テレポートの連続で向かった方が早い。 
 …お前の其の仲間思いな所は感心だ」 
杖を掲げ魔力を集めるイルヴ。
執筆者…A夫様、is-lies

キキィ!ドガッ!
「みつお!何て運転してるなの!」 
「う…うるへー!これでも俺なりに…」 
とか言いながらもデパートのショウウィンドウを割って内部に侵入。 
逃げ惑う人々の悲鳴も何の其の。道無き道を驀進するレンタル車。 
「あーもう!紅葉に貸すなの!」 
助手席から身を乗り出してハンドルを掴む紅葉。 
同時に車は一直線にデパートを突っ切る。 
「なぬッ!?お前運転出来て………へ?」 
みつお01は表情を凍らせた。目前に無数のパトカーが集結して来ていた。 
其れにも拘らず一直線に車を走らせる紅葉。 
みつお01は気付いた。
紅葉…眼の高さがフロントガラスより下です。
「おわあああぁぁぁああああ!?曲がれバカ!!」 
「何なの一体!?」 
慌ててハンドルを回す紅葉。だが当然スピンし横転する。 
因みに其処は十字路のド真ん中であった。 
此処で止めるなあぁぁぁああ!!

 

バキャアアアァァアア!!

 

左右から来た車に同時衝突し、ダメ押しとばかりに錐揉みしながら真上へ飛ばされるレンタル車。 
其の様は回転するバレリーナの如く優雅である。目撃者の警官曰く『10・0』
すぐさま、警官隊がズタボロの車を包囲し、銃を突き付けながら一歩ずつ歩み寄る。 
意を決して数人の警官が車の内部を覗き込んだが………誰も居ない。 
警官達は誰一人、眼を離していなかったというのに…。
執筆者…is-lies

  日本皇国立病院前

 

「ったく、ヒデェ目にあった・・・」 
ぶつぶつと文句をいいながら道を歩くエーガ。
あのあと、しばらく気絶していたが、
病院の敷地内であったため、速やかに治療は受けられた。
もともと怪我の具合が軽かったこともあって、すぐに治療は済んだ。 
が、監視しなくてはならない二人は完全に見失ってしまった。 
「ったく、ついてねぇなぁ・・・
 それともあいつ等、狙ってたのか・・?
 だとしたらあなどれない奴等だ・・・。」 
当然ながら、杞憂である。 
「とにかく、一旦戻るか。」 
無意味な不安を抱え、セレクタの拠点に戻るべく歩いていく・・・
執筆者…you様

荒廃した都市の中、一人の男が歩いている。冒険者の様だ。 
「ふう・・・・なんかあるかと思って来たが・・・・何も無いな・・」 
と、突然男の前が光り、何者かが出てくる。 
「な・・・・・!」 
男が驚きの声を出す前にその者達は光り、消えていった。 
男は呆然と立ち尽くす。 
「一体何だったんだ・・・・・・・?」 
「・・・ま、いいか?」 
そうして男はまた歩いていった。
ちなみにこの男が目撃したのは、連続テレポートしていた『青』達だった。 
彼らはイルヴの助けを借り、連続ワープを決行していた。 
・・・なりゆきなのか知らないが、デルキュノ救出の為。

 

「ここか・・・樹海の外れのようだな。」 
「行こうか。西の方になにやら入り口らしきものが見える。」 
『青』を先頭に、いざ突入作戦が開始された。
執筆者…鋭殻様、A夫様
inserted by FC2 system