リレー小説1
<Rel1.3>
−ただいまの人物状況−
西日本政府側 |
メイ・猫丸・ダルメシア・ユーキン・バンガス・脇役兵士大勢(おい) |
ニュートラル |
『青』・ミスターユニバース |
テロリスト |
脇役大勢(おい)…まだ居るかも |
謎の組織 |
白衣の老人・ライズ・アントラー・脇役大勢 |
愛知県某所。
メイ達が名古屋にやってきた愛知のとある街は、 政府兵や怪物、そしてテロリストの多くが ぼろぼろの状態で戦闘不能になっているという、痛ましい状況だった! 果たしてこの地で何が起こるのか?<Rel1.3:1>
執筆者…A夫様
ただし、過去名古屋と呼ばれていたところは現在日本領ではない。 大商社「本田グループ」の、戦争のドサクサに乗じた裏工作によって、 『大名古屋国(でやぁなごやこく)』となったのである。 勿論その為に東西日本からは攻撃を喰らったのだが、名古屋人は既に住居を、 他所から来た人間には迷宮に感じられるほど入り組んだ地下に移した為、 空爆による被害はほとんど無かった。 そして、それに次いで行われた能力者による白兵戦でも地の利を活かし、 道に迷って孤立した能力者一人に通常兵士10人でかかるという方法を使い勝利したのである。 そして、名古屋人はそのまま生活の場を地下に移した為、地上は荒廃したままなのである。 その分地下には広大な町が広がり、 そしてその中で何が行われているのかは 東西日本人の誰にも分からないのである。<Rel1.3:2>
執筆者…Mr.Universe様
とりあえず地下街への階段の周りのザコを始末した『青』は タオルで汗を拭きながら階段を下りた。 長丁場の先頭に向けて休憩を取っておいた方がいいと判断した為である。
「『青』さん、精が出ますな」
階段の下から和装のごつい体格の壮年の男が話し掛ける。 彼は本田グループ総裁、『本田 宗太郎』である。 大名古屋国の実質上の最有力人物であるとともに抜け目ない商人でもある。
「あぁ、本田さ、…さんか…」
まず物おじしない『青』が多少言葉に詰まったのは、 名古屋出身の『青』を含めた大名古屋国人は 本田グループに信仰に近い感情を抱くように教育され、 通常、「本田さま」「宗太郎さま」という呼び方をしているからである。
「どうですか、外のやつらは追い出せそうですか?」
『青』が緊張しているのを無視して本田グループ総裁は質問した。
「あぁ、おそらく、明日明後日に戦力の大量導入があるだろうけど、 それを越えれば何とかなる、いや何とかする、だな」<Rel1.3:3>
執筆者…Mr.Universe様
「まぁあんば良う(上手く)やってくだしゃぁ(やって下さい)。」
本田はそう言うと『青』の肩をぽんと押した。
「ところで、何かさっさと敵を蹴散らせるような武器は無いですか?」
『青』が尋ねる。
「あーと、それなら商売道具だけど、戦車があるわな、あれ持っていけ。 が、『人型』はいかん、アレは開けたところでの戦闘じゃ実力を発揮できんし、 それにな、もう売り付ける所が決まっとるなも。 それに正直なところ、わしとすればアレが強いとはど〜しても思えんのだわ」
名古屋語独自の緩んだ口調でさらっと凄いことを言う本田。 さすが「食器からロボットまで」の本田グループ総裁である。
「ふ〜ん、そうですか。 まぁ戦車を盾にすればこっちの負傷者はかなり少なくできるだろうな…」
『人型』と聞いて多少興味をそそられたが、それが使えないと知ると 通常戦車で戦闘を凌ぐ方法を考える辺り『青』は戦い慣れていた。 しかし、その戦闘がなぜ起こるのかを 考えないというところが甘いのだが。<Rel1.3:4>
執筆者…Mr.Universe様
戦法を練りながら仮眠室へと歩く『青』と別れて 深部へのエレベータに向かった本田宗太郎に声をかける者がいた。
「ちょっと、待ってくださいますか?本田宗太郎さん。 『人型』について2,3質問がしたいのですが」
道の陰から現われたのは怪しげな男、ミスターユニバースだった。
「君は…?」
本田宗太郎は相手が誰か解らず多少面食らう。
「雇っておいて名前を覚えてないとは、つれないですね。 ミスターユニバースと呼ばれています。今回は『青』君に誘われてきました。 以後お見知り置きを。」
ミスターユニバースは帽子を取って深深とお辞儀をする。
「あー、すまん。『青』君は同郷なのでね、そのよしみもあって名前を知っていたが…」
「フフ、名古屋国で独特の「ツレ」という考え方ですね。 さてと、自己紹介もすみましたので、どうでしょうか、 私にどうやれば財産が作れるのか教えてもらえますか?」
もうこれほど胡散臭いものは無いというぐらい 胡散臭い笑顔で本田宗太郎に詰め寄るミスターユニバース。<Rel1.3:5>
執筆者…Mr.Universe様
「ふふふ、よくもまぁそういう事を抜けぬけと言うな。で聞きたいのは何だ?」
一瞬怒ったような顔になったが、 そのあと気を取り直して余裕綽々の顔になって言う本田。
「いや〜、話が早くて助かります……さてと、『人型』の戦車、 売りつけ先が決まってるそうですが、その相手は誰で、 それで何を考えてるんでしょうね?」
本田の横にぴったりとついて歩くミスターユニバースが 前半大き目の声で、後半は小さい声で言う。
「…ふふ、注文は、4割が東日本、2割が西日本、 そして残りは存在しない筈の国や団体… まぁ表向きに出来ない集団へ行くのだろうな。 使い方については知らんし、知りたくも無い。 まぁ商人と言うものはそういうものだろう?」
あっさりと秘密をバラス本田グループ総裁。それを受けてミスターユニバース曰く、
「そうですか…それは、まるで…」
「『戦争の準備をしているみたいだ』か?」
したり顔の本田宗太郎が答える。<Rel1.3:6>
執筆者…Mr.Universe様
その二人の上で天井が揺れるとともに警報が鳴り響く。 どうやら地上でまた戦闘が開始されたようだ。
「おっ、始まったようだな。私は司令部に戻るとしよう!君は上に行くのか?」
生き生きとした声で本田宗太郎は言う。
「いや、自分はもうちょっとぶらぶらしときます、あの感じなら大丈夫でしょうから。 あ、そうだ、司令室へ行くんでしたら、技術屋達に招集をかけるように頼めますか? ちょっと考えてる事があるもんで。」
ミスターユニバースの方は逆にテンションが低い。
「?まぁ良いが、攻められている時に今更どうするというんだ?」
怪訝に思い尋ねる本田。
「いやまぁ、原始的な戦法には原始的な対処法がある訳でして…」
歯切れの悪い言い方でお茶を濁すミスターユニバース。<Rel1.3:7>
執筆者…Mr.Universe様
「総員、突撃!」
テロリストのリーダーであろうライオン顔の男がメガホン片手に陣頭指揮を執る。 その号令と共に、 階段を守るようにして配置された戦車に軽火器による攻撃を仕掛けるテロリスト。 しかし、守る方も必死である。そう簡単に突破させない。 じりじりと一進一退する中で時間だけが過ぎていく… 長期戦はテロリストの側に不利である。 大名古屋国側には、援軍を出す組織があるのだから。
「どうします?このままじゃこっちの負けですよ。それに士気も下がって来てますよ」
補佐役なのか、メガネをつけた猫耳の少女がライオン顔の男に言う。
「士気の方は、此処を陥落すれば、 奴等が溜め込んだ物資が手に入るという事でどうにかできるさ。 それにな…お前らには分からんかも知らんが、 第1世代は、戦場で本田グループの兵器に同胞を殺されたという どうしても消せない怒りがある。やつらを倒せるなら文句はいわんさ。」
「そういうものですか?まぁ そういう事は私たち、戦後世代には分かりませんけど…。」<Rel1.3:8>
執筆者…Mr.Universe様
そして、そんな状況を見て唖然とするメイ達一行。
「なっ、何なの? 一体何が起こっているの?」 「どうやら、既に激しい戦闘が起こっているようですね。」
ココは先程の廃墟から少し離れた場所。 彼女たちは何か手掛かりを探そうと歩き回り、そしてこの現場に至ったのである。
「ぬうううう! こーゆー時は大概、攻めてる方が悪者と決まってるんだ! 行くぞ皆の衆!アッチの、 地下への階段らしきモノを守ってる方の軍隊に加勢するんだ!」
またユーキンのいつもの偏見が始まった。 だが、今回はいつものようには行かなかった。
「待て待て。そう軽率に決め付けちゃダメだ。」 「そうだよ。ホントにあの攻撃側の軍隊が悪者とは限らないよ? 証拠も無いのに…。」
とっさに猛反対に遭い、気勢をくじかれるユーキン。
「むむむ…。」
「とにかく、隠れてもう少し様子を見ましょう。」 「ソレがイイっス、ソレが。」<Rel1.3:9>
執筆者…失念(−−;ユーキン様…で良かったでしょうか?
ふたたび獣人側の陣――――――
「…土竜隊を出せ。 それとともに、敵の注意を引き付けるものが欲しい。何か無いか?」
リーダーが土嚢で作った簡易要塞の中で叫ぶ。
ウサギか何かの獣人であろう、長い耳 (ただし、獣人化が不完全なのか顔と耳には毛は生えていない)を顔の横に垂らして、 ウサギそっくりの顔にメガネをかけた研究者っぽい男がとろんとした口調で答える。
「この辺りには、牛を元にして軍事用に作られた 生物兵器『ゴルゴーン』の野生化したものがいるみたいですよ。 昔、誘導用に使っていた音波の周波数が解れば操れるのでは?」
「併し…それは我々と同じ、無理矢理に改造を受けた、 戦争の被害者なのだろう、それを利用するのは…」
リーダーが尻込みするのに対し、
「その位の犠牲は仕方ないですよ。 それにもう半野生化してますから、時効ですよ」
コンピューターと睨み合いをしながら兎男が言う。<Rel1.3:10>
執筆者…Mr.Universe様
「アー、ちくしょー!!!!! なんで攻撃あたんねぇんだよ!!!!」
『青』が戦車に備え付けの機銃を乱射しながら叫ぶ。 敵は鉄製の盾を構えているので多少の銃弾ではびくともしないのである。 かといって白兵戦に持ち込むと 獣人の方が数も多く、機動も高いので負けは確実である。
「班長殿、どうします。主砲の方はもう弾切れですよ」
『青』の跨っている戦車の中で兵士が上官に尋ねる。
「ううむ、とにかく階段を死守するのが我々の使命、出来るだけ耐えるのだ。」
班長はそんなムチャクチャを言う。
「できれば、援軍が欲しいところですね。」
「しかし、そうはいかんだろう。大名古屋国は共和国とも皇国とも仲が良くない。 もし援軍がきても国境で突っぱねてしまうんじゃないか。」
「まったく、こんなときこそ、英雄が居てくれれば…」
「フフフ、面白い事を言うな。英雄か。 そんなモノがいるはずが無いというのは承知しているクセに。」<Rel1.3:11>
執筆者…Mr.Universe様
が、しかし展開は誰も思わぬ方向に出たのである!
「た、大変でーすっ!! 本田様、戦場にて何か…ひぃっ!!!」
兵士がよく見ると、何と、本田は無残すぎる死に様で倒れていた…
「ど、どうすれば…がふぅ!!」
うろたえる兵士を後ろから斬り付けて始末した『青』が呟く。
「野に下っとけば良かったのによ…ったく、政府の要人も 下手な厨房共より駄目な奴等だったが、この…本田のおっさんも同類だな」
(ゴト…)
「ん!誰かここに居たのか?」
そして『青』が見渡すと、そこにはミスターユニバースの姿があった。
「『青』…おまえ! 一体何故こんなことを…!?」
「何だ…ユニバースさんだったか。で、何故やったかだって? それはな…結局、この本田のおっさんも、 政府やらテロやらと同じ様なものだからこうしたんだ。 このヒボタンXでな!」
彼はそう叫ぶと大振りの大剣を取り出したのだった…。 彼にとって干渉しすぎる国家というのは、邪魔なのだ。 恐らく、彼が本田を抹殺したのもその思考に駆り立てられて行った行為だろう。
「…ふぅ。また一匹狼生活か。でもこちらの方が、 過剰に干渉してくる今の日本列島の国家の犬になってしまうより格段にマシだがな… あ、ところで、ユニバースさん。これからどうする? 俺と一緒に野に下るか、それともこの俺に敵対するか…?」
『青』はミスターユニバースに語り掛けた。 そして彼の口から出た言葉は…!?<Rel1.3:12>
執筆者…A夫様
「相変わらず無茶苦茶しますね。そうですね、いきましょうか」
ミスターユニバースが『青』の近くに歩み寄る。
「分かってくれたか。それでは行こう」
と、『青』が背中を見せた瞬間― しゅぽん サイレンサー付の銃の弾丸が『青』の背中に命中する。
「なっ、なにを……」
「麻酔銃ですよ。すいませんね、本田さんの命令でね、 裏切ったら捕まえるようにとの事です。 ついでに言うと、さっきのは変身能力を持った影武者で、本物の方はまだ生きています。 貴方は強いが考えが浅過ぎますね」
先程『青』の倒した本田の死体は どちらかというと細身の青年に姿を変えていった。<Rel1.3:13>
執筆者…Mr.Universe様
壁のモニターが動き出し、本田宗太郎の顔が映る。
《はははは、『青』くん、君は敵と味方の区別もつかなくなったのか? 私の敵に回るという事はそれなりのことを覚悟してもらわんとな。 君には私の影武者を殺したことによる殺人罪と、 私、ひいては国家に反逆した大逆罪が適応されるな。ハハハ》
本田は侮蔑を込めて言い切った。
《ユニバー君、そいつをカーボネイト処理する、しばらく離れていなさい》
『青』の周りの天井から巨大なガラス管が降りて来て、 『青』はその中に閉じ込められてしまった。そして、その中に黒いガスが充満する。
「カーボネイト処理ですか。これは凄いですね… …それと、自分はユニバー”ス”です、ホンダさん」
カーボネイト処理とは、炭素(略)事によって意識を奪い、 物理的にも動けなくしてしまう事である。
「はは、殺してしまっても良かったのだが、あれだけの体力の持ち主はいない。 実験体として非常に興味深い。 ああいうのを基に改造人間を作るとどうなるか…考えるだけで楽しい」
本田が言う。<Rel1.3:14>
執筆者…Mr.Universe様
その後『青』は地下に移送され、炭素化が行われる事になった。 併しまだ時間が掛かる事になったのだったが…。
「…(ふぅ。あっちもチェックが甘すぎダーヨ。 何故ならこの俺には短剣にしておいて隠しておいたヒボタンXがある! だからどんな時でも大暴れ出来るという寸法だ…ありゃ?何だあのカプセル?)」
『青』がそのカプセルを良く見ると、中には自分を撃ったユニバースの姿があった。 そして彼は『青』の目の前で目覚め、『青』のカプセルを見つめたのだった。
さて、そんな時『青』はどのような行動にでるのか…!? やってきたプロ達の運命は…!? 謎が謎を呼び、運命の歯車がマッハ255(当社比)で動きまくる急展開!!
続きは第4部で、こうご期待!!<Rel1.3:15>
執筆者…A夫様