リレー小説1
<Rel1.18>

 

大名古屋国地下迷路
道の淵に窪みがあり、其処を大量の水が流れていた。この事から外の様子がありありと解る。
幾つもの水路は、奥の部屋に終結している。恐らく貯水所だろう。
ガウィー達は敵兵から逃げ回っている内に、此処へと辿り着いた。
既に敵は撒いたらしく、自分達の足音しか聞こえない。其の数は5つ。
幸運にもジョイフル達と合流する事が出来たからだ。
「ふう……此処等で少し休もうぜ」
「ソウダナ…コンナぼろぼろノ状態デめい達ト合流シテモ、足手纏イニナルダケダ」
敵兵を撒けたとはいえ、一向は結構手傷を負っていた。
流石は大名古屋国兵。非能力者が多いといえど地の利は向こうにある。
ジョイフル達は休憩をとる事にした。見張りに立っているのはバンガスとガウィーだ。
「あれ?御頭ぁ!誰か近付いて来ますよ!」
「何ィ!誰だ其れはぁ?」
「あれは………メイ?」
此方に向かって廊下を走って来たのは確かにメイだった。
だが、メイ1人で、猫丸達もイルヴ達も居ない。
「メイ!どうして此処に?其れにイルヴ達は?」
「ツヨシンさん……実は…ワープの罠に掛かって…イルヴさん達とも逸れて…」
「そうだったのか…まあ、メイさんが一緒なら百人力だ!
 さっさと、こんな迷路抜け出して『青』達に追い付くぞ〜!!」
バンガス達はメイと共に、再び迷路を歩み始めた。
其のメイがグレート・ブリテンであるとも知らずに…<Rel1.18:1>
原作…is-lies 脳内再現…is-lies
と其処へ武装した大名古屋国兵士の一団が現れた!
部隊を指揮しているのはピュンマだ!
「下がってな、クラリス」
「気を付けて。泥棒のおじさま」
カッコつけてボウガンを構えるユーキンに、偽メイは戸惑いながらも
「適当に合わせた方が良いだろう」と思い演技して返す。
襲い掛かる兵達をバッサバッサと切り倒しロリコン伯爵…いや、ピュンマに迫るガウィー!
「チィ!」
ガウィーの横薙ぎをバックステップで回避し、
背後から襲い掛かって来たユーキンに回し蹴りを喰らわすピュンマ。
だが、其処は転んでも唯では起きないユーキン。
蹴られる直前に発射したボウガンの矢は、ピュンマの左腕に突き刺さる。
「くっ…撤退だ!」
あっさりとピュンマ達は、奥の通路へ逃げていった。
「助かったぁ〜…」
「ふう…早めにイルヴ達と合流した方が良さそうだな」
そう言ってガウィー達が、早々に立ち去ろうとした時……
「駄目です!敵は未だ生きています!追って止めを刺しましょう!」
偽メイが何やらムキになって一同に追撃を促す。
「メイさん……何かアイツ等で嫌な事あったんですか?胸触られたとか…」
「あ…、い…いえ……唯、皆さんの安全を考えて………」
不審に思ったバンガスの質問に、
功を急いだ事を後悔し、しどろもどろに答弁する。<Rel1.18:2>
原作…Mr.Universe様、is-lies 脳内再現…is-lies

驟雨の中、地に広がる連合軍兵器の残骸の山を隠れる様に進む者達が居た。
大名古屋攻めのテロリスト…獣人解放戦線である。
最後の突撃を敢行する為、今の今迄、機を窺っていたのだ。
集団の先頭で指揮を取っているのは、以前テロ司令の補佐官であった猫耳少女だ。
「司令!これで宗太郎も終わりですね!」
「亡き前司令や同胞の敵は、刺し違えてでも討ちますよ」
「大丈夫だって。こっちには操作したゴルゴーンの集団と
 新たな頼もしい同志が居るんだ。負けはしないよ」
司令の右側に居る兎男が背後のゴルゴーン集団を指差しながら、
相変わらずのトロンとした口調で同胞に答える。
そして…司令の左側で大名古屋国の入り口を睨み付ける男…
ミスターユニバースに他ならない。
「ワシ、新生名古屋城内も警備の厚薄も知り尽くしとるんですわ。
 秘密の抜け道…なんてのも…まあ、期待しておくれやす」<Rel1.18:3>
原作is-lies 脳内再現…is-lies

視点はイルヴ達へと変わる。
ダルメシアが槍で土魂号に疾風の突きを放つが、装甲に難無く弾かれる。
攻撃が効かないと見るや否や、直ぐに距離を取る。土魂号の大剣を喰らえば命は無い。
だが、待ち構えていたアルベルトの右手のレーザーナイフが、ダルメシアの腕を僅かに掠める。
「…こ…こいつ等…強い」
と、其の時。
ドガーーーーン!!
「うわああぁぁあ!」
「フッ…ドウヤラ、オレノ敵デハナイヨウダナ」
エースとTAKEが壁を破って乱入して来た!
「エース!?何で此処に……って何だコイツは!?」
「TAKEだ!説明は後でする!」
「役者が揃った様だな?…仕切り直しだ…」
「フッ…精々足ヲ引ッ張ラナイ事ダナ…」
一同は構える。<Rel1.18:4>
原作…鋭殻様 脳内再現…is-lies
「死ネェェエエ!!」
レーザーナイフでもってイルヴに切り掛かるアルベルト。
だが、キムラのシューティングスターの銃弾で足を止められ、
隙を突いた猫丸の短刀で腕を切断された!
「ぐああぁぁぁああ」
「良し!これで片方は無力化出来た!」
《大丈夫か、アルベルト!?》
土魂号の間接を狙った敵の攻撃を、サイコキネシスの壁で防ぎながら
倒れたアルベルトに念話で話し掛けるイワン。
「平気だ…この程度……。俺は…人間じゃないからな……」
其の言葉通り、彼の腕の切り口から流れているのは血ではなかった。白いオイルの様な液体だ。
そして、其の切り口から銃口の様なものが覗いたかと思うと、其れは肘から急に迫り出して来た。
黒く鈍い光沢を放つ砲身に、長く、細い銀の銃口を備えた凶器。
(要するにコブラ・ザ・サイコガンみたいなのだが、そう言うとギャグっぽくなるので注釈で)
「まだまだお楽しみはこれからだッ!!」<Rel1.18:5>
原作…Mr.Universe様 脳内再現…is-lies
「死ね!」
「くっ!これならどうだ!」
イルヴが魔力の刃でアルベルトを切り付けるが…
「無駄だ。そんな攻撃、俺には効かん」
「くそっ…負けて堪るか!『ウォーロック・エース』の名に掛けて!!」
武器を構え、一斉にアルベルトへと突進するエース達。
《ふふ…アルベルトに気を取られ過ぎたね》
「しまっ……!!」
無用心に集まったイルヴ達に、土魂号の大剣が振り下ろされる。
「ダルメシア!!」
「おう!」
2体の精霊神が直様、防御壁を創り出して大剣を受け止めた。
瞬間の大音響に、キムラ達は耳を押さえる。
《小賢しいね。じゃあ、これならどうだい?》
同時にイワンのサイコキネシスの力が大剣に上乗せされ、
防壁は一瞬にして崩壊、其の侭の勢いで土魂号の大剣が猫丸達に迫る。
「なっ!!」
「喰らうかよ!はっ!!」
エースが大剣を跳ね返した。
「このガキは俺が食い止めるから、あんた等はTAKE達を早く倒してくれ!
 俺も何時迄持つか解らねぇ!」
「解った!」<Rel1.18:6>
原作…鋭殻様、is-lies 脳内再現…is-lies
何時の間にかアルベルトの周囲を濃い霧が覆っていた。
「こ…これは!?」
流石、場数を踏んだ上級能力者。直ぐにポーザの幻術だと気付く。
だが、其の時には既に遅く、彼の視界は一面の霧となっていた。
(何処から来る……?)
五感を研ぎ澄まし、敵の方向を探るアルベルト。
刹那、彼の真上からナイフを構えたポーザが兜割を仕掛けて来た。
「くっ!なめるなぁぁああ!」
ポーザの繰り出した兜割りをレーザーナイフで防ぐアルベルト。
攻撃を防がれたと見、ポーザは再び霧中に消える。無謀な深追いはしないのが暗殺者の鉄則だ。
「よく私の一撃を止めたな。だが、次で終わりだ」
四方から響くポーザの冷徹な声。
震えを止めようとしても直ぐに心の奥底から恐怖が湧いて来て全身を震わせる。
「行くぞ!」
「うわああぁぁぁぁああああ!!!」
慌ててはいけないと思っていても、本能的な恐怖が理性を上回っていた。
声のした方へ出鱈目にマシンガンを撃ち込むアルベルト。
一瞬だった。混乱した彼の背後からポーザが現れ、目前の獲物を切り付けたのは。
其の侭ポーザは振り向かずに、土魂号と戦う仲間達の許へと戻る。
(振り向きはしない。何故なら相手は確実に死んでいるから…)
「は…ははは……やっぱり駄目だったか……
 済まない…ヒルダ…約束を…守ってあげられそうにな…い……
そう呟き、アルベルトの意識は闇へと落ちた。<Rel1.18:7>
原作…Mr.Universe様 脳内再現…is-lies
《アルベルト!アルベルト!くそぅ…!》
イワンの怒りは強烈なサイコパルスを伴う念動力と化しイルヴ達を襲う。
「くっ!皆、気を流されない様にしろ!」
《よくも……よくもアルベルトを殺してくれたね。
 君達はボクの全力で以って地獄へ叩き落してあげるよ》
そう言うが早いか、土魂号の全身に赤い紋様が現れた。
「あれは、『千早振りの紋様』!!」
「何だ其れは?」
土魂号の異様に驚愕するダルメシアにキムラが問う。
「エーテル能力に何らかの効果を及ぼす呪法処理だ。
 俺の槍や猫丸の短刀にも、この紋様がある。効果は能力霧散」
そう言ってキムラに槍を見せるダルメシア。成程、確かに同じ紋様だ。
《御名答!この土魂号は唯のパワードスーツじゃない!
 搭乗者のエーテル能力を何倍にも上昇させる事が出来るのだ!》
言うと同時に土魂号の周りに圧倒的な量のエーテルが集まり始める。<Rel1.18:8>
原作…Mr.Universe様 脳内再現…is-lies
「フッ、敵ヲ忘レルトハ愚カダナ」
皆に忘れられていたTAKEがキムラに切り掛かるも
横手から現れた大剣によって弾かれる。剣化ヒボタンXを構えた『青』が其処に居た。
エースの睡眠薬で眠った対TAKEメンバーが、起きて駆け付けたのだ。
「済まん、遅れた!」
「メイはどうした?」
「悪い!攫われちまった!」
状況を逸早く推察したごとりん博士が一瞬の黙考の後、口を開く。
「ポーザ、猫丸、ダルメシア、エース、翡翠は先へ進め!
 ワシ、キムラ、イルヴ、『青』、ビタミンNがTAKE達を受け持つ!」
最も軽傷な5名をメイ救出に向かわせようとする博士。
直ぐに呼ばれた5人が土魂号の隙を突いて、其の横を駆け抜け、
宗太郎達の消えた階段へと一直線に向かう。
《させるかぁ!》
そんな5人に土魂号が大剣の切っ先が向け、其処から巨大な弾を発射する。
千早振りの紋様によって増幅されたサイコキネシス能力が形成した破壊球。
其のあまりの破壊エネルギーに、普段は見えない筈のサイコキネシス球が、
周囲の空間を目視可な迄に湾曲させていた。<Rel1.18:9>
原作…鋭殻様 脳内再現…is-lies
「くっ!皆、早く行けっ!!」
イワンの攻撃をエーテル防壁でもって防ぐイルヴ。
5人は無事に階段を上って行った。
「良し!こいつ等に後を追わすな!」
『青』達は土魂号をぐるりと取り囲む。
《はははは!この土魂号に無駄な事を!集まってくれて潰し易いよ!》
土魂号が跳躍する。ごとりん博士達を其の巨体で押し潰す積りだ。
「チィ!」
巻き添えを喰らっては堪らないと、TAKEが地面に映る土魂号の影から飛び退く。
其の間にも土魂号は吹き抜けのフロアを幾つも通り越し、空中に一瞬静止した後、
大の字になり、凄まじい速度で降下して来る。
「『青』!危ない!!」
ズドーーーン!!
轟音と共に土魂号が全身で着地する。
「はっ!俺は…無事……なのか?……!イルヴさん!!?」
『青』の隣には右腕を土魂号の脚で潰されたイルヴが倒れていた。
「……まさか……俺を庇って……」
《仲間を守って……生意気だ!》
土魂号が立ち上がり、呆然としている『青』に切り掛かろうとするが…
「させるか!」
土魂号に、ごとりん博士とビタミンNが取り付き、ハッチを破壊する。
其の姿を曝け出したイワンにキムラの銃弾が撃ち込まれた。<Rel1.18:10>
原作…鋭殻様、is-lies、ごんぎつね様 脳内再現…is-lies
《くそぅ!くそぅ!なんでこのボクが……!》
そうテレパシーで叫び、イワンは動かなくなった。
「フッ…所詮ハ赤子カ……。オレガ皆殺シニシテヤル」
『青』達にTAKEが襲い掛かる!
だが、眠り薬が漸く効き始めたのか、其の動きは緩慢だ。
カキィン
TAKEの刃を剣化ヒボタンXで防ぐ『青』。
「ん?」
よく見ると、TAKEの装甲の一部が壊れていた。エースとの戦いによるものだ。
(良し、此処を攻撃してみよう!)
ヒボタンXで装甲の壊れた箇所を攻撃する『青』。
グガアァ…オノレェ!」
流石にこのまま戦うのは無謀と見たTAKEは撤退していった。<Rel1.18:11>
原作…鋭殻様、ごんぎつね様 脳内再現…is-lies
「済まん!TAKEをそっちへ逃がした!ワシ等も直ぐに後を追う!」
通信機でポーザ達へと報告するごとりん博士。
一方、『青』は倒れたイルヴの看護をしていたのだが、
重傷の様で、どんなアイテムも回復魔法も効果が無い。
焦る『青』にごとりん博士が通信しながら声を掛ける。
「今、外で待機していたイリュブに、イルヴを運び出すよう言っておいた
  如何にイルヴでも、其の体では戦闘続行は不可能だろう」
其の時、ついさっき連絡を取った筈のイリュブからコールが入る。直ぐに通信機を耳に付けるごとりん博士。
《あ、ごとりんさんですか!?大変です!》
「ああ…メイは攫われ、TAKEは取り逃がし、イルヴは戦闘不………」
《そ…そうじゃありません!たった今、大名古屋国に、以前のテロ組織…
 獣人解放戦線が潜り込んでいるという情報が入って来たんです!》
「…何だと!?」<Rel1.18:12>
原作…is-lies 脳内再現…is-lies

一方、城内の通路を走るTAKE…
「クッ…マサカ、コノオレガ…アンナ奴等如キニ……
 フッ…マア良イ……アイツ等ヲ殺シテ……

 オレガ世界ヲ支配スルノダ!!」 

 

「こんな所に居たのか…TAKE…」
「!!」
TAKEの目前に幽鬼の如く佇むジョー。
「張々湖は死んだ……お前の所為でな……」
「……ダカラ何ダ?」
「TAKE…苦しそうだな?今、楽にしてやるぞっ!!」
殺された仲間の恨みを晴らすべく、
加速能力を最大限に発揮してTAKEへと迫るジョー。<Rel1.18:13>
原作…鋭殻様、is-lies 脳内再現…is-lies
 
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