リレー小説2
<Rel2.101便・敷往路メイ1>

 

「戻って来たか」 
上キャビンルームD−02座席に腰掛けるキムラが、 
隣に置いていた荷物を除けて、メイの席を空ける。
「はい。……あれ?タカチマンさん達は…」 
良く見るとタカチマン一行、ジードが居ない。 
キャビンルームを見渡してみたが、其れらしい姿も無い。
「アイツ等は、もう自分達の席に戻った」 
キムラと共に東日本へ向かう途中、 
予めメイが携帯電話で航宙機の予約を入れていた為、 
同行する形になったタカチマン達との席は離れていたのだ。
「もう行っちゃったんですか…」
そして、航宙機発進時間の10時となった。 
船体が軽く震え、一瞬の浮遊感の後、 発進完了のアナウンスが流れる。 
結晶による重力制御は快適な航宙を約束してくれた。 
発進で気を抜いたのがいけなかったのか。 
何時の間にかキムラ達に…いや、乗客全員に銃口が向けられていた。
「キャーーーーッ!!」 
「な…何なんだよ!アンタ等!」 
銃を持っているのは、サングラス、マスク、ロングコート、 
更には目深な帽子といった出で立ちの男達である。
静かにせんかゴルァ!てゆーかちょーウザいって感じ?」 
「この便は我々が乗っ取ったザーマス! 
 無駄な抵抗は止めるのニャ☆」 
コイツ等、滅茶苦茶な日本語喋ってやがる。 
正体を隠す厚着を脱ぐ銃を持った集団。 
ロングコートの下から、中東系の服が現われた。
「………テロ…だね…」 
「……解り易過ぎ…」 
「……イスラム共栄圏の服……『BIN☆らでぃん』一派か…」 
BIN☆らでぃん…アメリカ合衆国に対してテロ行為を行い、
イスラム対アメリカの構図を作り上げた張本人である。
アメリカに虐げられたイスラムの解放を動機としており、動機は筋が通っている。
何故、話し合いをせず、いきなりテロという行為に出たのかと問われ…
  「僕達、英語解りません」
と答えて、各方面から非難された人物でもある。
他の乗客の事を考えると無闇に攻撃出来ない。 
仕方なくキムラ達はしゃがみ込み、暫しの時を過ごす。 
《あーあー、マイクテストテストテスト。
 うぉっほん!俺様が『BIN☆らでぃん』なり。
 この航宙機はアタクシ共が乗っ取った。
 ぼっくんの要求『Ω心理教追放』が叶えば、諸君等は解放しても良いッス。
 んだが、もし叶わない場合は、この航宙機に持ち込んだレーザー砲で地表を攻撃。
 最終的には航宙機自体を日本へ落とす!
 解ったか野郎共ぉぉ!!?》
老人の声…キムラの読み通り、イスラムのBIN☆らでぃんであった。 
相変わらず無茶苦茶な行動だなと思うキムラ。 
暫し、メイと情報を遣り取りするが、決定的な手は浮かばない。 
これから東日本との交渉が始まるらしかったが、キムラには興味が無い。 
このまま無事に火星へ着ければ良し。襲って来るなら殺せば良し。
執筆者…is-lies
  数時間後…
≪……ジハーーーーードオオォォォォオオオ!!!!≫
交渉は失敗だった。BIN☆らでぃんによる聖戦が始まろうしていた。 
慌しく動くジャッカー達。どうやら乗客に危害を加える訳ではなさそうだ。 
其の時、下から悲鳴と大きな爆発音が聞こえて来た。 
不安がったジャッカーが3人、キャビンルームから出て行く。 
「メイ!今だ!」 
キムラが声を出すのとほぼ同時に、緑髪の青年とメイド服の少女が入ってきた。 
「なんだっ!?」 
「・・・」 
ジャッカーがその者たちに気を取られた一瞬をキムラは見逃さず、ジャッカーを気絶させた。 
「くっ!」 
他のジャッカーがキムラに銃口を向けるも、緑髪の青年とメイド服の少女によって気絶させられた。
「あっさりと片付いたな。」 
「あの人たちが協力してくれましたからね。」 
さっきの者たちは既に出て行ってしまった。会話から察するに、下キャビンルームに向かったようだ。
「俺たちも下へ行こう。」 
「はい。」 
二人はキャビンルームの扉をくぐった。
執筆者…is-lies、you様
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