リレー小説1
<Rel1.10>

 

イルヴの家の中は、戦いによってすっかりめちゃくちゃになっていた。
メイは、ノトシスから逃げるように次の部屋へ、次の部屋へと移っていった。
ノトシスは、ずっと彼女をつけ回してきた。
そして屋根裏部屋にて。とうとう逃げる場がない!
「ふふふふふふ…」
メイはすっかり冷や汗をかいていた。心拍数が増えているのがわかる。
さてその屋根裏部屋とは、上からロープがぶら下がっている。
そのロープをつたって、上の壁をなんとかぶち抜けば、屋根の上に出られるようだ。
メイはそう考えたが、しかし、ノトシスはもう目の前に迫っている。
ああ、このままでは怪物のエサに…
いちかばちか敵にダメージをあたえ、上に逃げきれたら。
「やあっ!」
メイは怪物に向かって、そこの部屋にあった
レイピアよりももっと長い刃のついた槍のような武器をとって、振り下ろした。
その槍はかなり重そうで、メイには使えそうにない武器だったが、
いちかばちか、敵から離れた位置からダメージを与えられたら。
バキッ!
やった、ある程度ダメージを与えられたようだ。敵はのけぞった。
メイはそのすきにロープのほうに手をのばした。
だがロープはかなり高い位置にあり、メイの身長では届かない。
そうしてるうちに
「ふふふ…うまそうだぜ姉ちゃん♪」
ノトシスはメイにのしかかった! あっという声とともにメイは床に押し倒されたが、
必死に武器を構えて抵抗した。
ノトシスは異常な体重があり、このままでは押しつぶされそうだ。どうする?<Rel1.10:1>
執筆者…MAYN様
メイはなんとかして敵の弱点を突こうとした…。
こういうときは敵の急所を突いて振り切って逃げるんだという護身法をおじい様に教わった…
だけどこんなやつに急所らしきものは…目かな? やつの目を狙うのかな?
メイはなんとかレイピアに手を伸ばし、敵の目に差し込んだ!
ぐさ!
「うぎぇええええ!」
怪物はめつぶしを喰らって必死に目を抑えて暴れまわった。
メイはそのすきに逃げ出し、窓のところをつたってロープに手を伸ばし、ロープを掴んだ。
ロープをつたって、つたって、やっと屋根の上に逃げた。
屋根の上から下を見下ろすと、イルヴたちが家の外で奮戦している。猫丸も、ダルメシアも。
この家の周辺はすっかり異臭と汚い色の空気があふれていた。
もっとも、其れがアシュラ(失敗作Ver)の死骸とは知る由も無い。
メイは、いっそのこと魔物ごとこの家を吹き飛ばしてしまいたいと思った。
だが、全ての魔法を無効化するノトシスの能力を思い出して、苛立ちを抑える。
そして、下からあの異形の怪物、ノトシスが這い上がってきた…。
「へっへっへ…」
メイは落ち着いて、距離を稼ごうと思った。此処からノトシスを突き落とすのだ。
メイは、ソコルディを唱え、グレーターデーモンを召喚した。
グレーターデーモンは怪物を殴った!
バキィ!
これは痛いぞ!(これは物理攻撃なので効いた)ノトシスの殻が一部砕ける。
「ウッアーーー!」
ノトシスは、どろどろしたおぞましき肉片の上に落下していった。
落下した彼を待っていたのは失敗作アシュラの持っていた槍の鋒先であった。
グシャッ!
砕けた殻から露出した内部に、アシュラの槍が突き刺さる。
異形は手足をジタバタさせ、泡を吹いて………遂には痙攣し始める。
「お…おのれ…まさか…『セイフォートの体』が破れるとは………
 ……ごとりん様、万歳…!
巨大海老のような怪物は一瞬ノトシスの姿に戻り、そして腐った肉片と化した…。
「…かっ…た…
メイは屋根の上に座り込んだ。
今気づいたが、メイの顔や服は
血と、ノトシスの身体から出て来た泥状の毒素に塗れてた。
敵にのしかかられたときに、無数の足で腕や胴をひっかかれたりして、
あちこちに切り傷ができて、服は破かれていた。
そんなことよりイルヴたちは大丈夫だろうか?<Rel1.10:2>
執筆者…MAYN様

チューンドキメラが3本の腕に其々持ったサブマシンガンで
ジョイフルの攻撃範囲内へとイルヴ等を誘導しようとするが…
「そう何度も同じ手を喰らうか!」
猫丸は空高く跳躍し銃弾を回避しながら一気に間合いを詰める。
跳躍した猫丸を狙撃しようとしたジョイフルはダルメシアによって突き飛ばされた。
故にジョイフルの弾道は僅かに逸れ、猫丸の頬を掠める。
「たあッ!!」
動じずに猫丸の雷電突きがチューンドキメラの堅固な外皮を破壊する。
悲鳴を上げるチューンドキメラの露出した肉をイルヴの放った火球が焼く。
「良し!効いている!」
イルヴに襲い掛かろうと突進するジョイフルを今度は猫丸が防ぐ。
完全に3人は体勢を整えていた。<Rel1.10:3>
執筆者…is-lies

チューンドキメラの眼から送られる映像を見てごとりん博士は溜め息を吐く。
「やれやれ…此処迄、強化しておったとは…」
少々、見縊っていた…そう博士に認識させるのに十分な光景だった。
「ノトシスも敗れた様ですね。これ以上の戦闘は無理かと…」
「…よし、撤退させろ。」
「了解!」
ライズはごとりん博士に命じられる侭にマイクに向かってチューンドキメラに命じる。
「…撤退だ……無論、ジョイフルを最優先だ…。
 ああ……序にノトシスの銃も持ち帰って来てくれ。
 ………………形見だ……」
「しかし…馬鹿な!
 なぜ、東、西日本の技術も得て製造したあやつらが大負けするとは…!
 くっ、仕方あるまい!代わりに、周辺の兵士を突入させるのだ!」
「駄目だ!応答、反応共にない!くそっ、どうなってる!」<Rel1.10:4>
執筆者…is-lies、A夫様

その頃、家屋外では『青』とアシュラが壮絶な戦いを繰り広げていた。
だが『青』はコブラの毒に体をやられ、動きが鈍っている。
しかしアシュラの方もオーガの首が完全に崩壊し、
ティラノザウルスの首が寸断されかけ、槍を持った手が消失している状態だった。
「やべぇ…1人で戦うのは無理あったか…。」
そしてアシュラは大きく踏み込んで、
『青』の4つの手の中の一つに握られた斧を振り下ろした!
『青』は無理のあるムーンサルトで回避し、コブラの尻尾を大剣で切り落とす!
「ギョエエエエエエエエエェェェェェェェェェェ!!」
断末魔の絶叫が聞こえる中、『青』の顔に安心感が表れ始める。
しかしそれもつかの間!
ジャブウゥ!!グチュ、グヂャ、ギャブッ…
「ぐぎゃあああっ!!」
彼は、油断したあまり後ろから
アシュラのクロウラーの首に鋭い牙で噛み付かれ、捕まってしまう。
そして首は思いっきり左右に振れ始め、さらに細かく噛み裂いてゆく。
「がほっ!!…だ、だめだ…毒で体が…っ!!」
すでに『青』はさっきのコブラの毒とクロウラーの毒に体を蝕まれ、
しかも刻一刻と噛まれている部分から体力を奪われていく…。
そしてその様子はイルヴ達にも伝わっていた…。
「うわあ!」
猫丸、ダルメシアは思わず手で顔を覆った。アシュラの攻撃のあまりのグロさに。
「『青』さんがあぶない!」
メイが、駆けつけてきた。
「メイ殿、ご無事でなにより!」
「この怪物は…」

 

「…ふん、オレはフジミだああーーーーーーーっ!!!」
噛まれて持ち上げられたまま必死に暴れる『青』。
そのせいか、アシュラのクロウラー首のアゴが緩み、
ふっと吹っ飛ぶようにして『青』は地面に落ちていった。
そしてイルヴ達一行が駆け寄る…。
「おい!『青』、大丈夫なのか、おい!」
「駄目だわ…毒がひどすぎる!早く回復しないと…え?」
みんなが見守る中、『青』はよろりと立ち上がる。
「だ、大丈夫…とりあえず…おろっ…。」
立ち上がったと思ったらまた倒れていく『青』。
「ほ、本当に大丈夫なのか?とりあえずMADIかけとくが…。」
「ありがたい…さて、再会を喜ぶのも逮捕するのも
 人の話を聞くのも、まずはあのバケモンを倒してからだな…!!」
『青』は回復した体で立ち直り、大剣ヒボタンXを構えて立ち上がる。
そして周りの者も全員戦闘態勢に入った。<Rel1.10:5>
執筆者…A夫様
「うおおおおお!くらいやがれ〜!」
『青』はヒボタンXを振り上げアシュラに飛びかかろうとする。
「!」
が、しかし突然頭が回るような感覚が『青』を襲い、地面に落とされた。
「こ、これは…まさか?」
「フ、よく分かったな。」
『青』の後方から現れたのは黒服の呪術師、翡翠だった。
「随分と派手にやってくれたじゃないか。
 しかし、そろそろおとなしくしてもらおうか?『青』」
「翡翠!貴様、何のつもりだ!」
イルヴが翡翠を睨み付ける。
「そりゃ…お前等がちょいとばかし目障りだって事だ。」
今度は翡翠の後ろからライズが現れた。
「『青』、愚かな男だ。我々と強力していればこんな事にはならずにすんだのに。
 できれば殺したくはなかった…。其の力さえあれば………」<Rel1.10:6>
執筆者…翡翠様

一方、ごとりんはその様子を不敵に笑いながらモニターで見ていた。
「くっくっく、なかなかやるようだが、あの二人相手にどこまで戦えるかな?
 さあ、翡翠!ライズ!奴等を抹殺するのじゃ!」
「いいの〜?『青』は私達が巨額の投資で造り上げた兵器よ〜」
博士の背後から、間延びた女性の声が語りかける。

「ふん…如何に血統の良く、美しく、賢く、強い犬でもだ……
 飼い主の手に噛み付く様な犬は要らん。最早、あの男に興味は無い」
「クスクス…ヒボタンの解析も碌に出来ていない状況で?」
「……………まだ必要と言いたいのか?」
「さ〜、どうかしら。でも少しでも多くの解を求めたいのが研究者って奴よね〜クスクス」
「…………」<Rel1.10:7>
執筆者…翡翠様、is-lies

「上部からの指令で『青』!君を追い回す必要もない訳だ…
 ふふふ。さぁ選択肢を与えよう!
 この場であっさりと死ぬか、それとも生物兵器生成のエサにでもなるか」
「…せ、生物兵器、生成…(気絶しかけ)またーり…。」
「狂ったか。だが、お前は…死ぬ!」
翡翠は強烈な呪術の構えを取った。
どうやら最悪な『青』を2度と復活させぬよう
命を消滅させ「死亡」状態に陥らせようとするみたいだ…。
イルヴ「…させるかっ!」
彼(イルヴ)もLADALTOの呪文を唱えようとする。
だがライズも銃を構え、後ろには数匹のキメラと
数十体のプロトアタッカーが攻撃準備に入っている。
そして『青』はぐったりと倒れて動かない…。
メイ達は何故か決断に迷うまま…。
事態はまさに壊したら叩かれそうな一触即発の様子であった…。<Rel1.10:8>
執筆者…翡翠様、A夫様
「さて、手っ取り早く終わらせてやるか。」
ザッ
ライズは凄まじい速さでダッシュした。
その動きは音速を超えているかの様で誰の目にも追えないほどだった。
ドカッ!バキッ!
「ぐあっ!」
その音にメイが後ろを振り返ると
ライズの一撃で地面に倒れている猫丸とダルメシアがいた。
「猫丸!ダルメシア!」
二人は気を失ってしまったらしくメイの呼びかけに返事はなかった。
「い、いつの間にこんな…?」
ライズの強さを目の当たりにしたメイの顔は見る見るうちに蒼冷めていく。
「フフ…お嬢さん。ちなみに今のはエルボーとローリングソバットだぜ。」
「!」
背後からの声にメイは反応し手にしたレイピアを振りかざした。
「おっと、危ないなぁ。」
ライズはバックステップでそれを避ける。
「メイ!そいつは強い!離れろ!」
メイの危機を感じイルヴは真紅の火球をライズに向けて放とうとした。
が、その時だった…。
「おっと、よそ見をしていていいのかな?」
「なっ!」
イルヴの背後からいつの間にか忍び寄っていた翡翠が首を締めあげる。
「うぐ……。」
翡翠の力は想像以上に強く
イルヴは自分の体内からどんどん酸素が無くなってくるのが分かった。
「フフフ、この方が直接呪いを送り込めるからな…。」
翡翠はにやりと笑いながら何か呪文らしきものを唱え始めた。
「ぐは!」
イルヴの全身に痺れるような激痛が走る。それはかつて味わった事の無いほどの苦痛だ。
これこそが相手をじわじわと嬲り殺していく邪法「死獄印」である。
「おのれ…そう簡単には…いかぬぞ…………破!!」
ズギャア!!
イルヴは死獄印に全身を蝕まれながらも最後の力を振り絞り
ありったけの魔力を翡翠に至近距離から叩き込んだ。
「バカな…」
翡翠は雷に打たれたような衝撃を食らってそのまま崩れ落ちた。
「はぁ…はぁ…危なかったな。」<Rel1.10:9>
執筆者…翡翠様
「くっ…お前の相手もしてやるか!」
そう言うとライズはイルヴに人間外れ級のスピードで接近していく!が!
(ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!)
「がふっ!!ぐほっ!!うぐっ!!がっ!!はっ!!…。」
皆がライズや翡翠の相手で苦戦している中、
翡翠の呪いが緩んだ事によって『青』はなんとか復活した。
そして素早く動いているライズ相手に
ショットガンヒボタンXを乱射しまくったのが事の真相である…。
「ありゃ、反撃対象を間違えたか…まあいいか?」
「くっ…封じておかねばなんと生意気な奴だ…。
 翡翠!頼む!」
「さっきはぬかったが、今度はそうもいかんぞ…
 それに、おまえのような相手は呪いが十分あるからな!!」
「言いたい放題言うのなら、気が済むまで成敗させてもらうぜっ!!」
負けじと『青』はひどい怒りの形相で駆け寄ってくる翡翠のもとに突撃してゆく…。
そして、2つの首と腕と尻尾を失ったアシュラもまた動きだす…。<Rel1.10:10>
執筆者…A夫様
と、その時……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ドッガーン!!
アシュラが轟音と共に崩れ落ちた。
「な、何だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
おそらく今までのダメージでアシュラは相当ガタがきていたのであろう。
ちょうど真下にいた『青』はその下敷きとなりグチャリと潰れた…。
「なんか巨○兵みたいだぞ…。」
ライズはあっけにとられる。一方、それをモニターで見ていたごとりん博士も
数億の研究費が灰になった瞬間を目の当たりにし絶句していた…。
アシュラは死んだ。しかし…
「くっ…」
『青』の身体に、一同はむせ返った…。もちろん意識不明。
「ぐ、今だ!」
「何ィ!?」
アシュラの崩壊と『青』戦闘不能で、呆けていたライズと翡翠の隙を見て
イルヴはワープ魔法を使った。直ぐにイルヴやメイ、気絶した『青』達が姿を消す。
「ちっ!魔力追跡するか?」
「……いや、もう離れた方が良い………数分後に皇国軍がやって来る。
 …ごとりん研究所が忍び込ませた潜入班の仕切る隊ではなくてな」
「…お前の『眼』でそう見えるのなら確かなのだろうな…行こう」<Rel1.10:11>
執筆者…翡翠様、is-lies

イルヴが転送先に選んだのは日本皇国立病院だった。
既にメイしか満足に動ける者が残っていなかった事を見越しての事だろう。
此処なら直ぐにでも十分な手当てが出来る筈。
幸い、イルヴ、タクヤ、ハチは直ぐに意識を取り戻した。(其れでも休息必須)
だが、其れでも『青』の瀕死状態には変わりが無い。
魔法力も殆ど尽きた今のメイでは応急処置も儘ならない。
全てが……此処の医師任せなのだ…。
其れにメイは酷く無力感を感じていた。今迄何でも出来た魔法が…役に立たない…
何時間経っただろうか…、一人の医師が手術室から出てきた。
「容態はあまりよくありませんな。」
「そんな…」
「もちろん、我々も最善は尽くしますが…。」<Rel1.10:12>
執筆者…is-lies、MAYN様

一方、手術室内にて。
ぴ・ぽ・ぱ・ぴ・ぽ
トゥルルルル…ガチャ!
「ああ、君か、すまない。すこし、ココまで来てくれないか?」
ガチャ
「ど●で●●ア!?」
電話をかけた院長以外の、そこにいた麻酔医をはじめとするスタッフは一同唖然…。
「やぁ。こんにちは。ぼく*****(訳あって伏せ字)です。」
「D先生、よろしくおねがいします。」
「―はい。<お医者さんかばんー>」
「はっはっは…、やはりD先生は名医だ。」
『青』は、何事もなかったように、起き上がった。(全身麻酔はどうしたという突っ込みは却下)
莫大な手術費(?)がかかっていることにだれもきづかなかった…<Rel1.10:13>
執筆者…たかし様

眼鏡を掛けた長髪の男と、魔法の霧を発生させている男
(その霧にあてられた老人3名が気絶)の二人が病院内に進入してきた。
霧を発生させている男の方はローブを纏っていて顔が見えない。
老人が倒れたことで騒然となる病院の人々を尻目に、
二人は何らかの特殊な受信機であろうか?コンパスを睨んでのち、進行方向を決めた。
「…近づいているようだな…」
「えぇ。術士イルヴ、彼等と接触する前に我々で早めに確保しなくては…」
「多少は荒っぽくやってもいいのだろう?」
「ええ。まぁ、併し…戦闘になれば此方の方が不利でしょう。……今の姿ならね」
「だが、お前等も相当疲れるそうじゃないか?姿を変える事」
「ふふ、其の為に、これを用意してあるのでしょう?」
鞄を叩く、細身の男。心なしか鞄が変な音を上げたような気がした。
「フン…そんなものは要らん。俺の魔法で十分だ」
そんなことを話しながら二人の男は、階段を上っていく。
書類を抱えて走る看護婦が、すれちがった直後に気絶して
階段を転げ落ちるのを無視しながら…<Rel1.10:14>
執筆者…Mr.Universe様

その頃、病院の病室では、『青』が疲れたような顔でベッドに横たわってた。
成功したらしく、体に損傷は見当たらない…
(そりゃD先生がメス使わずにやったんだから、手術跡もないわな(笑))
そんな中、イルヴは突然口を開いた…。
「なぁ…凄い魔力が近づいてる気がするんじゃが…。」
「うーん…確かにそうですね。あれ?ちょっと遠ざかったみたい。」
「元は座ったらしい…とどまっているようだ。」
「で、その魔力の元となる人物は…どこにいるんだ?」
「駄目だ…俺は魔法とかには慣れてないから感じ取れない!」
その時、イルヴは『青』が寝ているベッドの背の壁にある地図に目を通してみた。
イルヴは精神を集中させ、魔力のもとがあると思われる位置と地図をからめて照らし合わせた…。
「い、院長室…?」<Rel1.10:15>
執筆者…A夫様

「ここか…?」
イルヴ達は病院の最上階にある医院長室まで来ていた。
「まあ、何にせよ確かめて見なきゃはじまらん!開けるぜ!」
「こ、こら『青』!よせ!もっと慎重に…」
しかし『青』はそんなイルヴの制止も聞かず勢いよく扉を開ける。
ガチャ
「…………………」
そこには想像を絶する光景が広がっていた…。
「あぁ〜ん、医院長…ここがすっごく腫れてますよ〜」
「ハァハァ…(;´Д`) とってもいいよ香織たん!」
そう、これこそが真昼の情事ってやつだ。
「キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
それを見たメイは顔を赤面させて叫ぶ!
「き、貴様ら! 何を見ておる!」
「す、すいません!」
イルヴは急いで扉を閉めて今にも気絶しそうなメイを抱えてその場を後にする。
「『青』! 今度やったら殺すぞ!」
階段を駆け下りるイルヴの額には血管が浮き出ていた。
魔力の正体はそれではなかった…(当たり前だっての!)。
一同はモザイク入りそうな院長室を後にした。<Rel1.10:16>
執筆者…翡翠様

だが、病室に戻った彼等を待っていたのは謎の2人組(片方が魔力のモトのようだ)だった。
なにやら異様な雰囲気にイルヴは戸惑いを、『青』は自分とは同じようで違う凶暴な意志を、
メイは本能的な恐怖を、ハチはいつもと違う警戒心を、タクヤは本能的な殺意を覚えた…。
「き…きさまらは一体誰なんだ!」
「ほう、術師イルヴ…そしてその御一行と来ましたか…
 まぁ、私達の用は『青』君を引き抜く事ですが、何か?」
「どちらにせよ我々には秘密兵器がある。つまり…
 負けは確定だ。そいつらの中の一人もさすがに休まなければ動けまい!」
「…さすがにのんきに、とはいきそうにないわね…
 ハチ!タクヤ!気を付けて!」
「『青』は…そのだるい体で大丈夫か?」
「当・た・り・前…と。奴等が遊びたかったらリクに答えてやる、
 そのつもりだ…ふああぁぁ〜〜〜(あくび)」
「心配な奴…。」
「ふん…相変わらずだな…」
そう言って魔法の霧を出していた男がローブを翻して脱ぎ、素顔を見せる。<Rel1.10:17>
執筆者…A夫様

 時は少し遡る。
組織施設内部の小さな個室…
其処の古びた椅子に、彼…ライズは項垂れて座っていた…。
其の隣で長身痩躯の男が細目で彼を見下していた。
長髪に眼鏡を掛けたインテリ風の男である。
細目を直ぐに閉じてニコニコとした顔を作る。
「…無様ですね。ライズ…貴方とあろう者が…、
 あの翡翠さんを連れて行きながら、
 1人も始末出来ない侭で帰って来るとは…。
 本来なら降格ものの失態ですよ?」
「…何の用だ?『ヒュグノア』…」
ヒュグノアと呼ばれた男は一層の笑顔でライズに告げた。
「ライズ…貴方は今回の作戦から一時的に外されました。
 以後の指揮は私、ヒュグノアが務めさせて頂きます。」
動揺するかと思ったヒュグノアの思惑とは別に、
ライズは無関心と言わんばかりに手元の本の文字に視線を這わせていた。
「…好きにしろ……だが、忠告しておくぞ…。
 奴等は毛程も甘く見れる存在ではない…。」
「心得ております。ノトシスさんが敗れた以上、
 我々も慎重に事を運ばなくてはなりません。
 以前のテロ潜入班と政府潜入班の街中での攻撃は
 流石に隠蔽作業に苦労しましたよ。
 『脳』にも手伝って頂いた程ですから。
 今回の舞台は…病院と場所も処理し易いですので…。」
細目を僅かに開いた折、垣間見えたヒュグノアの眼は
凶悪な色を有していた。<Rel1.10:18>
執筆者…is-lies

現在の状況
大名古屋国
本田が何か企んでる様子。究極生物TAKEとは?
ごとりん博士
こちらも独自の企みがあるらしい。
ライズ達を従え、金で翡翠を雇っている。『青』を実験材料にするため
監獄ダンジョンから救出しようとしたが脱走され現在は敵対。
『青』
とりあえず一命は取り留め現在は病院の中。政府からも追われ
ライズ達にも命を狙われている。
メイ
当初はテロリスト対策のプロとして政府側に雇われていたが
現在はフリー。イルヴの元で修行中だが突然、ごとりん組織の化物軍団に
遭遇し一時『青』と共同戦線を張っているようだ。
執筆者…翡翠様

『青』達の前に現れた2人の男はごとりんからの刺客、ヒュグノアと翡翠だった。
「あなたがあの高名な術師イルヴさんですね。
 初めまして。私の名はヒュグノア。以後お見知りおきを。」
ヒュグノアはイルヴの前まで来ると右腕を差し出す。
ずいぶんと胡散臭そうな男だ。イルヴはそれに応じようとはしない。
「おやおや、せっかくこちらが友好的に出ているのに…。
 それに私の目的はあくまで『青』君ですから。」
「!」
と、その時だった。イルヴ達の足元に
六芒星の魔方陣が浮かび上がり青く強烈な光を放った。
「こ、これは…しまった!今までのは時間稼ぎか!」
気づいたときにはすでに遅かった…。
魔法陣の中心にいたイルヴ、メイ、ハチ、タクヤは
金縛りにあったかのように身動きが取れなくなっていた。
「クク…見事ですよ翡翠さん。」
「……当然だ。」
ヒュグノアが時間稼ぎをしている間に翡翠が呪文を唱え、イルヴ達の動きを封じたのだった。
「さて、『青』さん。大人しく我々に従ってもらいましょうか。」
「ケッ、誰がてめーらフニャチン野郎共の言う事なんか聞くか!」
『青』はマシンガン状のヒボタンXを構えた。
「やれやれ、仕方ありません。ではこちらも力づくでいかせてもらいますよ。
 …とはいえ、翡翠さんの言った様にコイツの出番はなさそうですね。たった一人ですから」
ヒュグノアは持ってた鞄を眺めながら指をパチッと鳴らす。
するとその後方から4人の男たちが現れた。そして、そいつらの顔に『青』は見覚えがあった。
「こ、こいつらは…」
そこにいたのはユーキン、エース、ガウィー、キムラだった。
しかしどうも様子が変だ。全員の顔に精気が感じられない。まるで人形のような感じさえ受ける。
「紹介しましょう。ごとりん博士が強者のクローン人間として作ったプロトタイプです。
 しかし、その実力は本人と何の変わりもない。
 皮膚や髪の毛から完璧な形で復元した最高傑作なのです。
 さあ、クローン達よ!『青』を倒せ!」
ヒュグノアの合図でクローン達は一斉に襲いかかる!
「ちくしょー!やってやるぜ!」
『青』はヒボタンXを構えてトリガーを引こうとする。が、しかし…
ビュンッ!
「うお!」
勢いよくユーキンのボウガンの矢が飛んでくる。
『青』はそれを寸前で避けるが
今度はキムラの弾丸が『青』に向かって放たれた。
「ひぃ〜!」
『青』は必死に逃げ惑う、そして…
バキッ!
「ぐは!」
いつの間にか背後に忍び寄っていたエースのパンチで後頭部を強打し視界が揺らぐ。
さらに追い討ちをかけるようなガウィーのジャーマンスープレックスで『青』は無残にもKOされた。
「クク…完璧ですね。それでは『青』も回収出来たことだし、
 行きましょうか翡翠さん。」
「ああ。」
哀れ『青』はヒュグノア達の手によってさらわれたのであった。
後に残されたイルヴやメイは、自分で何も出来なかったという、屈辱と悔しさでいっぱいだった。
そして彼等は共にごとりん博士との全面対決を決意する。
決戦の時は近づいて来た…。<Rel1.10:19>
執筆者…翡翠様
 
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