リレー小説2
<Rel2.エース3>

 

 
  日本宇宙ステーション・ロビー

 

…フライフラット・エースは……自身の望む理想郷実現を、より遠くに感じてしまう。 
こんな状況で人々は安穏とした日々を得る事が出来るのか? 
人権獲得の為に動くテロリスト『獣人解放戦線』の司令である『尹』が言った様に、 
理想郷は…飽く迄……理想に過ぎないのかも知れない……
「どうかしたんか?俯いちまってよ」 
『セレクタ』という組織に属する軽薄そうな男『エーガ』の声にハッとして、 
頭からマイナス思考を追い立てるエース。 
自分がこんな弱気ではいけない。大名古屋国大戦の轍を世界に踏ませてはいけない。
エース達の仲間に『イルヴ』という老術士が居り、 
彼がセレクタとの伝を持っていた御蔭でエース達は真っ先に地球から避難する事に成功した。 
破滅直前の地球でも、未だに脱出しようとする人々が動いているのだろう。 
何も出来ない自分の無力さにエースは拳を震わせる。 
今の自分に出来るのは、地球が破滅しない事と…ジャックされた航宙機乗客の無事を祈るだけ。
執筆者…is-lies

「・・・・・それにしても、遅いな・・・・まだトイレ行ってるのかな?」 
エースは腕時計を見る。先程エーガがトイレに行くと言ったきり、戻ってこないのだ。
他の仲間も用があるといって何処かへ行っている。なので今彼は一人椅子に座っている。
彼は先程の事、「理想郷」を考え俯いてしまう。 
(・・・・・望むだけではダメだ。行動しなければ・・・・) 
エースが俯き思案していた、その時。
「よお。久しぶりだな。ククッ。」 
彼はその声にハッとする。そこに立っていたのは、濃い青色の髪をした男。
エースはその男に見覚えがあった。 
「あ、貴方は「トゥラド」さん・・・・・2年以来ですね・・・」 
彼はこの男、「トゥラド」とは知り合いなのだ。 
トゥラドはニヤッと口元を歪ませ、エースの隣に座る。 
「クク・・・・・そうだな。あん時はまだお前もガキだったよな。
 って俺からすりゃまだガキか。ヒャハハ!えーと、今、13歳だったけな?」 
「この前14になりました。」 
「そうか。で、今どうしてんだ?」 
エースは少し沈黙する。しかし、間を置くとトゥラドに事の顛末を話す。

 

「・・・・・そうか。そんな事があったか・・・・」 
「トゥラドさんは、・・・・・・・まだ「世界の再創造」を?」 
「ああ。だが、この状態じゃな・・・・・まあ、火星で活動するって手もあるしな。」 
「・・・・・くれぐれも早まった事はしないで下さい。
 人々を巻き込んでは何の意味も無いですから。」 
「わーってる。さて、そろそろ行くとすっか。じゃあな。・・・・・生きろよ。」
そういうとトゥラドは何処かへ歩いていった。
(・・・・エース、だがよ、そう思い切った行動ができないのもダメだぜ。
  ・・・・・俺は俺なりにやる。俺の信念の元にな・・・
  ・・・・・・・・・・俺とお前、次会う時は、敵かもな・・・・・・)
エースはそんな事も知らずその男を見送る。 
「・・・・・相変らずな人だなあ・・・・・・」
執筆者…鋭殻様
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