リレー小説1
<Rel1.2>

 

 メイと、仲間たちは、落胆して政府に『犯行声明文』を届けたが、
だからといってこれで引き下がろうとはしなかった。
なんとかして、テロリスト達を食い止める策を考えた。
メイと仲間達『プロ』、政府との対面
「すいません。これは私のミスです。」
負傷の手当てを受けたダルメシア、猫丸は言った。
「いいえ、けがをしたあなたたちを危険にさらしてまで、目的を達するのはできないわ。」
メイはふたりを心配している。
「いや、済んだことはしかたない。とにかくテロなんとかしなければ…
 ……そうだ…忘れていた。新しい依頼がある。………列車の警護だ。<Rel1.2:1>
執筆者…MAYN様

さてその頃、怪しげな列車にて…。
「…しかし、奴等の企みとは…よく分からないな。」
命からがら窮地を逃げ出し、とある列車に到着したミスターユニバース。
しかし、この列車の何列目かに未知の結晶がある事は誰も知らなかった…。
いや、政府の上層部の者達だけは知っていた。
だが、それを密かに私我私欲のために狙っている男がいることは
本人以外、だれも知っていなかった。
そんな中、自己顕示欲の強そうな一人の青年がユニバースの近くに座る。
その男はなにやら大きい荷物を背負っている。
「なんだ、あれは?まさか武器?」
ユニバースは男の荷物を見てみる。
そしてその荷物を覗き込んだ瞬間、ユニバースは息を呑んだ。
何と中には、たくさんの小型爆弾や銃等が入っていたのである!
(この男…爆弾テロかぁ!?)と、ユニバースは一瞬思ったが…
「何ですか、その目は? コレらはタダの商売道具ですよ」
ユニバースの猜疑心むき出しな視線を感じ取り、
その青年は露骨にイヤそうに顔を歪めて言った。
「商売道具ぅ…?」
「ええ。ほら、最近テロリストとか能力者とか超人兵器とか、
 果てはエネミー(改造怪物)まで、色々あってエラく物騒じゃないですか。
 で、そんな御時世だからさ、こーゆうモノ売り歩いてると結構儲かったりするワケ。
 だから、オレもこうやって武器商人なんてやってるワケよ。分かる?」
やたらペラペラ喋る、しかもミョーに馴れ馴れしく途中から許可もなくタメ口になってたりしてるが、
どうやら悪いヤツではなさそうだ。…ただ、見た目通り欲が深いようだが。
ともかく、武器商人だと言うなら、味方につければ結構有利かもしれない。
そう思ったユニバースは、簡単な自己紹介をしようと……。<Rel1.2:2>
執筆者…A夫様、Mr.Universe様
いつの間にかユニバースと謎の青年は政府軍の者に囲まれていた。
(…気づかれたか!?)
「くっくっく…貴様、乗車券の一つぐらいは取っただろうな?」
「…(まずいな、こりゃ。)
「…おい!そこのだぼたぼ男!あんたはどうなんだ!!」
もう一人の兵士はローブを纏った謎の青年に怒鳴りつけた。
「…やはり、読みは正しかったな。ならば、しらみつぶしに破壊させてもらうぜ!!」
青年はローブを爆破させ、素早く兵士Bの後ろから刀でぶった切った!
だが…ミスターユニバースはその男の正体に気づいた。
       あいつは、武器商人じゃない…「戦闘狂『青』」だ!!
つい最近まで、ユニバースは『青』とともに活動を続けていた冒険者の一人だったが、
ユニバースがテロ側に雇われた時、『青』はそれをあっさりと拒否し、別れていた。
彼は別にテロにも政府にも大切なものを奪われた訳ではない。ただ、彼にとってはテロも政府も
「自分には邪魔なだけじゃん!」と
危ない(!?)解訳をしていた…。(早い話、自分の為に生きるのがモットー)
すぐさま大量の兵士や怪物が『青』を包囲するが、彼はナパーム手榴弾を投げまくり
列車の屋根へと飛び出して行く。(ミスターユニバースもとりあえず同行)<Rel1.2:3>
執筆者…A夫様
『青』は屋根を経由して倉庫列車に、ユニバースは鍵をかけて空き客車に身を隠す
「くっ、なんてやつだ、いきなり爆弾を投げるとは…」
どうにか爆風をしのいだ(しかし服はぼろぼろ)兵隊たちは
銃の安全装置をはずして突然の射撃に用心しながら倉庫を開け、銃を構える!
「何だ?!あいつめ、どこに隠れた?」
兵士達から見える所には『青』はいなかった。ただ、いないとはいえ、ごく近くにいたのだが…
コンテナの中にいるだろうと判断した兵士2人は倉庫車両の中に二三歩足を進めた。
それと同時に背後から成年男子程度の重量の物体の着地する音がした。
強烈な嫌な感じを覚えながら素早く後ろを振り向く、年かさの方の兵士の顔面に『青』のキックが入る。
きりもみしながら吹っ飛び、ぶつかったコンテナを派手に破壊する兵士。
コンテナの中身の小型結晶の山の中にうずもれる。
同僚の大惨事を見てあわを食う兵士に『青』は、
最近見たカンフー映画のまねをして「ホワチャー!!」と浴びせ蹴りを食らわせる!
今度は壁をぶち抜いて、哀れ列車の外側へと飛んでいった。<Rel1.2:4>
執筆者…A夫様、Mr.Universe様
だが…『青』は怪しい事実に気づいた。
何故なら帯刀していたヒボタニウム製の日本刀が淡い、赤い光を漂わせていたことに。
そして彼が見ていると、先程破壊されたコンテナから飛び散った赤い結晶が刀に吸い込まれていった。
「こ、こりゃ一体…!?」
だが、彼に容赦なく敵の攻撃が襲い掛かる!
かろうじて『青』は戦闘不能にならずにすんだが、
前方には多くの兵士と怪物が密集して立ちはだかっていた。
(…くっ、こんな場所、そして人生中盤で死んでたまるか!!
  でも…そうだな、槍さえあれば…え?)
『青』は驚いて自分の体を良く見た。
するとさっきの日本刀が槍へと瞬時に変形していくではないか!
…そして、彼は猛烈な反撃を加える。
「な、何だこれはぎょうぶぇあああぁぁぁ!!?」
気がつくと兵士Cの頭は『青』の伸びた槍で素早く突きを食らい、
しかも高速回転していたあまりぐしゃぐしゃになっていた。
そして、『青』は手持ちの武器を斧に変形させ、
兵士の群れをことごとく撃破していったのだった。<Rel1.2:5>
執筆者…A夫様

そして、メイ、ユニバースがそれぞれ各々の活動を行っているその頃…
 ココは名も無い小さな山の中。ソコに、2人の少年が立っている。
「お頭ぁ、やっぱりムチャじゃないっスかあ? いくら何でも、たった2人で…」
と、その2人の内気弱そうな顔をした方の少年が、これまた気弱そうな声音で言うのだが、
「バカモノォー! ココまで来といて今更何を言う! 作戦は遂行するぞ!」
と、もう1人のエラく気の強そうでいかにも負けず嫌い、
といったカンジの少年に一喝されて黙り込んでしまった。
 この気の強そうな少年の名は、『ユーキン』。先の通り負けず嫌いで強引な性格をしている。
そして、先程の気弱そうな少年の名が、『バンガス』。
好きなコトには積極的だが、少々臆病な面もあり、どうにも頼りなさそうな少年である。
 この2人は、何というか、コンビというか相棒というか師弟(無論、ユーキンが師)というか、
とにかくそういった間柄で、いつも2人で一緒に活動をしている。<Rel1.2:6>
執筆者…ユーキン様
 その2人は、『正義盗賊ロバーブラザーズ』という組織名を掲げており、
『正義』の名の下に様々な活動をしている。その主な活動内容は、
『悪』の征伐や『平和』の維持、そして何より『貧民』の救済等である。ただ、その行動原則は、
あくまで頭領であるユーキンの独断的な判断基準に基づいている為、やや偏りがあったりする。
よって、全ての民衆が必ずしも彼等の行動を快く思っているワケではないのである。
 さて、話を元に戻し、彼等が今何をしようとしているのかというと、
この山の真ん前を横切る国道を、数分後に通るハズの貴族が乗っている車を襲撃しようというのだ。
その貴族というのが、重苦、重税、重労働を市民達に強制する、極めて利己的で傲慢な輩らしい。
…らしいだけ。特に決定的な証拠があるワケでもない。
ただ、そういうウワサを何度も聞いたというだけである。
それなのに、ユーキンとバンガスはこんなにも無謀な行動を起こそうというのだ。
と、そんな矢先、国道の向こうから一台の高級車が近づいてくるのが見えた。<Rel1.2:7>
執筆者…ユーキン様
 作戦は開始したのだ。
ユーキンがボウガンとダガー、バンガスがハンドガンを構え、車の約100メートル程前に立った。
やや距離が遠いが、手に武器を持っているコトや、自分達の声は伝わるだろう。
「おおーい! ソコの見栄っ張りフル全開なケバケバしい高級車!
 ちょっと止まってもらおうかなー?」
ユーキンが声を張り上げる。が、車はスピードを落とさない。距離は少しづつ迫っている。
「…もしもし? あの、お願いだからさ、一旦止まってみてくれたりなんか
 しちゃったりとか…してくんない?かな。
 ねえ?あの、人生こんなトコロで…まだ何も終わってないのにさあ、
 こんな辺鄙なトコロで轢かれて最高級のフカフカ絨毯になるなんてさ、
 いや悪くはないんだけどやっぱ望みじゃないのよねえ〜…」
しかしそれでも、車は止まらない。
「くそう〜、こうなったら…撃てえ〜い!」
ユーキンはバンガスに向かって、高級車を指差す仕草をした。
「えええっっ!!??ほ、ホンキですかお頭ぁ!?」
バンガスは泣きそうな顔で聞き返す。
「当然だ!そうしなければ我々に明日は無い!撃つのじゃーっ!!」
バンガスは仕方なく、引き金を引いた。
カチッ。不発。
もいっちょカチッ。またもや不発。
んで、よくよく見てみると、弾丸が入っていないワケで。
…即ち、この作戦、失敗なワケで。
とてもじゃないが、ボウガンや、ましてダガーなどだけでは車を大破させるコトは出来ないだろう。
イヤに頑丈そうだし。と、いうワケで、
この2人は情けなくも即座にこの場から逃げ出してしまいました…。<Rel1.2:8>
執筆者…ユーキン様

 さて…一方ミスターユニバースはがら空きの客車の中にて。
BAGOOOOOOOM!!!!
突然の爆音か轟音か破壊音かわからぬ音にミスターユニバースは驚き戸惑った!
さらに、彼の体に強烈な痛みが走ったかと思うと、列車の後方に吹っ飛んでいた。
(別に車外に飛んでいった訳ではない。注意!)即座に数十人の男達がなだれこんでくる。
どうやら武装から政府に雇われた傭兵団のようだった。そして血の滴る大斧を持った男が叫ぶ。
「なんだ、こんな手応えのない野郎がこの俺の相手だったのか?」
「どうやらその様だねぇ。」
「アントラーさん!さっさとやっちゃいますかね?」
「あほかオメェは!
 もし、こいつが「結晶」とやらの秘密に関して知ってたらどーすんだよ!!」
(何だよ…こんなことがあるか普通…。)
唐突な展開にユニバースが内心舌打ちする。
だがその時!
ギャアアアァァァーーー!!
突然、その場に傭兵(弓)が
上半身の広範囲にわたって弓矢を浴び、そのまま叫びながら戦闘不能になっていったのだ!
「て、てめぇ! 邪魔しやがって!!」
そして彼らの向いた方向には戦闘で最高にハイになって見境のつかないバーサーカーとなった『青』の姿があった!<Rel1.2:9>
執筆者…A夫様
そこに、列車警護に充てられていたメイが駆け付けて叫んだ!
「テ、テロリストさん!?」
「げっ!」
ユニバースの一瞬の隙をバーサーカー『青』は見逃さなかった。
「とおりゃー!」
ドゴッ!!!『青』の一撃がユニバースに直撃!ユニバースはその場に崩れ落ちた。
「これ…で一件落着ですか?」<Rel1.2:10>
執筆者…MAYN様

こうしてテロリスト(厳密には元)、ユニバースは政府の牢に入れられた。
『青』は…というと、ユニバースを倒した時点でバーサーク状態が解けてしまったのだが、
一瞬で状況を判断。其れなりの実力者として有名なメイ達と、
疲弊した今の自分との戦闘を避ける為、ユニバースを彼女達に売ったのだ。
もっとも、この男の事だ。
ユニバースなら牢破り等動作も無いと思っていたのだろう(実際そうだが)。
『青』と交戦した筈の兵士達やアントラーは何時の間にか姿を消していた。
彼等を雇った政府やメイ達が、其の行方を知るのは、もっと後の話であった。
しかし、こんなものでユニバースが片付けられるものではなかった。
ユニバースはその翌日、牢を破って脱走してしまったのだった。
メイは、『青』にメンバーとしての、協力を求めた。
「いや…オレは一匹狼さ。お前さんたちにもテロにも加わる気はない。」
 …それとも、何か?
 嬢ちゃん達がオレの手となり足となり忠実な僕として働いてくれるってか?」
「そっ、ソコまでは…」
「だろ?オレにはオレなりの目的やオレなりのやり方ってモンがあんのさ。
 悪いがジャマしないでくれよ!」
そう言うと、『青』は颯爽と窓から飛び降り、流れ行く景色の向こうへと姿を消していった…<Rel1.2:11>
執筆者…MAYN様
「あぁーあ、行っちまった。まぁでもあんな奴いなくてもさ、
 俺たちがいるから大丈夫だよ、あいつらおれが倒してやるよ。」
「ハチの言うと〜り。かえってあんなやつ連れて行ったら足手まといだよ」
説得に失敗して落ち込むメイにハチと、タクヤがあえて明るく振る舞う。
何事か決意したのかすっくと立ち上がるメイ。
うなだれていたメイの頭の上で励ましていたハチをあやうく突き上げそうになる。
「…ねぇ、私たち今の力のままじゃ行けないと思うの、あの人たちを止めないと…」
メイをよけようとして壁に強打した頭をさすりながらハチが口を開く。
「あの人たちを止めるって、どうやって?
 相手はテロリスト、下手な軍人よりも根性入ってるよ。
 それに…どこにいるのかさえ分からないんだよ。」
「それは…テロリストに協力した人なら、連絡先とか知ってるだろうから…」
ハチの指摘にしゅんとするメイ。
「…方法は無いわけじゃないだろ。ああいう組織ともなると
 痕跡を完全に消すのは難しい。探偵を雇えばすぐ見つかるよ」
気落ちしたメイを見かねてタクヤが助け舟を出す。
何か悪い事の起こりそうな予感から
メイにこのヤマをあきらめさせようとしていたハチは苦い顔をする。
「そうだね。探偵さんを雇ってテロリストを探そう」
名案を手に入れて喜ぶメイ。
したり顔でハチを見るタクヤ、あきらめたと言う感じの表情のハチ。
「…いいよ、行こう。ただ、危ないことはよしてくださいよ。
 お嬢が傷ついたらご主人さまに面目が立ちません…」
こうしてメイとその従者2体は独断専行でテロリストを探すこととなった。<Rel1.2:12>
執筆者…失念(−−;覚えのある方は名乗りを上げて下さいませ

  次の日、京都市内
2日前の襲撃の失敗が大きく響き、
イッキに文無しとなったユーキンとバンガスは、
2人揃って空きっ腹を抱えて街をトボトボと歩いていた。
そんな時。
ドンッ!バンガスの肩が何者かとぶつかった。
「おっと、すいません!」
律儀に頭を下げるバンガス。そのぶつかった相手は…メイであった。
「あ、いいえ、こっちこそごめんなさい。チョット色々と悩んでたもので…。」
『正義盗賊』を名乗るユーキンが、善良な市民
(ホントは「プロ」だから一般市民じゃないんだけど)の「悩み」と聞いて黙っているハズがなかった。
「なっ、悩み!?お嬢さん、今悩んでるんですか!?
 あの、イヤならイイんですけどボクでヨかったら出来れば是非とも
 悩みを聞かせてくださいお願いしますどうかこの通り!!」
ユーキンのあまりの反応の過剰さに、
少々疑惑を感じながらも、メイはごく簡潔に事情を話した。<Rel1.2:13>
執筆者…失念(−−;ユーキン様…で良かったでしょうか?

「ほほう…つまり貴方達は、とある事件を解決する為に
 探偵を探している、というワケですな?」
「ええ、そういうコトです。」
ココは街中のほんの小さなレストラン。
「フッフッフッフ…貴方達は実に、じ・つ・に! 運がイイ。
 ナゼなら、今貴方達の目の前に、偶然にも貴方達が探しているモノが
 堂々と鎮座してオムライスかっ喰らってるんですからな!」
とまくし立てるユーキンの口から飛び散る無数の米粒。
(下品)」
「(汚ね)」
「(気持ち悪)
「とにかく!我々正義盗…いや正義探偵ロバ…もとい、
 えーと、ホビーブラザーズにお任せください!
 必ずや事件の真相を暴き、犯人を見っけて、
 火炙り水攻めくすぐり刑、様々な報復を…」
「はいはいイイから。とにかく、ちゃんと相応のお金は出すからね、シッカリ頼むよ」
…こうして、メイ達一行は、頼りなさげな仲間を2匹、手に入れたのであった…<Rel1.2:14>
執筆者…失念(−−;ユーキン様…で良かったでしょうか?
 そんな中、TVを通して臨時ニュースが流れた!
その内容は「愛知駐屯の軍隊、テロリストもろとも壊滅!!」というものである。
店の客は全員、驚きを隠す事はできなかった。
「こ、これって…下手な映画より酷すぎる…うっ(よろける)」
「放っておいてはいけないわ!あのままじゃ市民が…!」
TVを良く見ると赤い服の青年がバルカン砲を乱射している姿があった(再現VTRで)
しかし、それは一般市民にはほとんど命中していない。
被害を受けているのはテロと政府兵だけであった…
さらにその再現VTRには、青年をサポートしている胡散臭い男の姿が!
…勿論、メイにはその姿に見覚えがあった。
         ミスター・ユニバース…!!
すぐさまメイ達は店を飛び出し、大型車で愛知へと向っていったのだった…。<Rel1.2:15>
執筆者…A夫様
 
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