リレー小説1
<Rel1.12>

 

一同の見る中でそれは起こった。
カプセル内に金属のインゴットが現れたかと思うと、
魔法と思われるエナジーが集中し始めてゆき
みるみるうちに人の形を造りあげてゆく。それは…
紛れもない5人の姿だった!
「な、な、何だペン?」
どうもこれはペンギン太郎も知らないことのようであった。
しかし、なんにせよ、その金の人型の物体はかたまっていき、
イルヴたちとそっくりの形になった…ただし、メイを含めて全員服は無しで(でも金色)。
そして、壁のモニターにごとりん博士の顔が映る。
「ペンギン太郎!先ほど『青』達の解析が終わった。
 そのデータを転送したから、コピーがそっちの製造機で作られておるはずじゃ!」
「うわぁー、お前ら見るんじゃない!!」
メイコピーの裸を呆然と見ていた『青』をぼこり飛ばすダルメシア。
イルヴは紳士的に明後日の方向を向いているがその顔は真っ赤になっている。
メイは訳の分からない事をわめいて混乱していた。
そして、うひゃーとか言いながらも、しっかりメイコピーの体を見ている吠黒天 猫丸。
当然直後にはダルメシアのけりが入る。
「お、おい、とにかく裸を隠せ!メイが泣いているじゃろうが」
その場で一番仕切り役的なイルヴが、明後日の方向を向いたままペンギン太郎に提案する。
「う、うむ、そうペンな、これじゃいいシーンもあったもんじゃないペン。」<Rel1.12:1>
執筆者…Mr.Universe様
そして、他のコピーと同じく装甲がつけられる5人のコピー。
(ただし、ダルメシア・猫丸は、ハチ・タクヤ状態であった。
 これもひとえに情報が足りないためである)
ダルメシアの介抱でどうにか立ち上がるメイ。おもいっきり涙目になっていました。
「…どうでもいいが、コピーって作ったばかりで魔法使えるのか?
 自分で言うのもなんだが我々は体力で言ったら運動選手にも及ばんぞ」
5人のコピーに対してイルヴの冷静な突っ込みがはいる。
「うっ、そういえば、
 結晶能力はともかく、魔法に関してはコピーできてないようなペン…」<Rel1.12:2>
執筆者…Mr.Universe様
そして、その指摘は図星だった。
4人のコピーは、ただこっちに向かって攻撃してくるだけだった。
しかも、動きも何だかぎこちないぞ。
「なーんだ、楽勝じゃねーか。」
しかし、
「…ばかあ!!」
メイはさっきの涙目から打って変わって魔法を唱え始めた。
「うわあああーーー!!」
猫丸・ダルメシアは舞い上がり、ぐるぐるぐるぐる超高速回転をはじめた。
「パンデモニウム!!」
うわあー!破滅のときだー!
あたりは闇の世界と化し、おぞましき魔物の咆哮が響き渡る、雷鳴がとどろく。
そして、闇の精霊と化した猫丸、ダルメシアが、
空にふわふわと浮きながら不気味な笑いを浮かべている!
「…な、な、なんだったんたペン…はっ、クローンは!?」
5人のクローンは灰と化して、あとかたもなかった。それどころか、この建物はめちゃめちゃになっていた!
「ぜえ…ぜえ…」
イルヴと『青』は瓦礫の中に生き埋めになって、やっとはいずり出てきた。
しばらくするとメイ、そして姿を戻したダルメシア、猫丸が現れた。
「…とーぜんの酬いです」
「ペンギン太郎!貴様、まことに無礼である!」
「(さっき見てたくせに)」
「い、いや、その、ボクは何も知らないペーン!ボクはしたっぱだペーン!」
「こら、貴様、逃げるつもりか!」
「ごとりん様に報告だペーン!」<Rel1.12:3>
執筆者…MAYN様

この研究室は、地下と、上の数階から成る。
ごとりん博士たちが謎の研究を続けているのは地下の階である。
地上の建物はメイの精霊魔法でこっぱみじんになったが、
研究室は、独自の電力供給のためにそれでもなんとか持ちこたえている。
「…ん?なんだか上が騒々しいな…。」
すると巨大なコンピュータに緊急事態(EMERGENCY)の赤い文字が出た。
「何?ここから上の階がすべてやられて瓦礫の山だと?」
「やったのは、侵入者の娘と、精霊達であると思われます。」
「なーに、気にするでない。」
ごとりん博士は気を大きくして言った。
「この地下研究室は上の階がどんなにこっぱみじんにやられても、
 電力供給で持ちこたえ、避難ルートも非常出口も完璧にそなえておる。
 こんな建物はこの日本皇国でもここだけだ。」
「火災が発生しても大丈夫なんですね!」
「まあそういうことだ。」
「さあ、われわれは研究を続けるぞ!」
ごとりん博士の部下たちが叫んだ。<Rel1.12:4>
執筆者…MAYN様

「くぺーッ、引きずらないでくれよお、
 せっかくのこの自慢のつやつや皮膚が台無しだペーン」
「………」
バシ!
メイは長刀の柄でペンギン太郎の尻を叩いた。
「ひぃー、いてててペーン!」
「…何が自慢のつやつや皮膚だ。」
「くぺーッ、動物虐待だペーン!」
ペンギン太郎は、メイたちによって縄でぐるぐる巻きにされて、ずりずりと引きずられている。
5人はペンギン太郎を引きずって、地下の研究室に向かうつもりだ。
「どっちだ?」
「あっちだペン…」
ペンギン太郎の言うとおりに進んでいくと、
確かに「研究室」らしきうさんくさいドアが見えてきた。
5人は耳をすました。
そして、その部屋からごとりん博士らしき人物の会話が聞こえてきた…。
研究者たちは、専門的でなんだか分からないことばかり言っているが、危険なことは確かだった。
「…入るか?」
「様子を見ましょう…」<Rel1.12:5>
執筆者…MAYN様

そのころ、ビタミンNとバンガスは…
二人は何とか大災害に巻き込まれず、
研究室が轟音とともに崩れ落ちるのを遠くで目にしていた。
「うっぎゃ〜、なんじゃこりゃあ!?」
二人が近づいて見ると、さっき彼らを追い返した兵士たちは瓦礫の下でのびていた…。
「お、おい、おっさん、大丈夫か?」
「今はそれより、ユーキンたちの救出だ!」
ビタミンNとバンガスは、何とか原形を留めている部屋を探し出した。
「あ、ここが残っているな!監獄もこの奥の部屋だ!」
「よぅーし、待ってて下さい、親分!」
2人は部屋へと進んで行った。
ウウウーーー…
あたりを救急車やパトカーが取り囲みはじめた…。
だが、其の救急車、パトカーは何の前触れもなく爆発した。
瓦礫の隙間から身を出して
ロケットランチャーを構えているアントラーが原因である事は誰の目から見ても明らかだ。
「…ったく、此処の警備も地に附したもんだなぁ…」
「同感だ。…にしてもアイツ……」
同じくアントラーの横から出て来たエースはビタミンN達の向かった入り口を凝視する。
「?さっきの奴等、知り合いか?」
「まあな。以前俺がツヨシン達を騙してジョイフルを攫った時の話はしたろ?」
「んああ、スカイライムの運転手に扮した『鼻』との連携プレイだったそうじゃねーか?
 …となると、今の奴がツヨシンと共に逃げ出した奴か……」
「まあ、良いぜ。ジョイフルを掘り出す序に、あいつ等も片付けておくか!」
ビタミンN達を追って行くエースを尻目に、アントラーは残ったパトカーの掃討を始めた。

 

 

そして、其の光景は、ビタミンN&バンガスが待機していた崖の上からも見えた。
「はあ〜、遅れたか〜…。」
ビタミンN等と、此処で合流予定だったツヨシンが一足遅れて現れた。
「…にしても、派手にやってるなぁ……。」<Rel1.12:6>
執筆者…MAYN様、is-lies

ドアに耳を付けて様子を窺っていたメイ達…併し
「!! お嬢!誰かコッチに向かって来ます!」
直ぐに『青』達は地上へのエレベーター前の物陰に隠れた。
一瞬遅れて、研究室のドアからヒュグノアが出て来る。彼は数歩だけ進むとぴたりと足を止めた。
「上の階が無くなってしまいましたね…
 エースさんとアントラーさん…裏切り者…そして侵入者達は何処へ行ったのか…
 …まあ、彼等の身を心配をする必要はありませんねェ…
 そう思いませんか?皆さん…」
バレていた。イルヴ等は隠れるのを止め、ヒュグノアの前に姿を現す。
「残念ですが…此処から先に進ませる訳にはいきません。
 僭越ながら、この『心臓』ことヒュグノアが、皆さんと裏切り者の御命を頂戴致します。」
其の瞬間、ヒュグノアが何処からともなく出て来た光と闇の渦に包まれた。
「!!」
彼女は一度其れを目撃した事がある。ノトシスが異形と化した瞬間を…
光と闇の渦が消え去った後に残されていたのは元ヒュグノア…
通路を塞ぐ程巨大な、ウニの様な姿の異形『心臓』であった。
「ふふ…いきますよ」
赤と青の毒々しい色をした無数の触手を伸ばし、迫るヒュグノア。
「く…化け物がッ!喰らえ!」
イルヴの放った業火がヒュグノアを焼き尽くす。
「ぐおおおぉぉ!!」
咆哮と共にヒュグノアが灰と化していく。
「あれ?」
「…もしかして……」
「…弱い?」
…だが……ヒュグノアが息絶えたと思った其の時、
彼は不死鳥の如く、灰の中から火傷1つ無く現われた。
「凄い力ですねぇ〜。一度死んでしまいましたよ。」
「な…何だとッ!?」
「ふふふ…ノトシスさんの陳腐な力と一緒にしないで下さいね。
 死と同時に完全復元が可能な私を殺す事等、出来はしませんよ。
 貴方達は、無様に逃げ出したライズの不甲斐無さで
 今迄生きて来られた様ですが…其れも、もう終わりです」<Rel1.12:7>
執筆者…is-lies
ガチャ…ギイ
研究室のドアが開いた。ごとりん博士、そして警備兵たちが現れた。
「ついに来たな、日本皇国最強の男『青』。
 そして派手にやってくれたな、お嬢さん」
「………」
「そのヒュグノアに殺されるところ、ここで見届けてやろう。」
「だめだ…下手に動いたらこの自分でも生きて帰れないかもしれない…。」
「絶望するのはまだ早いですよ!ねぇ、『青』さ…あ?」
「どうした?何か呆けた顔をしてるみたいだが…。」
「…まだ足りない気がするけどここまで勢揃いしたのならいろいろ
 聞きたい事があるんだ…俺の意見を示すのも兼ねてな!」
「意見だと?そんなものは…」
憤る研究員を手で制するごとりん博士。
「待て。ひとまず聞いてやろうではないか。」
「…いいのか、本当に?」
「俺はいつでも本気だが、何か?んじゃそちらから話してもらいたいね。」
「(…何を偉そうに!)」
そして、ごとりんは口を開いて長々と思想を語り始めた…。<Rel1.12:8>
執筆者…MAYN様、A夫様
「生命操作!これこそすばらしき、人が神となるための唯一の技術!
 それを腰抜けの西政府は、国連からのブーイングが来るとかで抹殺しようとした!
 それも、わしのこの偉大なる灰色の脳髄もろともな!
 まぁ、しかし先手を打って政府のものの手を抜け出たわしは、東に移った。
 しかし、そこでやらされたのは何だと思う?
 遺伝子組み替え野菜に、牛の人工授精。
 そんな低レベルのことで使ったら、わしのこのすばらしい腕が穢れるというものじゃ。
 ところがある日、ここから、研究主任にならぬかとの誘いがあってな、
 そしてそれから今にいたるまで、ここですばらしい生命操作実験をしているというわけじゃ!」
ここまで一気に言うとごとりんは、演台の上に置いたコップの水を一口飲み込む。
しかし、良く考えると、これは思想じゃないような気がしていたダルメシアが一言
「あのー、それじゃー、思想とかは?」
「あん?そんなものは、知らん。他のやつに任せた。
 しいて言うならば、生命操作技術の偉大さを分からぬ者に
 死を与えてやるといったところかの〜。」
その答えに脱力する一同。
「…多分、質問相手間違ってるな。」
ダルメシアの弁である。
「じゃぁ、そこのウニ!何かえらそうなのでお前言え!」
吠黒天猫丸がそう言う。
「えっ、ウニって私ですか?」
ウニと呼ばれてちょっちショックなヒュグノアさん。<Rel1.12:9>
執筆者…Mr.Universe様
「私、ウニ好きなんですけど、このウニは気持ち悪いですねー」
メイの能天気な言葉にイラつくヒュグノア。
「ウニウニ言わないよろし。ふ…まあいいでしょう。
 私はごとりん様のすばらしき力にて生を受け、ごとりん様を神としてあがめている」
「洗脳されてるようだな。」
「けっ、悪の手下にありがちな設定だぜ」
ウニ…もといヒュグノアは続ける。
「私は生まれついての生物兵器!死をもたらすためにこの世に現れた!」
「こいつに思想もなにも…」
「問答無用!貴様らを殺す!」
ヒュグノアがおそってきた!<Rel1.12:10>
執筆者…MAYN様

イルヴ達は部屋から部屋へ、通路から通路へと
戦場を目紛しく変えながらヒュグノアと戦っていた…
はっきり言うなら其れは後退だった。
猫丸の雷球もダルメシアの鎌鼬も、圧倒的な攻撃力を誇る『青』のヒボタンXも、
イルヴとメイの超絶魔法もヒュグノアを止められはしなかった。
或る時は黒焦げにし、或る時は貫き、又或る時は真っ二つにした。
全身を凍らせたり、肉片の一つすら残さずに滅しもした。
だが、其の次の瞬間にはヒュグノアの骸は消滅し、無傷の状態で復活する。
一同は焦りや不安、疲れの色を隠せないが、
相手は、そういった様子を見せないどころか息切れ1つしていない。
「皆さん、頑張りますねぇ…23回も死んでしまいましたよ
 併し、『この世に生き続ける』というのが私の特権ですからね…
 ふふ…生憎、全てが徒労ですよ」
ヒュグノアが全身の触手の中で、最も大きい腕の様な2本の触手を繰り出す。
青い色の触手が『青』を、赤い色の触手がイルヴを捕らえる。
「な…!?」
「な…なんだこりゃ!?」
2本の触手の先端には針の様なものが備わっており、
ヒュグノアは其れを、捕らえられた2人に見せ付ける様にちらつかせる。
「先ずは元気そうな貴方から…」
そう言うと『青』の首筋辺りに青い触手の針を刺す。
「な…これは……力が………吸われて……」
「うーん、やはり生気は
 生きの良い人間から吸うに限りますね〜。これは御礼です」
今度はイルヴの首に赤い触手の針を刺す。
注入された猛毒がイルヴの体を異変を齎すのにそう時間は掛からなかった。
凄まじい寒気と頭痛に包まれる。常人なら5分も耐えられないだろう。
「ぐっ…毒!?」
「御名答。特製の猛毒です。貴方なら2時間といったトコですか。
 解毒剤は…ジョイフルと一緒に倉庫に入れて置きましたが
 上の階、崩れていますからねェ〜、探せるかどうか…くくく」
力を吸われてグッタリとしている『青』と、毒に苦しむイルヴを放り投げ、
ヒュグノアはメイ達に向き直る。彼女等も満身創痍だった。
「ククク…ライズの無能にも一応感謝しなくてはね。
 私に、この『セイフォートの心臓』をくれたのですから!」
全身の触手を伸ばしてメイ達に迫るヒュグノア。<Rel1.12:11>
執筆者…is-lies
「一体何なのか分からないよー!!(≧≦)」
メイたちにはヒュグノア仕様がまったく分からなかった。
倒しても倒しても、何度も復活してくるヒュグノア。
バシ!ベシ!
「やー!」
バシ!
「こいつ、やめろ!」
メイたちは触手を武器で振り払う。
「それよりイルヴさんたち、どうしよう…魔法で間に合うかな…」
「フフフ、貴様らがこうして生物兵器に屠られていくところをじっくり見届けてやろう。」
マッドサイエンティスト、ごとりん博士は高らかに笑った。
…が、実のところ博士はちょっと不満だった、
なぜヒュグノアは触手系なのによりによって男を狙うのだと。
メイをねらったらアレな感じになっていいのにとか思っていた。
ここまで来たのに、あともどりはできない。逃げたくない。
戦いながら、メイ、猫丸、ダルメシアは思っていた。
「…イルヴさんたちを回収できるぐらいの時間、
 あいつの動きを止められる方法はないですか?」
ダルメシアがメイに尋ねる。
「えっと…たしか結界術で、ブレードフィールドっていうのがあったはず…。
 あれなら、触手を切り落として、動きを止められるかも…」
すこし(と言うかかなり)自身無さげな様子でメイはそう答える。
「はい、それにしましょう! 私たちが時間を稼ぐのでお嬢はその隙に…」<Rel1.12:12>
執筆者…MAYN様、Mr.Universe様
 
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