リレー小説1
<Rel1.5>

 

<5日後、日本皇国首都京都にて>
 ここは京都のはずれ、古くから時の権力者につかえてきた
式神使いの「敷往路(しきおうじ)家」の邸宅である。
 蝉時雨の中、廊下に面した部屋では聊か困った顔でメイが…
そしてその隣にはハチとタクヤが正座している。
彼女らの面前にはごついヒゲをはやした老人
(とはいってもまだ相当力強そうな感じ)が座っていた。
「メイ、お前は最近力不足を感じているそうだな。」
老人が口を開いた。
「あ、はい。そうです、色々ありまして…おじい様。」
メイがそう答える。
「うむ、そうだろう、だがな、だからといって危険な方法で修行するのはいかんぞ。
 お前は敷往路家のただ一人の生き残り、
 しかも女の子ではないか、あまり無理をしてはいかんぞ。」
「はぁ…」
「…メイには悪い事をした事かも知れんな。
 メイの母さんが外国人と結ばれたからといえ、
 それで一族を追い出してしまうのは父親のやる事ではなかった。
 その所為でメイの両親を共に討ち死にさせてしまったのだから、わしの罪はなおさら重い…」
メイの祖父はそう力なく呟いた。
「おじい様……私、気にしてません!
 母さん達が死んでしまったのは仕方がないけど、でもおじい様のせいではないですから。
 それに、母さんと父さんの残してくれたタクヤとハチがいますから。」
「そ〜そ〜」
「安心してください、お館様。メイはわれわれが守ります。」
ハチとタクヤもそう言った。
「そうか…メイがそう思ってくれとるのなら…」
「はい!」<Rel1.5:1>
執筆者…Mr.Universe様
「で、話の続きだが、修行として一度師匠に付いてみてはどうだ。
 一人でするよりも効率的だし、何より危険が少ない。」
「…そうなんですか。」
「うむ、そうなんじゃ。で、その師匠じゃが『イルヴ』という西洋魔術の使い手がおる。
 この間その代理人の…多分使い魔じゃな。
 その代理人に直接出向いて頼み込んでおいたから行ってみんか?」
老人はさらっと重大発言をしてしまった。
「行ってみんか?って…もう勝手に話し決めてるじゃないですか!
 それじゃもう断れないじゃないですか!!!」
激昂するメイ。
「お?そうか?すまんな」
とぼけるジジィ。
「…おじい様はいつもそうやって勝手に決めるんだから」
メイがそう呟いた。
「ところでだ…メイに悪い虫はついていないだろうな?」
ジジィがハチ、タクヤに尋ねる。
「ぶっ、おじい様!」
メイがお茶を吹き出して激昂する。
「だいじょ〜ぶです、いまのところは。」
「それに悪い虫がついたら我々がすぐ駆除しますから。」
二人が朗らかに答える。
「うむ、それが一番じゃ、使い魔に勝てんでどうしてわしに勝てよう。」
メイの祖父は謎の発言をした。
「おじい様に勝つって…どういう事ですか!!?あたた…」
メイが急に立ち上がる…がしかし、
正座に慣れていないので足が痺れてしまっていた。
「ん? 敷往路家の伝統でな〜、
 娘と付き合う男は、父親より強くなければいかんと言う掟があるんじゃ。
 メイの場合祖父のわしが、父親の代わりをする訳だ。」
ジジィはさくっとそう言い放ちやがりました。
「私、そんなこと聞いた事ないよ!」
勝手に話の進んでいく怒りのあまり怒鳴るメイ。
「そりゃそうだ。この話をする場合、
 わしと戦わずにお前の母さんを攫っていったアイツの事を思い出して
 腹が立つから今日まで言わなんだからな〜。」
このジジィ、何かしみじみしてやがります。
「う〜!!」
メイは怒りのあまり唸ったりした。今にも殴りそうな勢いだった。<Rel1.5:2>
執筆者…Mr.Universe様

数時間後

 

《私、あなたの事が好きなんです…。(*^。^*)ポッ!!》
うへへへへ…
ハチはいつものように部屋でギャルゲーにふけっていた。
プレイしているのは昨日買った新作ソフト『どきどきMemorie』だ。
高校3年間で女の子達と仲良くなってハッピーな学園生活を送るという、
珍しくもなんともないゲームである。
「萌え萌えだぜ…うへへ。」
美少女に告白されウハウハのハチだったが、直後に事件は起こった…。
「おーい!」
部屋の戸がガラッ開きいきなりタクヤが入ってきた。
「バカ野郎!ノックぐらいしろよ!アレの最中だったらどうしてくれんだよ!」
ハチは怒り浸透の様子だ。
「す、すまん…。」
「まあいい。で、用件は何だ?」
「そ、そうだ。メイお嬢様がイルヴさんのトコに行くから早く準備を…」
「へいへい」<Rel1.5:3>
執筆者…翡翠様

「あ、あなたが敷往路メイさんですね?」
待ち合わせの為にある魔法用具店に来たメイに話し掛けてきたのは、
大体中学生ぐらいな感じの物腰の柔らかい少年であった。
前掛けをしているところを見ると、この店の店員であろうか。
「あ、はい。敷往路メイです。ではあなたがイルヴさんですね?」
メイが慌てて挨拶する。
「あ〜、とその僕はイルヴさんじゃなくて…代理で来ました。」
「あ、すいません。…それじゃ、イルヴさんは今どこにいるのですか」
「それが、ちょっと前…『野暮用』とかで行ったきりなんです…。」
「そうなんですか…じゃぁその、すみませんでした、また来ます。」
帰ろうとするメイ一行。
「あ、待ってください。
 きっとすぐ帰ってきますから、待ちませんか?お茶なら出せますから」
メイを引き止める店員君。
「お店いいんですか?」
「あ、大丈夫ですよ、元々そんなにお客さん来ませんし、
 それに、今回の件を受けたのは僕ですから」
紅茶をカップに注ぎながら店員君が言う
「はぁ…あ、おいしいですね、このお茶」
「そうですか、実は十六茶を僕流にブレンドしたんですよ。」
「けっこうなお手前で…。」
その後15分ほど雑談をした後、玄関のドアが開く音がした。
「Welcomeお嬢さん。Nice to meet you。」
部屋に入ってきたのは蒼い目が印象的な長身の男だった。
「あなたがイルヴさんですか?」
「フッ、そうです。僕が世界に名だたるマジックマスターイルヴです。
 美しいお嬢さん、これからは僕が君の運命のパートナーさ♪」
イルヴはそう言って何やら奇妙なポーズをとりながら握手を求める。
(何…この人?)
メイはそう思いながらとりあえず握手に応じる。
それがイルヴの名を騙るパチモノだと知らずに…。<Rel1.5:4>
執筆者…失念(−−;覚えのある方は名乗りを上げて下さいませ

さて、亜人共を倒して術師調の男の正体を確かめた『青』。
そしてそれは冒険者時代の知り合い、イルヴだった!
それに思わず「ウシャー」という思いが『青』の心の中に湧きあがったのだった。
何故なら『青』は老人萌えのモーホーだからだ。
3人は久しぶりの再会をささやかに喜んでいた様子であった…。
この5日間、イルヴの経営する魔道用具店を拠点に周辺地域を色々見て回っていたのだった。
「最近のネオス…いや、日本は乱れすぎだな。
 つい最近、何か大規模な反逆で多くのテロと大名古屋国の兵が、
 一気に病院送りになったそうだ…」
「あー、それ俺がやりました。(藁」
「なんだかんだ振り回されて、今は2人で当ても無く
 戦いと逃亡の日々を送ってるんですわ。」
「多少、まったりできるのが救いだけどね…。」
そんな会話を3人はスポーツカーの中で行っていた。
「…最近、大名古屋国軍の連中が不気味な動きをしている。
 特に、一部の戦闘に優れた人材が狙われている様だ。」
「ふーん。ま、どうでもいいけど。
 それで、テロを狙ってる奴らの立場は何なんだ?」
「そ…そんな事もしらなかったんですか?
 その件、もうインターネットで詳細が流れて……」<Rel1.5:5>
執筆者…A夫様
 だが、ユニバースの話が終わらないまま高架道路に差し掛かった時、
突然スポーツカーはガタン!と揺れ、そのまま速度を落とし、ついに止まってしまった。
「なんだ!?何が起こったんだ!?」
辺りを見回す『青』。
すると、ユニバースが道路の端、塀の上を指して叫んだ。
「おお!? なんじゃあ、あいつは!?」
その指差した先には、黒装束を見にまとった男がいた。
ネオス日本共和国(東日本)に雇われた暗殺者、ポーザであった。
ポーザはユニバースの方を向いて言った。
「キサマ、結晶の究極体をどこへやった?
 とぼけてもムダだ。キサマが皇国のテロ現場にいた事は解っている。
 キサマが超結晶を持ち去ったのだろう?」
だが、ユニバースは首をふりふり、
「いや〜、それがライズさん達に裏切られて持ち去られてしまったんですわ。」
「……ならば、そのライズとやらはどこにいる?」
油断なく目を光らせながら、ポーザはさらに問い詰める。
「面倒だからこいつもやっつけちまおう。」
言って止める間もなく車から飛び降り、ヒポタンXを構える『青』。
「………短絡的な…」
イルヴが言うが、
「どうせこの黒いヤツ、
 『言わなきゃ殺す』とか言い出す手合いだろうし、いいんじゃないですかね?」
ユニバースがそれを遮った。<Rel1.5:6>
執筆者…トッパナ様
車を降りた『青』が振り返って見てみると、
スポーツカーの前輪が片方、ズタズタに裂けていた。それで止まったのだ。
多分、この殺し屋みたいなヤツの仕業だろう。
「よくも俺の車を!許さねぇぞ!まあ、何もしなくたって俺が敵を許す訳ないけど。」
言ってヒポタンXを瞬時に長槍状に変え、ポーザに向けて鋭い突きを放つ。
 ズッ!
槍の穂先は、狙いたがわずポーザの腹部を貫通した。
「やったか!?…案外弱かったな」
『青』が呟いた瞬間、そのポーザは突然かすんで消えた。
「!?」
「『青』はん、後ろ!」
ユニバースの声にとっさに振り向き、本能的に横へ飛ぶ『青』。
見れば彼が立っていた場所を、銀の閃きが過ぎ去っていった。
ナイフが投げられていたらしく、ユニバースの声がなければ
多分、首筋に刺さっていたであろう狙いの正確さであった。
そしてナイフの放たれた元を見れば……そこには、黒装束の男の姿が無数にあった。
「何だ? 兄弟?」
「違う、魔力反応がある。幻術の一種だ!」
イルヴがその現象の正体を見抜く。が、相手も相当の技量らしく、
気配を消しているせいでどれが本物かが今一わからない。<Rel1.5:7>
執筆者…失念(−−;覚えのある方は名乗りを上げて下さいませ
「クッ、これじゃあどれが本物だか分からねえ…。」
相手に翻弄され『青』の顔が一段と険しくなる。と、その時!!
 ザクッ
うぎゃあ!
ユニバースの背中に勢いよく飛んできたナイフが突き刺さり、
ドクドクと赤い血を流しながらユニバースは崩れ落ちた。
「だ、大丈夫か!?」
『青』が急いで駆け寄る。
「ダ、ダメだ…。奴は強い…逃げろ。」
ユニバースはもう虫の息だった。
「バカ野郎! 仲間を置いて逃げるような真似できるかよ!
 あんな奴オレがブチのめしてやる!」
『青』は拳を強く握り締めた。
しかし、そうは言ったもののポーザの幻術に対抗する策は全く浮かんではこなかった。
と、そんな時さっきから黙っていたイルヴが口を開いた。
「『青』、私に任せろ。」
「大丈夫なのか?」
「ああ。」
イルヴは『青』にブラジル代表並のアイコンタクトを送った。
そして、次の瞬間ポーザに向かって言葉を発する。
「暗殺者君。一つ質問に答えてくれ。
 モーニンゴ娘の中で誰が一番好きじゃ?」
「…………………………………………………………………加護
「そこだぁ!!」
ズギャア!!
ぐはっ!
イルヴのLORTOの魔法が見事にポーザの首を捕らえた!
「お、おやかたさ…ま…ガクっ!
「やれやれ、てこずらせやがって……あ!背後関係聞くの忘れた!」
「う…さすがに一撃で決めたらまずかったか?」
「いや…気にしないでいい。適当にインターネットを使えばOKだな。」
「それよりどうしますかね『青』さん!
 多分料金所も西政府か、テロかの息がかかってるんとちゃいますか?
 だとしたら…え、『青』さん?」
「そんなものは避ければいい事さ!!」
『青』は高架道路から飛び降りる。それを見ていた後の2人も
結局、料金所を避けるようにして高架道路から脱出したのだった。<Rel1.5:8>
執筆者…翡翠様、A夫様

そして彼らは無事に宿泊できる場所を見つけたのだった。
ややボロビルだが、一応医療機関もホテルも売店ある上、
関係者が全員中立で親切だった為に、じっくりマターリ休む事が出来たのだった。
そして彼…『青』はインターネットで政府とテロの間の関係について探りを入れ……
「はい、テロリスト、と言うか『獣人解放戦線』についてですが…」
ミスターユニバースが、なんかパンフレットを読み上げる。
「ちょっと待て、何だそれ?」
「獣人解放戦線がシンパ向けに
 裏で発行している資料ですよ。情報工作は大切ですからね。」
「…そんなの出てたの?」
「常識ですよ。ネットで調べてもせいぜい政府側の
 毒にも薬にもならない見解しか聞けませんよ。
 所詮、無料の情報にはそれなりの価値しかありませんね。
 え〜と、これによるとですね、彼ら『獣人解放戦線』は、
 前の大戦で「結晶」の力を使った能力者に対抗するために人工的に改造された、
 一種の改造人間であるところの『超人兵器』だそうです。
 しかも基になったのは国際法で禁止されていたクローン。
 もちろん兵器というからには戦場に連れて行かれ
 消耗品として使われたのですが、もちろん生き残りもいる訳です。
 その生き残りが、戦後人権と戦死した戦友を軍神として祭る事を求めて運動を起こすのですが、
 政府はそれを知らぬ存ぜぬで通す。
 彼らは自分達と仲間の存在自体を否定された事になる訳だ。
 それから、獣人解放戦線の指導者が穏便派から過激派に変わった事できな臭くなる。
 そしてついに炭鉱立て篭もり事件で
 西・東日本から、テロリスト、国賊と謗られるようになってしまった訳だ。
 しかも、何をトチ狂ったか…
 何故か中立を標榜していた名古屋国にまで攻め込むものの、追い払われる。
 しかし、その名古屋攻めの際、
 過激派のリーダーが流れ弾を貰って死んだそうだから、当分大人しくなるようだ。」
ここまで一気に言うとこぶ茶をすするユニ婆さん。<Rel1.5:9>
執筆者…A夫様、Mr.Universe様
「ふーん、で、あのライズとか言う奴も獣人なのか?」
「いや、ちがうでしょう。獣人たちは結晶には無関心と言うか、
 むしろ、能力者を思い出すので嫌っていますね。
 そのライズとか言った青年はまだ調査中ですが…
 おそらくなんらかの秘密結社の人間では?
 先程の暗殺者もそんな感じで………」
それまで何も言わなかったイルヴが口を開いた
「残念だが、暗殺者は違うな」
「は?」
「そういう自然な存在ではない。」
「な、何のことです?」
「奴等は、お前達の常識の範囲にいる存在ではないと言っているんじゃ。
 序に言うと常識的な攻撃も通用しない。」
不敵に笑うイルヴ。
「奴等は「前支配者」を名乗る異界の魔物達だ。
 まぁ実体は無いから、人間の精神に寄生することで、この世界に影響を与えようとしている。
 其の目的は『全世界の消滅』とかいう、人間には思い付かない様な事だ。
 考え方からして、お前達の戦って来た相手とは違うじゃろ?」
さらさらとしゃべる術師
「……」
息を飲む二人。
「続けるぞ。その上あいつらはさっきも言ったように精神体だから、
 寄生している体の方を破壊してもダメージはない。
 その為、専門の修行を受けた者にしか倒す事は出来ない。
 そういう訳でお前達はこの件には顔を突っ込まない方がいい。」
イルヴが立ち上がりかける。
「なんだよ其れ、俺に倒せないものはねぇ!って言うか俺に命令すんな!」
『青』が逆上してイルヴに殴りかかったが…。
そのままのポーズでかたまってしまった。
「う、うごけねぇ…」
「魂を束縛する魔法だ。
 あらかじめ掛けておいた。これが、普通の人間と術者の違いだ。」
そう言ってイルヴは魔法で消えていった。<Rel1.5:10>
執筆者…Mr.Universe様

悠久の時に漂う暗黒の宇宙にて
大きな未覚醒状態の意識が一つと、
それを取り囲むように7つの意識が存在している。
彼ら(彼というのも適切かどうか分からないが)『前支配者』は
お互いに繋がった意識の中で会話を始めた。
―――ポーザの意識が途切れましたね…
―――失敗したようだな…
―――術者の拉致に失敗したのかね…?
―――器に精神力の強い能力者を選んだのが敗因ではないでしょうか…?
―――寄生させた我等の精神に、なまじ抗うから、こういう事になるのだ。
―――どうでもいい、次はどうするつもりだ?
―――ちょっと待て、面白いことが分かった。さっきの連中…
    術者以外にも私達に攻撃を与えることのできる人間みたいだ…
―――まさか、人間の攻撃が通用するわけがありませんよ…
―――いや、ないとはいえんじゃろう、あの世界は最近エーテルの洗礼を浴びた。
    それぐらいの能力を持つものが生まれてもおかしゅうない…
―――面白いな、そいつならばオレの器としてもふさわしい…
―――そうですね、術者たちとことを構える前に
     我々の器を用意しておく、それがいいです…
―――しかし、だれが行く…?
―――俺が行こう、幸い器のストックは残ってあるからな…
―――で、どれを狙う…?
―――使いの者の記憶にあった、『青』とか言う奴を狙う。
    闘争心が強いというのが俺の器に向いている…
―――よかろう、失敗するな…
―――では、閉会とする…
 この件に関るなというイルヴの忠告も空しく、
『青』は「前支配者」に狙われてしまう事になったのであった。
さぁ『青』はどうなるのか。<Rel1.5:11>
執筆者…Mr.Universe様

イルヴが去って数分後…。
「異世界からやってきた魔物…まだわからんテロと政府の関係…
 獣人解放戦線…うーむ、ややこしくなった!
 しかも俺はどこにもつくことのできない身だから相当訳が分からん。
 ……ところで…ユニバースさん。」
「何ですかね?」
日本が俺を中心に動いているような気がする…
 それはただの思い込みかもしれんが。」
「えぇ!?」
そして『青』がさらに詳しく語ろうとした時、

ドグオオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーーン!!!!!!

「な、なんだあぁ!?」
「『青』さん、そ、外! 外!!」
そして彼が外の方を振り向くと、そこには巨大な輸送戦闘ヘリの姿が!
何故か、さらに去ったはずのイルヴが『青』の方へ走っていったりする…。
「いきなり去っていった時、銃撃の乱発とはなぁ…ヤレヤレ。」
「俺もイルヴさんもつくづく格好のつけにくい運命…か。(コラ」
「お…おい!!」
さらにそのヘリの中からライズが身を乗り出してきた。<Rel1.5:12>
執筆者…A夫様
「……」
無言で近付いて来るライズに対し、ユニバースとイルヴ、『青』が身構えるが、
そんな3人を無視してライズは銃撃の弾幕が残っている場所へと向かう。
「あれは…」
其処に転がっていたのは各々手に武器を持った男達の死体だった…。
「全滅か…いい腕前だ。」
足元の死体を靴で小突き回りながら、ヘリのパイロットに賛辞を述べるライズ。
「な…何なんですか一体?」
「いや、其処の『青』を狙っている連中がいてね…
 …あいつ等…先走りやがって………まあ良いさ。
 少し踊ってやる……だが器なんぞにされてたまるか…」
視線をユニバースから『青』に移し、ライズはうっすらと微笑み、口を開く。
「どうだ?僕達と協力してみる気は無いか?」
「な…何だと!?」
突然現われた男に突然話を持ち掛けられて混乱する3人に、
彼は更に混乱を齎す様な事を言い始める。
「場所を変えようか。
 あんまり時間を掛けると老い耄れ共側にもバレるんでね…。」
「ライズ〜!早くして〜!」
ヘリからパイロットがライズを急かす。
「解っている!…来てくれると嬉しいんだが…
 まあ、無理強いはしないよ。君達で決めてくれ。
 但し時間はそんなに無いけどね…。」<Rel1.5:13>
執筆者…is-lies

で、結局ヘリの中、
「くくく、僕に協力してくれて嬉しく思うよ。」
ライズはなんだか満面の笑みを浮かべている。
「まあな。オレを狙っている連中の事も気になる。あんた何か知っているのか?」
『青』はヘリの中に置いてあったポテトチップスうす塩を勝手に開けて
ボリボリ食いながらそう問い掛けた。と、その時だった…。
ぐはあ!!
『青』が突然叫びだしたので驚く他の3人。
「ど、どうしたんだ?」
悶え苦しむ『青』の顔を覗き込むユニバース。
「あ、頭が痛てえ…。」
あまりの苦痛に顔を歪める『青』。
それはジェロム・レ・バンナのボディーブローをくらった佐竹雅昭の様だった。
「フフ…。」
と、その時ヘリの奥のほうから何やら男の声が聞こえた。
「何者だ!」
その男に気づき身構えるユニバースとイルヴ。
「やれやれ…『翡翠』、困るぞ。」
ライズは少し困った様な表情でユニバース達を右手で制しながら男に向けてそう言った。
「悪いのはそいつだ…。オレの食料を…。」
男はボソボソとそう呟く。
「一体誰なんじゃこの黒服の男は?」
イルヴは訝しげな顔でそのいかにも怪しげな男を見ている。そんな空気を察してか
ライズは場の雰囲気を取り繕うかの様な爽やかな笑顔で男の紹介を始める。
「彼は僕の協力者の呪術師の翡翠だよ。」
「翡翠だと!?」
その名前を聞いたイルヴの顔がさらに険しくなる。
「翡翠といえば政府の要人を暗殺したとかで全国指名手配されてる極悪犯じゃないか?
 そんな奴がどうして此処に…?」<Rel1.5:14>
執筆者…翡翠様
 
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