リレー小説1
<Rel1.dyel>
東京…かつてはそう呼ばれた都市。 併し今では『ネオス日本共和国』という怪しい国家と成り果てていた。 丁度日本の、語尾に「〜なんや」等が付かなくなる辺りから東が其の領土である。 だが、一国を名乗るには狭過ぎる領土は荒廃し、魔物に溢れ、 人々は、以前、東京と呼ばれていた地域に 鉄の都市を築き上げ、其処で細々とした生活を送っている。
『デュエルストーリー』
原作…トッパナ様 脳内再現…is-lies)
「御願いです!助けて下さい!」
其処はネオス日本共和国の酒場兼プロ斡旋所。 プロと言えば聞こえは良いが、 ギルド自体、全体の管理が行き届いているとは言い難く、 此処の様な末端の斡旋所に居るのは無法者のチンピラや破落戸が関の山だ。 酒の匂い、煙草の匂い、汗の匂い、そして血の匂いの染み込んだこの場に 似つかわしくない風貌の可憐な少女が、プロ達に必死で何かを訴えていた。 年の頃は16位だろうか。尚更、場所と不釣合いだ。
「私の父が……皇国テロの現場に居るんです!」
皇国テロと言えば『獣人解放戦線』の事だろう。
『獣人解放戦線』…数年前の大戦に於いて使用された 人工能力者である獣人達から成るテロリスト。其の様な危ない連中に手等、出したくない。 チンピラ達は、少女の叫びに耳も貸さず、彼女の体を獣欲剥き出しの目で眺めていた。
「やれやれ…しょうがない奴等だなぁ」
そんな中、1人の少年が腰掛けていた椅子から立ち上がる。 他の下司染みた男達とは全く違う、さわやかな目の少年。 腰のホルスターにはリボルバー式の銃を提げている。
「貴方は…プロ……なのですか?…御願いです!父を…父を助けて下さい!」
「解ってるって、安心しな。俺は四方30メートル内の独身寂しー共とは違う」
「………30メートル内…内?其れじゃあ…貴方も…?」
「余計なトコに突っ込まなくっても良い! 俺の名は『ツヨシン』!スペクタクルハンターだ!」
原作…トッパナ様 脳内再現…is-lies
酒場を出た少女とツヨシンを待っていたのは ツヨシンの心強い3人の仲間だ。『エース』、『ジョイフル』、『ビタミンN』。
「随分と御人好しだなぁ〜」 「人助ケダ。仕方無イ」 「早く離れよう。この酒場、臭くて敵わない」
ラフな格好の総合格闘家である少年エース(雑誌名ではない)。 フサフサ耳に尻尾、ひらひらアンヨ等の付いたファンシー系の外見に反して ネオス日本共和国結晶技術の集大成。結晶兵器ジョイフル。 過去に掛けられた呪いにより獣人となった騎士ビタミンN。
「さて、先ずは準備を整えないとな…?」
当然と言えば当然の思考だろう。待ち受けているのは超人兵器たる獣人達。
「『アイツ』なんてどうだ?正義の為とでも言えば、間違い無く手を貸してくれるぜ」 「……そうだな……目的地の日本皇国も西側だし…」 「…………」
彼等の中でジョイフルだけが知っていた。 アイツこと『ユーキン』がどれだけ下品なロリコンなのか…
原作…トッパナ様 脳内再現…is-lies
一方、ネオス日本共和国を象徴するかの様な摩天楼。其の一角。
「バカもん!まだ見付からんのか!?」
電話の受話器に向かって怒鳴りつけているハゲかかった中年男性、こんなでも ネオス日本共和国結晶研究施設、通称『魔法学院』の長『ヨノナ・カーネル』なのだ。
「人員等、幾ら使っても構わん! 裏切り者のライズ達に先を越される前に 何としてでも超結晶を入手しろッ!」
荒々しく通話を叩き切る。直ぐ隣で其の様を冷めた眼で眺める者が2人。
「其れに関しては、此方の彼に活躍して貰う事にしています」
見るからにイヤミっぽそうな顔の男…ネオス日本の軍部代表『セカイハ・ボーリョク』。 そして彼の示す部屋の隅に佇む黒装束の男……
「超結晶の入手…そして裏切り者の抹殺はね」
彼の名は『ポーザ』。一流の暗殺者だ。
原作…トッパナ様 脳内再現…is-lies
日本…先の大戦に於ける最功労国だ。 だが或る日、一部の人間が、
「日本は神の国である」
…等と宣い、遂には反対派を東へ追い出し、 西を王制の皇国としてしまったのだ。其れが「日本皇国」 …とはいえ天皇は傀儡に過ぎず、事実的な支配者は、摂政『藤原』である。
日本皇国の小さな街へと到着したツヨシン一行。 其の中には依頼者の少女も含まれていた。 「父を助けたい」と言って聞かないのであった。 本来なら、この様な危険な仕事に、足手纏いを連れて行く筈は無い。 だが、ツヨシンはあっさりと承諾した。 何故なら彼女は眼鏡を付けていたからだ。(ツヨシンは眼鏡っ娘萌え)
街を渡り歩きながら、人々にユーキンを見掛けたかどうか尋ね、 一向は少しずつユーキンの居場所へと近づいて行く。…そして
「居たぞ!」
彼等が見たのは、見るからに安そうなレストランの中で 若い少年少女達と話し合っているユーキンと、其の弟子バンガスだ。 何やらユーキンが大声で喋ってるらしく、 其の口からは、食べた御飯粒が飛び出ていた。
「(相変ワラズナ奴……)」
だが、ユーキン達はレストランから出て来るなり 直ぐに車へと乗り込んで去って行った… 西日本にも東日本にも属さない『大名古屋国』へと向かって。
原作…失念(−−;覚えのある方は名乗りを上げて下さいませ。 脳内再現…is-lies
《此方、『魔神送迎社』。ハイヤーの注文承っております》
公衆電話の受話器から流れる、男性の明るい声。 ツヨシン達はユーキン達を追うべく、 タクシー会社と言っても良い魔神送迎社から車を注文しているのだ。
「えーっと…あいつ等が走っていったトコの道路って名古屋行きだったよな?」
「アア。レストランノTVデモ、大名古屋国デ大規模ナ戦闘ガ起コッタトアッタ」
《…大名古屋…でツヨシン様……ですか… …いえ、解りました。直ぐに手配致します》
何やら考える様に呟く魔神送迎社員を訝しく思うものの、気には留めなかったツヨシン。
数分後、魔神送迎社の『スカイライム』が到着した。
原作…失念(−−;覚えのある方は名乗りを上げて下さいませ。 脳内再現…is-lies